そぞろ
巡る季節の訪れを
ありがたいとも思わずに、
過ごしてきたそのうちに、
心寂しくなっている。
長い時間を費やして、
絶妙なバランスで、
命は与えられてきて、
この感じ方がある。
過ごし直そうか。
寂しくならぬよう。
感じ直そうか。
感性の薄れる前に。
乾いてゆく風の道を
茶色い枯れ葉の出来事が
滑ってゆく、消えてゆく。
連れられて、帰るのか。
秋から人への労りが
山の木々を染めている。
世界の人に流れ出した
血の色を悲しみながら。
帰り直そうか。
乾いてゆかぬよう。
労り直そうか。
血が流れ出す前に。
あなたと暮らしたかった。
この日々を共に生きて、
夢を見てもいいのなら、
あの頃から旅立てる。
いつか迎えに行くからね。
きっといつの日にか。
そのための今を生きている。
そのための命を守っている。
夢を見直そうか。
諦めたりしないよう。
今を生き直そうか。
命の絶える前に。