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4:クラスメイトは個性的☆

Q.自己紹介で言うべきことは?

「安達 光輝です。好きなのはラ──小説とよ──子供で、嫌いなもの...というか苦手なのは年上の人です。1年間、よろしくお願いします」


クラスの右斜め前から名前の順に始まった自己紹介。その3人目はついさっき友人になった光輝だった。


なんだ?何回か言い直しているが話しながら伝えたい事を整理してるのか?5分あったから普通なら結構まとめられると思うんだが...あぁ!沢山ありすぎてまとめきれなかったのか!


分かる分かる。俺もふゆちゃんとゆきちゃんの事ならずっと喋ってられるからな。でも自分以外に大勢の生徒がいるんだから時間配分も気を使わないといけない。話したいことを絞りに絞って伝えることが大事なのだ。


というか年上が苦手なのか。まぁ...何となく理解できなくもない。やっぱり威圧感というか、年上ってだけで近寄り難い存在なのは確かかもしれない。


すると、教室の後方で少しざわついた人達がいた。耳を澄ませてみると、自己紹介をこれからよろしくといった風の言葉で締めた光輝の話を聞いて、ある女子が友達らしき人と話しているところだった。


「ねぇ、あの人かっこよくない?」

「たしかに!しかも小説が好きって知的だよねぇ」

「年上が苦手って言ってたけど、同い年なら問題ない訳だよね!?アタックしちゃおうかなぁ〜」


おぉ...これが噂に聞いた事のある戦闘力53万の爽やかイケメンパワーかっ!


ほんの数秒の自己紹介で女子の心を鷲掴みにしてしまうとは恐ろしい。これなら今年中に光輝に彼女が出来てもなんら不思議はないな。くっ...別にふゆちゃん達以外にモテたいわけじゃないけど単純に羨ましい!


そんな俺の独白と、女子の想いに気がついていない様子の光輝は椅子を引いて静かに座った。彼の後ろの席の女子が続いて自らの自己紹介を始める。


「私の名前は───」


そうして8人ほど自己紹介が終わったところで俺の番が来た。話したい事、伝えておきたい事は山ほどあるが仕方ない。簡単に、要約して、わかりやすい自己紹介をしよう。


「俺は東雲 茜っていいます。気軽に茜って呼んでください。そうですね、好きなのは姉と妹、嫌いなのは姉と妹の事が好きな男と姉と妹の事が嫌いだって言う人ですね。天使みたいな2人と違って俺は凡人ですけど仲良くしてもらえると嬉しいです。あ、2人に用がある時は俺を通してから──」

「茜、その辺にしとけ」

「ん?お、おう。えっと...1年間よろしくお願いします?」


おっと、危ない。光輝に止めてもらえなければヒートアップしてしまう所だった。自己紹介は簡単に終わらせるつもりだったが、つい勢い余って...。


最後は無難に1年間よろしく、と言っておけばいいかな。


その後も多くのクラスメイトが名前、好きな食べ物、趣味などについて話していく。俺も人の事は言えないが、はっきり言ってしまえばテンプレ化した自己紹介ばかり。


そんな中、た行の人達の自己紹介が終わり、な行の1番最初の人が立って話し出す。


渚乃(なぎの) 美羽菜(みうな)。クラスメイトと仲良くする気はありません。私には兄様以外必要ないので。以上です」

「...!」

「...ふん」


インパクトの強い自己紹介にクラスメイトどころか湯上先生すら驚愕している。


だが、それ以上に俺はシンパシーを感じた。きっと彼女とは心の友と書いて心友になれる!


淡い期待を込めた視線を彼女に送ると蔑みの目で見られ、鼻で笑われた。うっ...きょうだい以外の友人の繋がりを求めた俺と兄以外はいらないと言った彼女。これは兄弟愛戦争と言ってもいい。俺はその初戦に負けたっ!!


お前の気持ちはそんなものかと蔑まれ、私の勝ちだと笑われるのも必然。たが、だがッ!負けない、必ず勝ってやる!


密かに闘志を燃やす俺に誰も気がつくことなく、自己紹介は順々に進んでいく。


真壁(まかべ) (ゆう)...です。えっと、よろしく...お願いします」


なっ!?


男...?いや、女...?中性的な顔で声も高めだ。線は細く身長は少し小さく、どう見ても体格もがっしりとしているようには見えない。


「あ、その...一応、自分は男ですから」


っ!!


オトコの娘だと!?神話の存在だと思っていたが、まさか実際したとは。つまるところ俺の姉と妹が上級天使で、彼は中級天使だな!


衝撃を受けてしばらくぼうっとしていると、最後の1人が自己紹介を始めるために立った。てか、今更だが真壁くんは制服を見れば男だと一目瞭然だったわ。


龍堂寺(りゅうどうじ) 音乃(のの)って言いまーす。好きなのは服と写真とドラマと...あっ、あと50~60代くらいのおっさんが好きでぇーす。良い人いたら教えて下さぁーい。SNSもやってるんで気軽に声かけてねー!」


ギャルだ。


おぉ...この学校はある程度頭髪や服装に緩いところがあるが、まさか金髪で制服をここまで着崩すとは...むしろ凄いな。怖いもの知らずかよ。


あとは50~60代のおっさんが好きって...ふむ、おじ専と言うやつか?


にしても、意外と個性的な人が多いクラスだ。それは光輝も思っているらしい。


「はは、面白いクラスになりそうだな」

「だな。それにしてもキャラ濃い人が結構居たな」

「......」


光輝だけでなく、その言葉は正しくクラス全員の総意だった。


お前が言うな...と。


「...?どした?」


知らぬは本人のみ。

A.茜「姉と妹の可愛さについての論文5000兆文字」


Q.応用問題:自己紹介用に簡潔にまとめなさい

A.茜「宇宙一可愛い姉と妹は天使、以上」

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