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疑似短編問題についての提言 ――【連載】【短編】以外に、新たに【習作】というカテゴリーを追加するのはどうでしょうか? ――

作者: 関東

1:はじめに


はじめまして、関東と申します。


今まで読み専としてこのサイトを利用させていただいていたのですが、

最近、興味深いエッセイを拝読いたしまして、ひとつの提案が思い浮かびました。


その是非について、ユーザーの方々のご意見をいただきたく、執筆する運びとなりました。

このエッセイは「持論を述べる」などという大層なものではありません。私のささいな思いつきを提示し、それに対する感想をいただきたいという旨です。


もちろん、突っ込みどころや穴はあるでしょう。ぜひ忌憚のないご意見をお聞かせください!



2:連載モノのプロローグだけ公開する形式の疑似短編


さて、

このサイトに掲載される小説にはハイファンタジーやSF、推理など、さまざまな「ジャンル」があります。

そして、その上に【連載】【短編】という大まかな「カテゴリー」があります。


二つに大別されたカテゴリー、そのどちらにも共通するのは「それ単体で完結(または完結を予定)を期待されていること」です


長期連載でもいつかは終わることを望まれていますし、

短編は短い文字数の中で起承転結を盛り込んだ内容であるべきという一般的な観念が存在します。


それは正しい、と私も思います。未完結でエタる作品はガッカリしますし、短編にも読みごたえが欲しい。


しかし最近 (でもないかもしれませんが)、一般的な短編の形式から外れた【短編】が投稿されることが多くあります。


それは連載のプロローグ、もしくは一話目だけを短編として公開する、というものです。

本来は短編単体で完結させるべきところをあえて未完結の状態で掲載している、ということです。いわば【疑似短編】というところでしょうか。


なぜ、そんなことをするのかというと「これから連載を始める前に読者の評判を見たいから」でしょう。

小説というのは出だしが重要で、つかみがよければ、人気が出やすい傾向にあります。

なので、ためしにプロローグだけ書いてみて公開し、その評判がよければ、

あらためて連載化して掲載したときに人気作になりやすいのです。

すでにプロローグだけ公開され、人気の出た状態ですから宣伝済みでもありますし。


いきなり連載を始めて人気が出なかった場合、読者のレスポンスの薄さに執筆のモチベーションが下がってしまいます。


上記の方式なら「損切り」ができるというわけですね。

思いつくまま書き上げた複数のプロローグをそれぞれ短編として公開し、

評判の悪い作品は凍結、

人気の出たプロローグだけを選抜して連載化する、といった具合に。


作者の中には、

「俺は俺の書きたいものを書くんだ! 読者がどうこう言おうが関係ない!」

と考える方もいらっしゃるでしょう。

しかし作者の方の大半は評判が気になって仕方ないと思いますので、

そういう意味では疑似短編も悪くない、と個人的には思います。



3:疑似短編は批判されやすい


疑似短編の概要と利点については説明しましたが、悪い点もあります。

本来の短編の定義にそぐわないため、こころよく思わないユーザーの方も多くいらっしゃるのです。

完結もさせずに公開するのは卑怯な逃げだ、と。

疑似短編で短編の日間ランキングに乗ることは、ちゃんとした短編を掲載する他の作者の方に失礼。

そう考える方々の気持ちも、私は理解できます。八方美人で申し訳ありませんが。



4:執筆に対する姿勢


「未完結で叩かれるのが嫌なら、まずは一本の短編として完結するシナリオにすればよいのでは? それを連載化する時、改めてシナリオを練り直せばいい」

と考える方も多いと思います。


その主張には賛成です。作品のウリさえブレなければ、多少、世界観やキャラ、キャラの関係性が変化しても人気になるポテンシャルがあるでしょうし。

要するに漫画の読みきりと一緒ですね。誰でも知ってるような人気漫画も、過去の読みきり時代とは設定が違っていたりします。


そういう風にできれば理想なのは確かですし、プロの小説家ならば、できて当然かもしれません。


しかし、このサイトに作品を掲載してらっしゃるかたの大半はアマチュアです。


ひとつの物語を短くまとめた後、それを長めにリビルドするという作業はなかなかにエネルギーを使うものではないでしょうか?


プロを目指すわけではなく、ただ自分の頭の中の物語を形にしたい、できれば、それを多くの人に楽しんでもらいたい。

そういう軽い気持ちで執筆するのもアリだと思うのです。


趣味で書いているビギナーにとって「短編とはかくあるべし」というルールは重すぎるように感じます。


創作はもっと自由かつ気軽であってほしい。



5:カテゴリーをすみわけしたらどうか?


とはいえ、疑似短編が短編のランキングに乗ることに違和感のある方々の意見も無視はできません。

そこで私は「【連載】【短編】以外に、新たに【習作】というカテゴリーを追加する」という提案をさせていただきます。


連載カテゴリーを「複数の話で構成される完結(見込み)作品」と定義し、

短編カテゴリーを「ひとつの話で構成される完結作品」と定義した上で、

「ひとつの話で構成される未完結作品」と定義された【習作】カテゴリーを設け、疑似短編をそちらへと掲載するよう誘導すれば、すみわけができて不満もなくなるのではないでしょうか?



6:【習作】カテゴリーを設置するに当たっての課題


私自身が提起したものの、習作カテゴリー導入には問題点があると思います。

軽く思いつく限り、「習作カテゴリーを参照するユーザーの総数が少なければ、なんの意味もない」といったところでしょうか。

習作カテゴリーという新たな概念がユーザーから敬遠されてしまえば、そのカテゴリーに属する作品が読まれる機会も減ります。

そもそも目につくチャンスが少ないのであれば、疑似短編を習作カテゴリーに掲載する意味が薄れてしまいます。


仮に、一時期は疑似短編が短編カテゴリーに掲載されなくなったとしても、

習作が過疎カテゴリーとなった場合、以前のように短編カテゴリーに疑似短編を投稿するケースが増えるでしょう。元の木阿弥です。



7:おわりに


疑似短編にまつわる問題にどのような落としどころを見つけるべきか、私には明確な答えがありません。


今のまま短編の中のグレーゾーンとして黙認されるしかないのか?


私の提案を改良した方式ですみわけを行うべきか?


はたまた、まったく新しい解決策があるのか?


もしよろしければ、皆様のご意見をお聞かせください。

最後までお読みいただき、ありがとうございます!

このエッセイへのご意見、お待ちしております!

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