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日々充実したいだけの僕と食物部の立川さん  作者: まんまるムーン
3 おにぎり
28/62

3-10



 夕暮れ。夕日が満開の梅の花を真っ赤に染めている。ボロボロになった太郎とルリ子は梅の木の下に寝転んでいた。


「おまえさ、俺がせっかく助けに来てやったのに自分も殴られてどうすんだよ。」

太郎が言った。横に寝転んでいるルリ子を見ると、髪はぐしゃぐしゃ、切り傷や痣だらけになっている。


「…だって…太郎ちゃん…思いっきりやられてたでしょ…」


「は? やられてねーよ! あいつらの方が痛手負ってるし!」


「ぷっ…強がりいっちゃって。」

ルリ子は噴出した。つられて太郎も噴出した。二人は大笑いした。


「イテテテテ…笑うと殴られたとこがイテーな。」


「…うん。」

二人はお腹を押えながら笑いを噛みしめた。太郎は笑顔になったルリ子を見て微笑んだ。


「おまえをイジメるやつがいたら、俺が絶対にこらしめてやるから…気にすんじゃねーぞ。」

太郎はルリ子の頭をクシャクシャと撫でた。


―太郎ちゃん…

ルリ子の心は温かくなった。


「私も太郎ちゃんがイジメられてたら絶対助けに行くからねっ!」


「何それ? 俺がイジメられるわけないだろ!」


「分かんないよ。最強の敵が現れて、ルリ子~、助けて~! って言うかもしれないよ!」


「言うかよ。」


 グルルルル…

ルリ子のお腹が鳴った。


「おまえ、こんなにボコボコにやられてるのに腹減ってんの?」


「暴れまわった後だからお腹減るの当たり前でしょ!」


「プッ」


「笑う事ないでしょ!」


「そんな事だろうと思ったから、俺、おにぎり持って来た…。食う?」


「うん!」

ルリ子は満面の笑みを太郎に向けた。


 空地に二人の笑い声が響き渡った。


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