日本一周スタート!!
初めての投稿なので拙いところもありますが、温かい目で見ていただけると幸いです。
今度こそ日本一周を達成させるんだ。
出発の前に自転車に空気がちゃんと入っているかを確認した。
今度こそといっているように日本一周に挑戦するのは2回目だ。
名乗り遅れたが俺は、相沢光博。この間入学したばかりの大学生だ。
大学生の夏休みを使って日本を一周する予定だったが、前は家を出て2日目に自転車がパンクしてしまい、近くの自転車屋に行こうと自走したときにホイールが歪んでしまい、やむなく日本一周が失敗に終わってしまった。その反省を生かして荷物を増やしサイクルトレーラーも用意した。
今度こそは必ず達成できるはずだ。
「よし!自転車の調子はばっちり。荷物もしっかり持った!サイクルトレーラーも大丈夫そうだし行ってくるよ。母さん。」
「いってらっしゃい、光博。ダメそうだったら帰ってきてもいいんだからね。」
母さんの笑顔を背に重たくなった自転車をこぎ始めた。
夏の朝は夏とは思えないほど涼しく、追い風が自転車を押し、前回よりも良いスタートを切れた。
「良い風だ」
不安よりもワクワク感が高まり自然とペダルを回す速度が速くなっていった。
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家を出てから4日が経った。2日目までは予定通りの進路進んでいたが、3日目に通行止めに遭い、遠回りをしたことにより予定よりも大きくずれていた。
「朝早くだと車が少なくて走りやすくていいな。涼しいし。」
この日は早い時間に起きれたので、予定よりも早く出発できた。
いくら涼しくても夏なのは変わりないから暑くなる前に山頂
まで登り切ろう。
山道を半分も登った頃、峠の下りカーブに入った。
その時、目の前に大きな雲が見え始めた。
本降りになる前に山頂の小屋に着かなくては、、、
ペダルの回転数を上げたとき、いきなり大粒の雨が視界を覆った。
「マジかよ、、よりによってゲリラ豪雨かよ、、、、」
路面が一瞬のうちに川のようになってしまった。荷物は上からシートを被せているから無事だが、ブレーキが濡れて自転車が止まらなくなってしまった。
「頼むから今だけは、何も飛び出してこないでくれ、、、」
願いながらコーナーを曲がりきった。。
「とりあえず何事もなく抜けられたか、、、あともうちょいで下りも終わりだしって何だあれ?」
崖のほうに目を向けると白い毛玉の塊のようなものがころころと落ちてきていた。
まずいこのままだとぶつかるな、、、
避けようとハンドルを右に切り顔を上げると毛玉の代わりに死角のコーナーから出てきたトラックが目の前にいた。
これ死ぬやつだ。
次の瞬間目の前がまっしろになった。