450トンのISSを制御落下
老朽化しているISSをポイントネモに制御落下させる計画が進んでいる。当初、ロシアの宇宙船を使ってISSの速度を落とし、落下させる予定だったが、ISSのロシアの区画の痛み具合や、戦争が影響して、代わりにスペースXの宇宙船でISSの速度を落とすことになったようだ。
暁は、中国がCSSを打ち上げて軌道に乗せると聞いた時、ISSとニアミスしないかと懸念していたが、ISSを廃棄するのであれば、その心配はなくなった。
ただし、中国だけが宇宙ステーションを飛ばすことにアメリカなどが競争心を燃やして、新たな宇宙ステーションを打ち上げる予定だともいう。
「大丈夫かな?」
暁が夜空を見上げていると、いつのまにかかたわらに解説君が近寄って来ていて、一緒に空を見上げた。
「高橋一馬さんたちの、民間のスペースステーションもありますしね。軌道が重ならないことを願います」
解説君が暁に寄り添ってくれた。
「父さん、解説君はすごいね。僕の気持ちがわかるんだもの」
「亜紅ちゃんもそんなこと言ってたことがあったなぁ」
正太郎が遠い目になって昔を懐かしんだ。
「解説君は横田正太郎の最高傑作」とみんなが言っていた。暁は父親が誇らしかった。
高橋一馬と横田正太郎と解説君と暁は、作者の想像上の登場人物です。