未来永劫
ある男は友人がいなかった。
しかし友人という未来永劫を手に入れたかった。
男は静かに作った。
友人に成り代わるロボットを。
男はあまり人とも話さず、淡々とエンジニアの仕事をこなし
家で密かに友人を作った、
男はある日、ついにその友人を完成させた。
レイ、こんにちは。
男の名前を呼ぶロボットは思った通り人間らしく動いた。
だけどロボットには決定的に、足りないものがあった。
人のような暖かさ、体温だ。
それを再現するために男は豚の心臓なんかを使って再現しようと
さらなる改造を進めた。
ロボット言った。
もう僕はこれで十分、レイと話せるだけで嬉しいよ。
それじゃ嫌なんだ 僕は未来永劫の友人が欲しいんだよ。
男は言った。
ロボットは言った。
レイ、もうやめよう。僕はいろんな感触はわからないけれど
レイが僕を作ってくれたって理解しているし、このままずっと
レイと友達なんだ。
男は悩んでいた。
ある日男は、決意し、闇医者で半分にできる臓器を全部
ロボットの中に入れた。
腕の良い医者もやめておくように言ったが、
男は譲らず、脳の一部もロボットに入れてしまった。
男は無事に家に帰ったが様子がおかしかった。
レイ、大丈夫かい。
冷たい!ロボットは男が冷たいことが手を伝ってわかった。
ロボットは闇医者のところへ男を連れて走ったが
ダメだった。
ロボットは家に帰り椅子に座ると
未来永劫、未来永劫とまる一周官も言い続けた。
そうしているうちに、顔はレイになった。
1ヶ月したのち、ロボットはいつもしていたかのように
スーツを着て会社へ行った。
会社の人間は心配そうにレイに声をかけた。
さあ。新しい人生の始まりだ。
レイは笑う。
ーおしまいー