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31 異世界リゾート・その3

新作・ヘイスが征く!! ~邪神の使徒になってしまった男の苦労譚~

https://ncode.syosetu.com/n5622hm/

よろしくお願いします!




海の家といえば……具の少ないラーメン、具の少ない焼きそば、具の少ないカレー……

決してディスってるわけじゃない。オッサン世代のイメージはそんなもんだ。


しかし、ここ異世界ではそんなものですら実現は難しい。醤油、鰹節、ソースががががが……


実現可能な海の家メニューは何だろう?

カキ氷。

黒蜜やフルーツジュースなら簡単だ。カキ氷器は創造神の爺さんに頼めばいいし、何なら始めっから魔法でフワフワの氷を創ればいいのだ。ブルーハワイ? 異世界産フルーツに真っ青な果汁のがあればワンチャンかも?

焼きとうもろこし。

地球の史実ではトマト、ジャガイモ、タバコなどとともにアメリカ大陸から伝わったそうだが、この世界では外来植物がしれっと森に生えている『設定』らしい。探せばどこかで見つかるだろう。こっちも魔法でチビ妖精に出してもらえばいいしな。醤油が今手に入らないのが悔しい。負けた気がするので極東の島には転移しない方針だからな。

焼きイカ。

海産物でバーべキューする予定だから問題なし。これも醤油がネック。お約束で魚醤が手に入れば味変が可能?

焼きそば。

ソースは自作できそうだが時間がかかるので今日は無理。海鮮塩焼きそばでいいだろう。麺もパスタかうどんで代用する。問題はフォークが似合わんことだ。箸を布教するか。


こんなものかな? スーパーケータイで検索すればいくらでも出てくるだろうが、オシャレすぎるのはオッサンのイメージに合わないのでパス。


そんなわけでバルハラ教国の港町に来ています。

現在はこちらもまだ午前中なので市場も活気があってよろしい。教会は暴走中でちょっとアレだけど、庶民の生活はどこも変わらないようで安心した。


港町ということで魚介類が豊富。オッサンは手当たり次第購入したね。イカやタコのことを聞いてみると存在は確認した。が、お約束どおり『悪魔の魚』として嫌われているらしい。おいしいのに……オッサンはこれ幸いと水揚げ場まで行って交渉したね。捨てるぐらいならオッサンにくれって。

いやー、喜んでもらえた。これぞWIN-WINだね。なんか、エビやカニも虫と思われてるのもテンプレで、こっちも引き取った。やったね! 


後は酒屋と雑貨屋と食料問屋みたいなところで買い物。

神サマズにリクエストされたのでエールとワインを樽で、食器類と調理器具、木炭に調味料なんかを購入。ありましたよ、魚醤。それから砂糖。テンサイ糖だけじゃなくってキビ糖もあった。カリブを植民地にしてないのに何故って思ったから素直に聞いてみると、ダンジョンでドロップするって当然のように答えられた。

オッサンは反応に困ったね。ご都合主義ェ~。そういえばオッサンもそんなスキル持ってた。実感は全くないけど。


あと、困ったのが鉄板。大きいのは鍛冶屋に注文だそうだ。しかたない、それぐらいは爺さんに頼もう。え? 頼みすぎ? セーラのためだといえばホイホイ何でも創るからな。


「ただいま~っと。え? ほわっつ!?」


買い物を終えて小島に戻った。

海の家の前に転移したのだが、そこから見える光景にオッサンは目を疑ったね。


「おお。戻ったか、タケシよ」


爺さんがのんきに声をかけてくるが、この光景を前にしてボケたか?


「なにやらロクでもないことを考えてそうじゃが、特に問題はないぞ?」


確かに、神サマズがいれば問題などあるはずもない。

しかし、インパクトが大きすぎる。心臓に悪いぞ!


オッサンが目にしたのは津波だった。

リアルの津波は威力こそ大きいが見た目は地味らしい。だが、目の前の津波は高さ50メートルはある。それが退いては寄せを繰り返していた。ついでなのか、現実では起こりようのない竜巻が4本ほどウネウネしている。

たぶん砂浜を含めた島全体に結界が張ってあるのだろう、波打ち際には変化がなかった。爺さんに聞いたらやっぱりそうらしい。竜神サマが結界張って海神サマが波を起こしてるんだと。


そしてその海神サマの起こした津波にリバイアサンが翻弄されている。遠目だがよく見るとセーラがライディングしていた。楽しんでる……よな? うん。なら、よし!


「問題ないなら問題ない。爺さん、ちょっと手伝ってくれ」


「お主、言葉が変じゃぞ? まあよいか。何をすればよいのじゃ?」


「焼き台を造るから、その上に鉄板と焼き網を創ってくれ」


「よし。任せておけ」


オッサンは土魔法で焼き台を造る。数は三つ。鉄板用、焼き網用、鍋用だ。あとは作業台を二つ造った。これはテーブル代わりにもなる。


炭をおこして火の番を爺さんに任せる。

オッサンは魚介類の下処理だ。ウロコとワタを取って大きなのは3枚に下ろす。独身者をなめんなよ!

次は売ってたパスタの乾麺を大量に茹でておく。余ったら市場で見つけたトマトでいつかミートソースを作ろう。アイテムボックス様様だ。うどんも究極だの至高だの言わなければ小麦粉に塩と水を混ぜて捏ねて細く切るだけだ。こっちも大量に仕込む。

最後は野菜。気持ち程度に洗って《クリーン》をかければあとは適当に切るだけ。いやー、魔法って便利。大根ときゅうり以外は何でもバーベキューに合うと思う。大根、時期はずれなのか売ってなかったけど。ダンジョンにあるかな? よし、冬になったらおでんのために取りに行こう。


下拵えが終わったら、昼にはまだ早いけど調理開始。半分はアイテムボックスに入れておこう。神サマズの胃袋が予測不可能なので保険だ。残り半分を自分で焼きながら食べさせればいいと思う。


「お、もう始めるのか? 酒は?」


調理を始めたら雷神が現れた。


「まだだ。暇なら獣神の手伝いでもしてこい」


「そんな殺生な」


「働いたあとの酒はうまいぞ?」


一説には『働かずに飲む酒はウマイ』というのもあるが、言わないでおこう。


「そ、そうなのか? じゃあ、行ってくる」


バチッっと火花を散らして消えた。さすがは雷神。アブねーよ! 感電したらどうする!

しかしチョロいぞ、神サマズ。素なのか? 凡人だが一応上司のオッサンに忖度しての演技か?

火の番をしている爺さんと目が合った。うん、どうやら素らしい。


「な、なあ、爺さん。せっかく神サマたちが集まったんだから魔神サマも呼んだらどうだ? イズミちゃんも連絡できたら来るかもしれないし」


「そ、そうじゃな。呼んでみるか……ダメじゃ。イズミは呼びかけても返事がない……」


「そ、そっか。ま、まあ、旅を楽しんでるんだろ。便りのないのはよい便りって言うし」


「そういうものかのう……」


「元気出せよ。で? 魔神サマのほうは?」


「呼ばれて飛び出てジャジャジャジャーン!」


魔神が現れた! 字面にすると最終局面っぽいな! オッサンが持ってるのは聖剣じゃなくて焼きそば用のヘラだけどな。一応創造神サマ謹製だから神剣並みかな?

それより、どこでそのネタ拾った! シュレか!


「やあ、異世界人クン。ひさしぶり~」


会うのは雷神サマと同じ2回目だけど、軽いな!


「……ああ。そうだな……」


「いやー、呼んでくれてうれしいよ。忙し……くはないけど、きっかけがないとどうもね? あ、獣人たちの受け入れの準備はさせてるよ? 魔王を筆頭に魔族たちは忙しいみたいだけどさ。アハハ」


アハハって、笑い事じゃないんだけど。まだ見ぬ魔王さん、ご苦労様です。


「……そろそろ始めるか……」


「うんうん。こういうイベント、初めてだからすっごく楽しみ!」


「さいでっか……」


あくまで軽い魔神さまだった。





次話は10日0時の予定です。

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