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放課後
並んで歩く繁充の横顔を綾女はチラチラと見た。
―どう考えてもおかしい…。今までこんなに女子に執着なんてしなかったよね…。やっぱり繁充君は絵美の事が気になってるの? う~ん、聞きたいけど聞けないっ!
「あの~繁充君! 絵美の家、知ってるの?」
「あぁ、職員室に忍び込んで調べた。」
―そこまでするなんてやっぱり繁充君は…
綾女はもう完全に意気消沈した。
「おまえさぁ、それ犯罪じゃないの?」
いきなり砂原が呟いた。
―いつからいたのっ? 砂原君っ!
「おまえ、いきなり湧いて出てくるなよ。」
繁充は言った。
「湧いて出たって…ウジ虫じゃあるまいし、失礼な奴だな…。今日、部活休みになったんだよ!」
砂原はふてくされた。
「…でも丁度いいところに来てくれた。まさに君のような人を俺は求めていたんだ!」
繁充は言った。
「おまえ、やっと俺の良さが分かったのか…。」
砂原は鼻の穴を膨らまして言った。
「ここみたいだ…。」
大きな塀で囲まれた立派な家だった。庭も広かったが、手入れしていないのが一目瞭然で、廃墟のようになっていた。
ピンポーン
繁充はチャイムを鳴らした。が、全く反応は無い。もう一度鳴らしてみた。すると声がした。
「…はい。」
絵美のか細い声がした。
「繁充だけど…。立川さんも一緒。おまけに砂原も付いて来てるんだけど、ちょっといいかな?」
「何で俺がオマケなんだよっ!」
砂原は繁充を恨めしそうに睨んだ。
「…帰って…。」
絵美の消え入るような声がした。
「絵美! 体、大丈夫なの? 一緒に病院に…」
綾女がモニターに話しかけるのを繁充が制した。
「大丈夫みたいだね。俺たち倒れたりして無いか確認しに来ただけだから。声が聞けて良かった! 安心したよ。じゃあ、俺たち帰るわ!」
繁充はそう言うと、絵美の家を去って行った。
「ちょっと、繁充君! どう考えても絵美、大丈夫な感じじゃなかったよ! 私たち帰って大丈夫なの?」
綾女は前をさっさと歩いて行く繁充に言った。
繁充は立ち止まって腕時計を見た。
「あのさ…」




