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第3話 変化と予兆
母親の死後から1年、2年と月日は過ぎたものの、秀一は周りとの交流を一切途絶えピアノを弾き続けた。一応、食事はしているようなのだが、少し頬がこけている。明らかに様子がおかしかった。そんな秀一に誰も近づこうとはしなかった。一人を除いて…
こんこんっ、
「秀一君、秀一君はいますか?」
ノックしても出てこない。しかし、ピアノの音だけがドア越し聞こえてくる。軽やかで、でも少し悲しげで…。まるで何かに翻弄されているような。素晴らしい。この人やっぱり天才よ。仕方ない。今日はこのピアノに免じてかえってやるか。
「また明日来ます。」
そう言って彼女は立ち去った。このようなことがほぼ毎日続いた。




