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第四章 完結です。
「なんかすごい一日だったな…。」
砂原が言った。絵美の家を出ると、外はもう日が落ちかけていた。
「何があったのか分かんないけど…とにかく無事に治まったみたいで良かった。」
綾女は言った。
―普通…何があったか気になりそうなとこだけどな…。やっぱり立川さんって変わってる…。
砂原は思った。
「あれ? 繁充は?」
「え? あれ? さっきまでいたのにどこ行っちゃったんだろ?」
綾女と砂原は辺りをキョロキョロと見回した。すると少し先のラーメン屋の前に繁充は立っていた。顎に手を当て、考え込むように中を凝視していた。
「繁充君! いきなりいなくなるからビックリしたよ!」
側にやって来た綾女が言った。その時、繁充は綾女に言った。
「…食ってく? 俺、奢るし。」
―え?
綾女の時が止まった。
―今、奢るって言った? 言ったよね? 確かに繁充君、私に奢るって言ったよね! それって…
「もしも俺が相手の分まで払うとしたら、その相手は…」
急に意外な事を言い出した繁充に一同釘付けになった。
「…その相手とは?」
部員たちは息を飲んで繁充の言葉を待った。
繁充は静かに目を瞑り、そして答えた。
「将来を誓える相手だけだ!」
綾女の脳裏に、部室での繁充の言葉が浮かんだ。
―繁充君…もしかして…私の事…将来を誓ってもいい相手と思ってるの!?
「お! ラーメンか! 腹減ってたんだよね。俺も奢ってくれ!」
砂原が繁充の肩に腕をかけた。繁充は眉間に皺を寄せて砂原を睨んだ。
「いいよ。」
「そ…そうか…。」
てっきり断られると思っていた砂原は、繁充から意外な返事をもらって戸惑った。
―え~! なにぃ~! 繁充君ったら、砂原君とも将来を誓えるの!!??
綾女は頭が混乱して物凄い形相で考え込んだ。
クスッ
繁充は綾女の変顔を見て小さく笑った。
「繁充君っ! だいたい繁充君は…その…言ってる事とやってる事が違い過ぎないっ?」
「え? どうして? …あぁ~そうか、もしかして立川さん、俺が奢る相手は将来を誓える相手って言ったから…」
「そ、そんなこと言ってないでしょ!」
綾女は顔を真っ赤にして繁充の話を遮った。
「勘違いされたくないから人前ではそう言ってるんだよ。…世の中怖いでしょ。」
繁充はフフンと笑った。
―そうか…。そうだよね…。別に深い意味は無いんだよね…。
綾女はどこかガッカリしていた。
「俺だって奢るよ。好きな人には…。」
繁充はサラっと呟いてさっさと店の中に入っていった。
―そうよね…いくら繁充君でも好きな人には奢るよね…って…え!?
「ちょっと! 繁充く~ん!」
綾女が叫んだ。繁充と砂原はさっさと店の奥のテーブルを陣取っていた。
「立川さ~ん! 早く来ないと、罰として砂原が餃子奢る破目になるよ~!」
繁充は外にいる綾女に向かって叫んだ。
「おいっ! 何で罰を受けるのが俺なんだよ! って、別に全然奢るけどさ…。」
砂原は口を尖らせた。そして繁充と砂原は楽しそうに笑い合った。
―いつの間にか親友じゃん…
綾女は目を細めて二人を眺めた。その時、繁充が振り返って、綾女と目が合った。繁充は綾女に微笑みかけた。
ズキューン
綾女の心臓が音を立てた。
―繁充君…本当に不思議な人…
綾女は足早に店の中に入っていった。
第四章 完結
最後まで読んでいただき誠にありがとうございました。^^
第五章スタートまでしばらくお待ちください^^




