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その温かな手を離す日は近い  作者: キムラましゅろう


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26/26

エピローグ ハルさんが大好き!

最終話です。

よろしくお願いします!

誤字脱字報告ありがとうございます!

「ねぇミルルちゃん、ホントにいいの?コイツ、かなりヤバい奴だよ?」


色々と協力して貰ったお礼にと夕食に招いたレガルド=リーがミルルに言った。


「俺はお前にだけは絶対に言われたくない」


「なにおぅ?」


テーブルを挟んで向かい合って座るハルジオとレガルドが互いに睨め付け合う。


ミルルが食後のコーヒーを出しながら答えた。


「ふふ。もちろんです。ハルさんはわたしにとって一番の旦那様ですもの」


「ふーん……ミルルちゃんがいいならそれでいいんだけどね。でもコイツが重すぎて気持ち悪くなったらいつでも言ってくれ。かなり困難を極めそうだけど頑張ってこの世から消すから」


「同じセリフをお前の嫁さんにも言っておくよ」


「なにおぅ?」


「今度、奥さまをご紹介してくださいね。ぜひお友達になって頂きたいです」


ミルルはレガルドにそう告げた。

そして自分用のカフェオレをテーブルに置いてハルジオの隣に座る。


「もちろん、アイツも喜ぶよ。それにすごく気が合いそうだ。同じく東方の血が流れる者同士だしね。ま、俺も東方人のハーフだけど」


「ふふ。楽しみです」




別れまでの日を数え、長く怯えて過ごして来たミルルにとって夢のような日々が続いている。


これまではどこかハルジオに対しても遠慮というか、

HB鉛筆でか細く書いたような一線を引いていたミルルだが、

今では心置きなく妻としてハルジオと接するようになった。


そんなミルルの変化をハルジオは心から嬉しく思っていた。


諦めていたハルジオとの子どももいつでも迎えられる。

そう思うとミルルは嬉しくて嬉しくてたまらない。


ーー早くハルさんとの赤ちゃんが欲しいな。


ミルルは基礎体温を計り出して、自らの体の管理を始めた。


この変化がミルルにとって何よりも嬉しい。



今更ながら、新婚をやり直しているような気持ちになるのはきっと気の所為ではないだろう。


ハルジオとミルル、二人にとって今が本当の新婚生活なのだ。



そんな新婚仲間のレアが、ミルルの住むアパートに遊びに来てくれた。


レアは結婚後も在籍する部署を変えて、魔法省に勤め続けている。


レアがため息を吐きながら言った。


「あーぁ……リッカ先輩には凄く憧れていたのになぁ……あんなクズ女だとは思わなかったわ……」


「わたしもハルさんに聞いてびっくりした……」


リッカが魔法省の高官と不倫をし、その関係もあって上に引き上げ優遇されていた事が露見した事は、既にハルジオから聞かされていた。


()高官夫人は見事だったわ。夫を寝取られるなんて不名誉な立場で見られる事を恐れずに、皆の前で罪を晒したのだから。同じく夫を持つ身としては誇らしいわよね」


「本当ね。でもその方、その後はどうされているかしら。立ち直られてお元気にされているといいのだけれど……」


ミルルがそう言うとレアはお茶を口に含んでから答えてくれた。


「心配いらないみたいよ?もちろん元旦那とリッカ先輩…もう魔法省を去ったんだから先輩じゃないわね、リッカ=ロナルドからも多額の慰謝料をぶん取って、第二の人生を謳歌されているらしいわ」


「リッカ先輩……」


そう、リッカと()高官は既に魔法省を懲戒免職となっていた。


不貞を重ねていた事はもちろん、私情による人事の優遇、加えて出張費をカサ増しして不当に請求、その金銭を不貞の為の高級ホテルの宿泊費に充てていた事も明るみになり、懲戒免職のご沙汰が下った。


元高官は離婚により家族を失い、親戚からも蔑まれ、日雇いの仕事をしながら孤独な生活を送っているらしい。


ーーまさかハルさんとの復縁を望みながら既婚者と不倫の関係を続けていたなんて……


ミルルには到底理解出来ない事であった。


そのリッカが今どうしているのか、誰も知らないという。


この地方都市にも、王都にももはや居場所がないリッカ。


今まで羨望の眼差しを向けてくれていた周囲の人間は、当然ながら掌を返したように態度を一変。


リッカ個人に対して恨みを持っていた人間も多数いたようで、それらの者達から執拗な嫌がらせを受けたとも聞く。


自業自得、因果応報…彼女自ら招いた結果だが、もし心から後悔して真っ当にやり直そうとするつもりなら頑張って貰いたい、ミルルはそう思っていた。


ーーもう絶対にハルさんは渡さないけど。



ハルジオは先日の闇魔道具暴発未遂事件の功績を認められて、検務部の次長に昇進した。


とても凄い事なのでハルジオにおめでとうと告げると、

「めでたいもんか。ますます仕事が増えて残業続きになる。ミルルと過ごす時間が減るじゃないか」

と、かなりご機嫌斜めであった。


だけど、

「いや…?ものは考えよう、人は使いようだな。これからは部署の者を適材適所、効率よく配置して仕事の効率化を図ればあるいはこれまでよりも定時で上がれる日が増えるかもしれないぞ……」

と、何やらぶつぶつ言って悪い顔でニヤリと笑みを浮かべていた。


ーー裏ハルさんも素敵……!



ミルルにとってはどんなハルジオも愛おしく、大切な存在だ。


もう大好きで大好きで困ってしまうほどに。



ーーハルさんが好き。大好き!



そう思うだけでいつも心が満たされて幸せな気持ちになれる。



ミルルはソファーで仕事でのアレコレの算段を立てているハルジオを背中から抱きしめた。


「ミルル?」


ミルルはハルジオの首に回した腕をきゅっとして彼の耳元で呟く。


「ハルさん大好き」


「俺もだよミルル」


「わたしをお嫁さんにしてくれてありがとう」


「それ、寝言でも言って貰ったな」


「え、本当?」


「うん。寝ても覚めても言ってくれるなんて、本当にそう思ってくれているんだなと嬉しくなるよ」


「だって本当にそう思っているもの」


「俺の方こそ。ミルル、妻になってくれて、結婚してくれてありがとう」


「うっ……ハル゛ざんっ……!」



死が二人を分つまで。


これからの長い人生、躓くことも道に迷う事もあるだろう。


それでも二人、手を携えて共に生きてゆきたい。



結婚して二年も遠回りをしたが、今、二人は最高に幸せだった。



そしてその幸せが更に大きな幸せをもたらした事を知るのは、これからひと月後の事である。



ミルルのお腹に訪れた小さくて大きな幸せを。




             

               終わり





ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




これにて完結です。


最後までお付き合い頂きありがとうございました。


また感想をお寄せくださり、ありがとうございました。

皆さまから(アルファが多いですが、もちろんなろうさんの方で頂いた感想もです♡)頂いた感想全てが作者にとりましてはご褒美でこざいます。


時々見返してはモチベーションを上げたり、笑ってスッキリさせて貰ったり、ニマニマと不気味に笑ったりと堪能させていただいております。


これからもよろしければ、ましゅろうの拙作にお付き合い頂けましたら光栄にございます。



さてさて次回作です。



おほほ。出ました、性女…じゃない聖女案件です。


その神聖力により、聖女に忠誠を誓った聖騎士(パラディン)は皆、聖女の虜になってゆく国の物語。

魅了とは違うとされているが、聖騎士(パラディン)達の恋人や婚約者や妻にしてみれば「魅了魔術と同じじゃねーかっ!」と鬱憤を溜めている国の物語です。


タイトルは

『恋人が聖女のものになりました』です。

(まぁなんてそのまんまなタイトル!)


ヒロインは幼馴染で騎士である恋人に、頼むから聖女付きの聖騎士(パラディン)にだけはなってくれるなと懇願して来たのにも関わらず、聖女の騎士になってしまった恋人とのドタバタを描くお話です。


腹黒執着男の次は脳筋で口の悪い男が出て来ますよ。


またましゅろうは変な話ばかり思いつきよってぇぇ…しゃーないから読んだろ☆と思って頂けましたら、どうぞお付き合い頂けましたら光栄にございます。

どうぞ宜しくお願い申し上げます。


投稿は金曜の夜からです。


ではでは改めまして、今作もお読みいただき本当にありがとうございました!




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― 新着の感想 ―
[一言] ハルジオの腹黒さに少々引きましたが、ミルルの天然な可愛さで和らぎました。面白かったです。
[一言] 完結おめでとうございます! とってもかわいいミルルちゃんと最初からすっかりキャラが変わったハルジオさんに毎日癒されました! (絶対ミルルちゃんはどんなハルさんでも、「ばっちこーい!」ですよね…
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