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俺RPGで真実の愛を見つけます  作者: あんぽんまん
28/35

# 027

 シーナが見つけたという煙。

 それがシーナだけではなく俺たちにもはっきりと目視できるようになるほど近づいた。


「シーナの言ったとおりだ。あれは確かに煙だ」

「……ってことはもしかしたらあそこに火を焚いてる人がいるかもね!」

「さすがだねシー姉ちゃん!」


 俺だけでなく花やメリルもこの煙に色めき立つ。


「ちょっと私先に行って村の様子を見てきます!」


 そう言って走り出すシーナ。 

 さすがはプロのハンターといったところであれよあれよと森の中に姿が見えなくなる。おそらく本気で走っても俺たちでは追いつくことすらできないであろう。


「よしっ、シーナちゃんが先をいってくれてるとはいえ俺たちもできるだけ急ごう」


 そういって俺たちも歩を早め与党とした時である。

 突如あたりの草むらからがさがさっという音がする。


(……まさか、またあのでかいクマが?)


 そうは思ったが出てくる影の小ささにその仮説はすぐに覆される。

 では何かと思いその影を凝視していたがすぐに複数人の男だということに気がついた。


「何なんだ……?」


 何も言わずあたりを取り囲む男たち。

 怯え出す花とメリル。

 俺もなるべく彼女たちを怖がらせないために


「おい、何か言ったらどうだ」


 と強気で発言してみるが正直なところその場から逃げ出したい面持ちである。

 っと、出てきた複数人の覆面の男たちのうちのひとりが声を発した。


「手早く済ませよう。持っている荷物を全部おいていく。それでお前らはここを通れる」

「荷物……か」


 黒い覆面にまるで忍者装束のような黒づくめの身軽そうな服装を着た男たちが山賊であるということは明白であった。

 持っているものといっても地図などは別に置いていってもいいのだが問題はつい先程マダムからもらった10デナリのお金である。これをここでおいていけば俺たちは次の集落で寝泊りするお金はなくなるであろう。

 俺はメガネの照準を目視できる5人ほどの黒づくめの山賊の一人に合わせパロメータを確認する。


(攻撃20、防御20、回避20、筋力20……ステータスは軒並み20か)


 このパロメータは先ほどのスキピオなどと比べれば断じて高い数値ではないが今度はそのような山賊が少なくとも5人と数の劣勢がある。

 それに対してこちらにあるのは耐久と筋力のみ……。果たして打ち勝てるのか。迷ったが、俺は決心する。


「それは無理だ。通らせてくれないか」

「……ったく、痛い思いをするだけだとわからないのやら」


 もはや会話を成り立たせるつもりもないのか、あたりから山賊が一斉にかかってくる。

 最初に目視できていたのは5人ほどだったのだがほかにも隠れていた連中がいたようで結局10人ほどが一気に俺たちにかかってきた。

 さすがに見通しが甘かったかと俺は軽く後悔したが、もはやそんな暇もない。


「二人とも俺の後ろに!」


 そう言ってふたりの前に立ちふさがり最初の1人目の一撃を受けた。

 どうやらその1人目の得物は棍棒だったようで、彼はそれを思いっきり俺に打ち付けたのだがその棍棒は俺の肩に当たるなり音を立てて木っ端微塵になる。


「……え?」


 俺はあっけにとられているその一人目の男の顔にグーパンチをお見舞いする。

 幸いこの一撃は彼の顔面にクリーンヒットし、筋力95の一撃を食らった耐久20が叶うはずもなくそのまま気絶する。


「……まずは一人、か」

「な、何なんだお前は!」


 そう言って今度は別の敵が俺の後ろから今度は角材かと思うほどの太い木棒で俺の頭を殴るが無論効果はない。


「……そっちか」


 俺は打ち付けられた木棒を逆に握り、その木の棒をまるで斧を振り下ろす要領でそのまま地面に叩きつけて前方にいた山賊を攻撃する、がその一撃は外れる。

 気を取り直してなぎ払う形でその狙った山賊を続けて狙うがやはり攻撃は当たらない。


(くそっ、筋力が高いだけで器用さが低いんだよな……)


 どんなに攻撃力が高くとも当たらなければどうということはないというやつで当たらなければ意味がないのだ。


「くそっ!」


 最初の1人が順調に倒せたぶん2人目に時間がかかっていることに腹が立った。


(くそっ、あまり時間がかかってたら俺の後ろの花やメリルが襲われるかもしれないってのに……)


 っと考えた矢先に不安が的中する。

 山賊の一人が俺の後ろの花たちの方へと襲いかかったのだ。


「お前らを人質にしてやる!」

「ひぃっ!」

「ちょっと!子供と女にまで手をあげるっての!?」


 そう言ってサーベルを抜いて山賊に対して構える。


(ごめんよ花ちゃんたち……もうちょっと耐えてくれ)


 と花たちの方を確認する俺であったが、こちらはこちらでちょっと厄介な事態になっていた。

 なにせまだ残存兵力の8、9人ほどの山賊が剣だの木棒だのを構えて俺を取り囲んだのだ。

 これではいくら防御力があるとは言ってもジリ貧である。

 手元のHPは打ち合いをしているうちにいつの間にか700にまで減っていた。

 まだ余裕はあるものの長期戦になるほど不利なのは明白である。


「……くそう、一体どうすればいいんだ。どうすれば……」


 

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