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ミッドナイト・ブレイカーD×M(デモンズ×メモリー)  作者: 一条信輝


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87話:エリナからの通信

 “存在しない者”の痕跡を追いかける奇妙な監査は、マユにとって初めての経験だった。誰も覚えていないはずの記録官“ユール”の名前だけが記録に残り、その存在を証明するのは記録そのものという、矛盾と不条理の迷路。その真実に向き合おうとするマユとナナの視点から、情報と記憶、そして「残された証拠の意味」を見つめる静かな探求が始まります。

淡い青の光が、記録監査室の天井をぼんやりと照らしていた。すでにユールの残響記録は消失し、空間には静寂だけが残っている。


 ナナは、少しだけうつむいたまま、記録帳に指を添えていた。


 「……ねぇ、マユ。私たち、すごく大きな渦に巻き込まれてない?」


 問いかけは、震えを帯びた声で発された。けれど、それは不安というより、“覚悟の確認”のようだった。


 マユは頷いた。


 「記録を歪めるほどの力……たぶん、ただの監査の枠を超えてる。俺たちが見ていた都市は、ほんの表層だったのかもしれない」


 ナナの視線が、マユの腰にある封印剣ラグナへと移った。


 「……ところで、その剣、さっきからずっと微かに震えてる気がするんだけど」


 「……気づいてたか」


 マユは、鞘に収まったままのラグナに意識を向ける。確かに、かすかな反応がある。まるで何かに呼ばれているかのような“共鳴”――それは封印されたラグナからは、本来ありえない波動だった。


 と、そのとき。


 空間に“ノイズ”が走った。粒子のような光が弾け、記録監査室の中央に一枚の《映像通信》が展開される。


 「……っ、これって」


 ナナが警戒して身構える中、映像が完全に開き、そこに浮かび上がったのは――エリナだった。


 「エリナ……?」


 映像の中の彼女は、いつもの明るい調子ではなかった。背景には学園の一角が見え、緊急通信であることを物語っている。


 『やっと繋がった。マユくん、聞こえる? ナナちゃんも』


 「聞こえる。今は記録監査室にいる。そっちは……?」


 『あんまり良くない』


 その答えに、ナナとマユは息を飲む。


 『学園内でも“記憶のズレ”が発生し始めたの。最初は些細な違和感だった。机の配置が変わっていたとか、昨日話したはずのことを誰も覚えていないとか。でも、今朝――図書館の記録員全員が、“昨日ここで働いてた生徒”の名前を覚えてなかった』


 「……まさか、それって」


 『ええ。“記録にはあるのに、誰も覚えていない”という現象。まるで、そっちで起きたことと同じよ』


 エリナの目が、画面越しに鋭くなった。


 『もう一つ、気になることがある。マユくん、ラグナの状態を教えて』


 「微かに反応してる。封印されてるのに……まるで“外から呼ばれてる”ような感覚がある」


 『やっぱり』


 そう言ったエリナの表情に、緊張が走る。


 『こっちでも確認したの。封印剣ラグナが、“何か”に反応しているの。しかも、それは内部の覚醒じゃない。……外部から、無理やり“開こうとしている”痕跡があるのよ』


 マユは言葉を失った。封印剣は、自らの意志でしか力を開放しないはずだ。それを、外部から強制的に共鳴させるなど――理論上、ありえない。


 ナナが低く呟く。


 「つまり、誰かが“ラグナを利用しようとしている”……?」


 『そう考えるのが自然よ。誰かが、マユくんの記録権限に干渉して、記録核へアクセスしようとしてる』


 「それって……俺を、鍵として?」


 『……ええ。おそらく“第三の鍵”を持つ君に、直接接続しようとしてる』


 マユの心に冷たいものが走る。つい昨日、ユールから告げられた“鍵”の正体。それは、記録と記憶が結びついた“個人の認識”そのもの。つまり、意識の干渉。


 「でも、鍵って……心の波長に依存するはずだろ? どうやって外部から一致させるんだ?」


 『――偽装よ。君の記録を誰かが盗み取って、模倣しようとしている』


 「記録を……盗む?」


 ナナがぎゅっと拳を握る。


 「……それ、ユールさんの“消失”と関係あるんじゃない?」


 エリナの映像が、静かに頷く。


 『“記録から消えた人間”を作る技術と、“誰かになりすます”技術がセットになっていたら――』


 「“記録のなりすまし”……?」


 映像が一瞬、ノイズに包まれる。通信の安定が失われつつある。


 『時間がないわ。とにかく、気をつけて。記録核の周囲で、不自然な“アクセス痕”があったらすぐ知らせて。私もこちらで調査を続ける』


 「エリナ……ありがとう。無理はするなよ」


 『ふふ、マユくんこそ。ナナちゃんも一緒で安心したわ。……引き続き、気をつけて。こちらからもまた連絡する』


 映像がスッと消え、再び監査室は静寂に包まれた。


 ナナがぽつりと呟く。


 「“記録を盗まれる”って……そんなこと、本当にあるのかな」


 マユはしばらく黙っていたが、やがて視線を上げ、静かに言った。


 「あるかどうかじゃない。……もう、“起きてる”んだ」

エリナからの通信が途切れてから数分。記録監査室には静けさが戻っていたが、その空気は明らかにさっきまでとは違っていた。ナナは、机に置かれた端末の端をじっと見つめていた。


 「……誰かが、マユの記録を偽装しようとしてるって、本当なのかな」


 ナナの呟きは、どこか自分自身に問いかけているような響きを持っていた。だが、マユは答えず、ただ静かにうなずいた。


 「……ユールの“消失”も、俺たちがここに入る前に仕込まれていたとしたら……」


 ナナは思わず目を伏せた。記録監査に携わる彼女にとって、“改ざん”という言葉は“裏切り”に等しい。それが、誰かの記憶だけでなく、マユの存在すら利用して進められているとしたら。


 「でも……」


 ナナは、ぐっと拳を握りしめた。


 「マユの記録を盗んだって、マユになれるわけじゃないよ。そうでしょう?」


 その言葉に、マユは微笑みを浮かべた。


 「ありがとう、ナナ。でも、今は“なりすまし”でも十分なんだ。アクセス権限さえ通れば、記録核には接触できるから」


 言葉を発した直後、マユの視線が“記録核”の収納扉に向けられた。封印解除時に開いたパネルはまだ閉じておらず、内部で青白い結晶体がゆっくりと脈動していた。


 「……あのとき、“封印の共鳴”が二重だった理由が、なんとなくわかった気がする」


 「二重……?」


 ナナは、封印解除時の状況を思い出す。確かに、マユが鍵を挿したとき、最初にラグナが、次に“別系統の干渉波”が反応していた。あのときは混乱していたが、今なら意味がわかる。


 「第三の鍵が、外部から干渉してきたのか……!」


 マユは静かに首を振った。


 「違う。干渉じゃない。“割り込み”だ。鍵が反応するタイミングに合わせて、誰かが“重ねてきた”んだよ。俺の記録に、“何か”が覆い被さっていた。それが一瞬だけ、封印核に錯覚を起こさせた」


 「じゃあ……次に来たときは、錯覚じゃ済まないってこと?」


 「可能性は高い。完全になりすまされたら、俺が触れたとしても排除されるかもしれない」


 ナナの顔色が、さっと青ざめた。


 「……やっぱり、戻ろうよ。ここは危険すぎる。今は学園と連携して、記録の改ざん元を探った方が――」


 「それはダメだ」


 マユの声が低く、そしてはっきりと遮った。


 「今引けば、“本物”が弾かれる。ユールが遺した記録には、俺たちが“真の記録者”である証明も残されてた。なら、今ここで逃げれば、それが失われる」


 「……でも!」


 「ナナ、君も見ただろ? 改ざんは進行中なんだ。向こうが“偽装”を完了させる前に、俺たちが記録核の中身を押さえないと、“事実”がひっくり返る」


 ナナは唇を噛みしめた。言い返すことはできなかった。


 沈黙が数秒続いたのち、ナナは深く息を吐いて言った。


 「……わかった。でも、一人で行かせたりしないからね」


 マユは、ようやく表情を緩めた。


 「ありがとう。……行こう、“記録核”の中枢へ」


 再び部屋の奥、結晶体の前に立った二人は、静かに手を重ねるように端末に触れた。そこから新たに展開された操作パネルは、先ほどまで見えなかった“第二階層”へのアクセスゲートだった。


 《認証プロトコル:二重鍵確認》


 表示されたメッセージに、マユとナナは同時に頷いた。マユは右手を封印剣ラグナの柄に添え、ナナは自身の端末を起動させる。


 「これより、記録核・中枢データバンクへのアクセスを開始します」


 ナナの声が、静かに記録空間に響いた。


 だがその瞬間――


 パァンッ!


 弾けるような音とともに、天井から赤黒い光が滴り落ちてきた。


 「なっ……!」


 ナナが思わず後ずさる。空間が、揺れている。いや、“歪んで”いた。


 まるで別の座標が、無理やりこの空間にねじ込まれてきたかのように――


 「ナナ、離れるな!」


 マユが即座にナナの手を引く。光の中から、異質な存在が“侵入”してきたのだ。


 人型の影。それは、明らかに“記録核”の防御機構ではない。むしろ、“何者かの意志”によって送り込まれた“偽装体”――


 「……なりすまし、か」


 マユの声が低くなった。


 ラグナが、鞘の中で震える。封印はまだ解けていない。しかし、共鳴は確かに強まっていた。


 「こいつが、俺の“代わり”になるつもりか……」


 異物の姿は、奇妙なことにマユ自身に酷似していた。


 ナナが声を失う。


 「マユ、それ……」


 「わかってる。“記録なりすまし”の完成体……!」


 マユはラグナを抜く――その瞬間、空間が一気に暗転し、戦闘の幕が静かに開こうとしていた。

再び静寂に包まれた記録監査室に、ナナの足音が控えめに響いた。白い書架の合間を抜けながら、彼女は慎重に言葉を探すようにして呟く。


 「マユ……“誰かがあなたの記録を模倣している”って、エリナさんは言ってたけど……それ、本当に可能なの?」


 問いに対し、マユは深く息を吐いた。答えは、確信ではなく“可能性”の話にすぎない。それでも彼の表情には、ひとつの決意が浮かんでいた。


 「……記録核にアクセスするには、まず“契約権限”が必要だ。でも、それだけじゃ不十分。記録と記憶が一致していないと、干渉は跳ね返される。つまり、“誰かのフリ”をしても、中身が違えば弾かれるはずなんだ」


 「でも、ユールさんの件がある。記録から名前が消されて、誰も覚えてないって……それ、記録操作の最たる例じゃない?」


 ナナの言葉は鋭い。しかし、同時に不安もにじんでいた。自分たちが今、どれほど危うい境界に立っているのかを察していたからだ。


 マユは頷いた。


 「“記録そのものの成りすまし”は、理論的には不可能。けど、“記録者の認識”を奪われた場合……記録核はそれを本人と誤認するかもしれない」


 「それって、つまり……心の形そのものを、盗まれたってこと?」


 その瞬間、ナナの肩がピクリと震えた。彼女は自分の胸元を押さえるようにして、ゆっくりと呼吸を整える。


 「――それって、まるで魂をコピーされたみたい」


 マユは言葉を返せなかった。ただ、握っていたラグナの柄をわずかに強く握る。封印剣は微かに震え続けていた。まるで、“誰か”の気配を拒絶するかのように。


 「ナナ」


 「……うん?」


 「さっきの通信、学園でも“記憶のズレ”が起きてるって話……あれ、俺たちだけの問題じゃないってことだ。監査室にあるこの記録も、いずれ歪められる可能性がある」


 「じゃあ、どうするの?」


 ナナの目が、真っすぐにマユを見つめた。その視線には怯えがなかった。ただ、“共に立つ覚悟”だけが宿っていた。


 「……俺たちで、証明するしかない。奪われた記録じゃなく、“ここに確かにあった”という記録を、誰よりも信じられるように」


 ナナは微笑んだ。


 「そのために、私たちは記録を残してきたんだもんね。――ねぇ、マユ。今からでも、もう一度調査を整理してみようよ」


 「……ああ」


 ふたりは中央卓に戻ると、記録端末の前に並んで座った。マユが指をかざすと、光の粒子が浮かび、ユールの記録に残された断片が再び投影された。


 「これが、ユールの最後の署名記録か。発信元は……“第七管理層、下層区画・不完全隔離域”?」


 ナナの眉がぴくりと動いた。


 「そこって……確か、“未分類記録群”が保管されてる場所だよね?」


 「うん。正式な立ち入りには二重の許可が必要で、しかも“封印区画”扱いだったはず。……だけど、ユールはそこに記録を残してる。しかも、普通なら閉じているはずの記録通信が通っていた」


 マユは記録端末を操作し、アクセスログをたぐっていく。


 「……やっぱり、ある。“封印区画へのアクセスログ”……でも、許可IDが空白だ。こんな記録、通常じゃあり得ない」


 「ってことは、誰かが……“許可証を偽造した”ってこと?」


 マユは一瞬だけ言葉に詰まり、そして呟くように答えた。


 「それか、許可証を“盗んだ”か。あるいは……“本人ごとコピーした”か」


 重い沈黙がふたりを包んだ。だが、それは恐怖ではなく、次に進むための沈黙だった。


 ナナがそっと、端末の隣に手を置いた。


 「行こう、マユ。その“未分類記録群”の保管場所へ。ユールさんの痕跡、まだ残ってるかもしれない」


 マユは頷いた。


 「……ああ。今度は、消されないようにする。――記録も、記憶も、全部」


 ナナとマユは立ち上がり、記録監査室を後にする。その背中には、まだ小さな灯火のような希望が灯っていた。だがそれは確かに、闇に向けて差し出された“真実への光”だった。


 静寂に戻った室内に、わずかな風が吹き抜けた。記録端末の光が、一瞬だけ強く明滅する。それは、消えたはずのユールの記録が――まるで“何か”を伝えようとしているかのような、微細な揺らぎだった。

階層を降りるごとに、記録塔の空気は重たくなっていった。


 通路の壁に埋め込まれた照明は、上層部とは違って白ではなく青く、まるで水中を歩いているかのような錯覚すら覚える。整然と並んだ扉の一つひとつが、“封じられた記録群”の入り口だ。


 「……ここ、空気が違うね」


 ナナが思わず呟いたその声も、周囲に吸い込まれるように小さくなっていく。彼女の目は周囲を見回しながら、マユの背にしっかりとついて歩いていた。


 「第七管理層の下層……正式には“封印補完階層”。未分類、未確認、もしくは危険度の高い記録が物理的媒体で保存されている。データのみじゃなく、物そのものが封印されてる場所だ」


 マユは背後のナナに説明しながら、立ち止まる。


 彼の目の前には、ひときわ大きな鉄扉が鎮座していた。扉には“管理コード・D7F”と記されたプレートが張り付いている。その下には、焼け焦げたような跡が走っていた。


 「誰かが……無理矢理、こじ開けようとした?」


 ナナの指摘に、マユは無言で頷いた。


 封印区域は、“正規の契約者権限”がなければ開かない。許可のないアクセスを試みた痕跡は即座に記録され、内部で警報が鳴るはずだった。しかし――そのログは、記録監査室には存在しなかった。


 「つまり、記録を盗った誰かは、“記録されない方法”で侵入した……?」


 「あるいは、記録そのものを書き換えた」


 マユは低く呟くと、携えていた認証端末を扉の枠へとかざした。淡い光が走り、鋼鉄の扉が鈍く唸るような音を立てて開いていく。


 その先は、まるで“図書館の地下納骨堂”のようだった。


 書架ではなく、ガラス製の保存カプセルが整然と並び、それぞれに“識別番号”と“記録時刻”が刻まれている。だがその多くは曇っており、内容を直接見ることはできない。


 「ここで……ユールさんの最後の記録が、残されていた……」


 ナナが呟く。マユは迷いなく歩を進め、最奥にある一基のカプセルの前で止まった。


 「あった……識別コード、No.41-ユール:記録番号078A」


 彼はカプセルの操作パネルにアクセスし、慎重に確認する。


 「……データは残ってる。けど……“閲覧制限:B-クラス以上”」


 「え、それって……」


 「俺じゃ足りない。最低でも“二重認証”、つまり――誰かと一緒に“真実を見る”必要があるってことだ」


 マユはそう言いながら、ナナに手を差し出した。


 「……ナナ。“君と一緒に見る”ことに、意味がある気がする。君は“観察者の観察者”だ。たぶん、ユールがそれを望んでる」


 ナナは一瞬だけ驚いたように目を見開いたが、すぐにその手を取った。


 「わかった。……一緒に、見届けよう」


 ふたりの手が触れた瞬間、カプセルの光が脈打つように揺れ、封印された映像記録がゆっくりと投影されていく。


 映し出されたのは――“誰もいない記録監査室”。


 だが、空間の歪みの中に、“誰かがいた痕跡”だけが浮かび上がってくる。足跡。椅子の移動痕。開かれた記録簿の紙面。すべてが、そこに“いたのに、映っていない”誰かの存在を物語っていた。


 ナナが息を呑む。


 「……これ、本当に……人間の記録?」


 「違う。これは……“記録の中に入った”記録者、つまり……ユールが、自分自身を映像に残す代わりに、“存在の痕跡”だけを刻みつけたんだ」


 そして、最後に一言だけ――


 【マユくんへ】


 その声だけが、音声データとして残っていた。


 「っ……」


 マユの背筋に、冷たいものが走った。ナナも、黙ってその言葉を見つめていた。


 【私は“誰かに成りすまされた”。でも、この空間には私の“記録”がある。消えた私の代わりに、それを辿ってほしい】


 【記録とは、存在の反復であり、存在の裏打ちである。ならば――記録を残す者こそが、存在の証人だ】


 そこまで言って、音声はぶつりと途切れた。


 「ユール……」


 マユは呟いた。その目は、強く何かを見据えている。


 ナナが横からそっと囁く。


 「“記録を残す者こそが、存在の証人”――それって、私たちに向けられた言葉……だよね?」


 「……ああ」


 マユは、カプセルのパネルを閉じた。


 「これで決まった。俺たちはこの“記録の断片”を起点に、すべてを追っていく。“誰かの記録”じゃなく、俺たち自身の記録として」


 「消されないために?」


 「違う。“生きていた”と証明するために、だ」


 ふたりは再び立ち上がる。


 カプセルの光が、まるで“見送るように”柔らかく瞬いていた。

今回のエピソードでは、マユとナナが封印区域に踏み込み、記録官ユールの“存在証明”を追いました。映像にも残らず、声だけを残したユールの記録。その断片が、静かに物語の核心へと近づいていく兆しとなります。“消された記憶”と“記録の痕跡”が交錯するこの世界で、マユたちはどのように“真実”を照らすのか――。次回もどうぞお楽しみに。


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