第一章 ふつつか者ですが、劉備と申します。 【英雄登場!? 】
真三国志の物語のはじまりはじまり・・・・・・
01
私の名は、劉備。
字は、玄徳。
劉玄徳と申す。
自分で言うのもなんだが、私はこの奇妙な物語の主人公である。
三国志奇譚というべきかな。
・・・・・・最近、世の中は乱れに乱れてきているのである。
漢の朝廷では、十常侍どもの賄賂などが横行して政治腐敗し、世間では太平道なる黄巾賊が幅をきかせて世を乱していた・・・・・・。
実は私も、群集心理というべきか、この世の流れ・トレンドに乗じて黄巾賊に入門しようかとも思ったりもしたもんだ。
事の顛末は次の通りである。
私には一人の病弱な母親がいる。
私のお袋は、いわゆる更年期障害なのだ。
お袋は事につけて私に、
「玄徳や。お主は、漢室の血をひく高貴な生まれぞ。必ずや大業を成してくれや。」
だの、
「玄徳や。ご飯はまだかい? なにかおいしいものが食べたいのう。」
などと、口やかましいのである。
ああぁぁぁ~っ!!! イライラする!
・・・・・・って、私の方が更年期障害かっ!!
ちなみに私は毎日毎日、草履を編んでは街へ売りに出歩いている。
「千里の道もひとっ翔びの草履はいかがっすか~~っ!! 」
などと、売り文句を飛ばしていたらお客に、
「なに嘘ついてんだコノヤロー!! このクソガキ!!!! 」
と、言われて殴られた。
ヘコんだ。
う~む。商売は本当、難しいなあ・・・・・・。
そうそう、黄巾賊の話になるが・・・・・・
黄巾賊は主に、ターメリック(ウコン)の染料でもって布を黄色く色付けして黄色い頭巾を作り、それをトレードマークに被っているのであるが、最近は黄巾賊が流行り過ぎてるので、黄色の染料不足になっていて・・・・・・春はタンポポ、夏はヒマワリ、秋は柿、冬はミカンを頭に巻いて着けて黄巾賊に参加する、という奇妙滑稽な姿の輩達も目立つ。
やれやれ。世も末だな・・・・・・。最近の若者のファッションといったら。(私も若者だが。)
我は国を憂う。
我は漢室を憂う。
とかなんちゃって言っている私も、黄ばんだ下着を頭に巻き着けて黄巾賊に加入しようかとした暗い暗い過去もあったもんだなあ・・・・・・。
・・・・・・だって、このしょーもない世の中に不満があるんだもん。
みんなにやれ、劉備は耳がゾウのようにデカイだの、腕がサルのようにやたら長いだの、キモいだの、云々・・・・・・イジメられているんだもん。
あ~あ。どうしたものかな・・・・・・。
02
とある日、私はいつものように街で、自家製の (メードイン劉備)の草履を売っている時に、近くの酒場でずいぶん小汚らしい髯モジャ大男の匹夫が、ギャーギャー大声をあげて騒いでわめいている景色を目にとめた。
続く・・・・・・???
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