最強なら、悪役で - 作戦会議、天国で
短編集だからこそできる異世界ファンタジー第三話です。
ここは下界監視センター世界番号2035,2442用。いわゆる天国。
この天国は数多の神々や優しき霊たちが暮らす神聖な場所であり、生きている人間は普通は入れないのである。
「ただいま。」
と、帰ってきたのはついさっき地球人を殲滅しに行った人間、サクラ。
「あ、おかえり〜……早くない!?残りの人数って2億人でしょ?チートなしの人の所業とは思えないわ。」
「地球人は、弱い。」
「倫理観とかどこにあるのかしら。ま、いいわ。それであれの返事は?」
「いいよ。やってあげる。」
そんな風に作戦会議という名の仕事説明会が始まった。
女神の部屋に移動した2人は、ちゃぶ台を囲んで正座している。
「えーごほん。それでは仕事内容を説明する。」
そう言うと、女神はチラシを取り出し、読み上げ始めた。
「作りすぎた異世界に行き、その世界の住人を殲滅してもらいます。大抵の場合宇宙まで作り込まれていないので一惑星だけで十分です。また、一つの世界を滅ぼすごとに報酬として何かしらの加護を与えます。だって。」
「何かしらの加護って?」
「わかんない。パワーアップみたいな物よ。運が良くなったり、攻撃が強くなったり。」
「そうなんだ。」
「あんたなら苦戦しなさそう。とか言えたらいいんだけどな〜。」
「どうして言えない?」
「そりゃあチートを持った主人公が強すぎるのよ。私でも倒すのに苦労する。」
「例えば?」
「このチラシに書かれてるやつだと……運が良すぎる奴とか、なんでも切り裂くことができる奴とか。純粋にレベルを上げたあんたじゃ到底敵わないわね。あんた今ステータスいくら?」
[桜のステータス]
level 103
EXP 233397/9867574
HP 8240/8240
MP 9127/11330
スキル:
《言語理解》
称号:
《アースリング・スレイヤー》地球人を殲滅した者へ贈られる。畏怖+102
「うーん……やっぱり今のままじゃ太刀打ちできなさそうね。」
「じゃあレベル上げする。」
「どうやって?地球人はもういないでしょ?……私を殺すのは無しね。怖いから。」
「大丈夫。殺すのはその世界の人。」
桜はチラシに書いてある世界を指さした。
「え?ここは運がめちゃくちゃいい奴がいるってさっき……」
「それは主人公だけ。脇役なら狩れる。」
続く……。




