プロローグ
「レクト、ねぇレクト。例えば僕が、誘拐されたり嫌な事にあっていたら…レクトはどうしてくれる??」
君はいつだって、俺にそう尋ねていた。
きっと、分かってたんだ…。俺等が離れ離れになる事を…ずっと昔から。
そして、俺は答える。いつだって、答えは変わった事が無い。昔も今も…。
「俺はお前を助けに行くぞ。お前が助けて欲しいのなら、いつだって駆けつけてやるんだからな。俺だって、いつかもっともっと、剣の腕を磨いて一撃でドラゴンを倒せるようになって、お前を助けに行くよ!!」
「クスクス…頼もしいね」
そう言って、いつも笑ってた。その先、辛い事があると分かっていても…馬鹿みたいに笑ってた。
それに何も気付かない俺はもっと馬鹿野郎だったんだ………。
ある日突然、お前は消えた。
どこかへ、ヒトリで消えていった。
そのとき俺は何を思ったのだろう。
強い憎しみか
哀しい想いなのか
寂しいと感じたのか
それとも───…
怖いと思ったのか…
どれが本当かなんて分からない。
ただ、お前が居なくなって俺は変わった。
剣の腕を磨いた。
背が伸びた。
髪の毛も伸びた。
安心する場所が無くなった。
心を癒す場所を失くした。
だから、俺は探したんだ。
お前の面影を…おまえ自身を。
だって、あんなに俺に尋ねてきた質問は俺への信頼、助けてって…そういう意味だったんじゃないかなって、思うから。
疑問が確信に変わる…そんな日を求めて。
お前を見つけるまで…。
旅をしよう。
お前が望むなら、何だってする。
世界なんて関係ない。
みんなが幸せじゃないと意味が無いんだ…。
それに俺自身、気がついてる。
この物語の終止符を打つのは俺だって事を…。