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しろ組短編集  作者: しろ組


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不幸の手紙と書かれた年賀状

 元日と言えば、皆が、おめでたい気分で、新年を迎える日であり、友人・知人・親類縁者から、年賀状が届く日だ。

「パパァー!」と、少年の異様な声が、玄関からして来た。

 少年の父は、駆け付けるなり、「ブルパン、どうしたのだ?」と、眉を顰めた。何事かと思ったからだ。

「こ、これ…」と、ブルパンが、顔面蒼白で、一枚の年賀状を差し出した。

「年賀状が、どうしたと言うのだ?」と、父は、怪訝な顔で、受け取るなり、年賀状へ視線を向けた。そして、「何なのだ! “不幸の手紙”と、書いているのだ!」と、語気を荒らげた。新年早々、不愉快にさせられたからだ。その直後、「わしに、“不幸の手紙”を寄越すとは、挑戦的なのだ」と、不敵な笑みを浮かべた。

「交番にでも、持って行っちゃう?」と、ブルパンが、提言した。

「わしらは、“不幸の手紙”を送り付けられるような悪い事は、やっていないのだ。銃乱射のお巡りさんの出番は無いのだ」と、父は、しれっと言った。自力で捜して、報いを受けさせたいからだ。

「でも、家へ年賀状を送って来た人って、何年振りだったかねぇ」と、ブルパンが、眉根を寄せた。

「そうだな。お前が、小学校へ入学した年だから、かなり前なのだ」と、父は、冴えない表情で、回答した。年賀状を出さないので、毎年は来ないからだ。

「宛名に、“永遠の親友”って、書いてたよ」と、ブルパンが、告げた。

「永遠の親友? さっぱりなのだ」と、父は、小首を傾いだ。心当たりが無いからだ。

「永遠の親友って、同級生って意味なんじゃない?」と、ブルパンが、指摘した。

 その瞬間、は、息を呑むなり、「あいつかも知れないのだ!」と、口にした。夏頃、靄島から来た林羊史という同級生が浮上したからだ。

「心当たりが在るんだね!」と、ブルパンが、察した。

「あいつは、親友なのだ。しばらくは、音信不通だったのだ」と、父は、眉を顰めた。果たして、親友が不幸の手紙を、出すのが解せないからだ。

「一応、出したか、確認したら、どう?」と、ブルパンが、提言した。

「機嫌を損ねると、面倒臭いのだ」と、父は、躊躇(ためら)った。疑いたくないからだ。そして、「どうせ、銃乱射のお巡りさんか、デヘヘのおっさんの悪戯(いたずら)なのだ」と、転嫁した。

「でも、他人の不幸を願う人って、本人が、不運になるらしいよ」と、ブルパンが、口にした。

 数日後、林羊史の不運な記事が載った。

「ブルパンの言う通りなのだ」と、父は、納得するのだった。

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