表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/41

一幕 始まりの村 ~エピローグ~「創世神」

一幕終了です。ここまで読んでくださった方々、本当に、ありがとうございます。

「ぁ、駄目だって、ん……」ん? なに? いつもの様にイアリロに抱きしめられて、気持ち良く眠った筈だけど。


「ヒュプノス様、タナトス様、来ましたよ」

「タナトス様、いい加減にしてくれ」

「……」イアリロは呆れてるし、クヴァシルは頭を掻いて、ベスタは頬を赤くして横を向いてる。

 なるほど、こういうことね。


「兄神さまのせいですよ!」ヒュプノス様、なんだろうなぁ。

 真っ赤になって怒っていても全く怖くないけど。細く薄い金髪に優しい茶色の瞳、白い肌に白い翼。ふわふわとした綿菓子の様な天使。


 タナトス様は黒髪に金環の浮かぶ黒瞳、浅黒い肌に翼だけが白い美青年で、見るからにクールだ。

 ヒュプノス様が慌てて衣服を整えてるのをじっと見てるだけで、こちらを気にする様子もない。


「ごめんね、僕がヒュプノス・眠りの神で、こちらは死の神・タナトス。君たちの力の生みの親だよ」咳払いをして、話しかけてくる。

 可愛いなぁ。と見てたらタナトス様の視線が怖い。あらら、本当に溺愛してるのね。


「君が次代の白虎だね、成人おめでとう。皆も、ありがとうね」温かな風が吹いたから、祝福を受けたんだろうな。

 きらきらした目で俺達を見てる。けど、そんなだとまた……

「兄神さま、まだ話し始めたところですよ」ほらね。

 抱き込まれて抵抗するけど、離して貰えず諦めたヒュプノス様。そりゃ、逃げられませんね。いくら新しい世界を造っても駄目でしょ。


 四聖獣の視線を受けて、創造神様が続ける。

「君達に謝らなきゃいけないんだ。ちょっと前にまた、かなり厄介な存在が此方に紛れ込んじゃったんだよ」ヒュプノス様が手を合わせてる。

「かなり厄介って、どういうことです?」クヴァシル師匠が落ち着いて訊いてくれた。さすが三百才!


「七つの大罪って聞いた事ある?」ヒュプノス様、上目遣いは可愛いけど……

「そりゃ、厄介ですね」三人でため息を吐く。

「え? 何? 皆知ってるの?」ベスタは聞いた事がない様だ。女性の読む物には余り出てこないかな。

「暴食、色欲、強欲、憤怒、怠惰、嫉妬、傲慢、だったな」

「そう、それに対比する美徳が、節制、純潔、救恤、慈悲、勤勉、忍耐、謙譲でしたね」相変わらずの、クヴァシルとイアリロ。その知識と記憶力に感服する。

 

「それらと対決して貰う為に、黄龍が夢見た物語を次代白虎に届けたらしいんだ。そのままが起こる訳じゃないけど、参考になるようにって」

 父のことは、どの程度現実化するのかな……憂鬱な顔をしてるんだろう。イアリロが頭を撫でてくれる。

「黄龍自身も力になれるようにと、麒麟を生み出している筈だよ」

「それがウェルク王子、ですか?」クヴァシルが訊くけど。


「そろそろ帰るぞ」タナトス様が声を掛ける。

「色々制約があるんだ。でも、君達に幸せになって貰えるよう、僕達も頑張るからね」

 手を振るヒュプノス様達の姿が薄れ、視界もボヤけて消えて行く。

 あぁ、目覚めるんだね…… 


 こうして、俺達の冒険が始まったんだ。

 

 ご覧頂き、ありがとうございます。もう一話、二幕のプロローグを投稿します。

 賢い筈の聖獣たちがバカなのは作者のせいです、すみません。

よろしければ、ブックマーク&評価を頂けますと、とても励みになります。二幕からも、ぜひ宜しくお願い致します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ