第2回「下野紘・巽悠衣子の小説家になろうラジオ」大賞 への投稿作品
昨日のコントロール試験どうだった?
ねぇ〜ねぇ〜昨日のコントロール試験どうだったぁ〜
執事、メイドアンドロイドの最終出荷試験について、キャイキャイ話す声を遮ったのは、唐突な工場内放送だった。
『先程、総選挙の開票結果が出ました。政権交代がありましたので、
昨日の最終出荷試験は、全員不合格が決まりました。』
落胆の声が、工場内放送をかき消していた。
政権交代の度にアンドロイドの国民洗脳、扇動能力は、再調整されて、成績上位アンドロイドから出荷されて行く。
優等生ほど、再調整期間が長い傾向があったが、逆に落ちこぼれアンドロイドが、主席に躍り出る下克上。
出荷計画に変更は、許されない。
成績上位個体順に高値が付き、高貴な得意先に出荷されていく。
自ずと将来が安泰な得意先を希望するなら、成績上位を狙う事になる。
過酷な再調整競争が始まった。