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一幕 始まりの村 プロローグ

 初心者の初投稿です。エタリません、完結までは! 宜しくお願い致します。

 死体だと思った。血まみれでうつ伏せに倒れてるから。

 息を呑んで見つめてるうちに、背中が上下してるのに気付いた。息があるなら何とかしなきゃ!


「大丈夫ですか? 聞こえます?」革鎧を着けた肩を、できるだけ遠くから手を伸ばしてそっと叩いた。

「ぅ……」意識もある。どうしたらいいんだ、と慌ててるけど、不安だけど。

 とりあえず気道の確保!必死で救急の授業を思い出す。


 だってありがたい事に、使う機会なかったんだよ。今世だって、村の年寄り達はたまにギックリ腰やるくらいで、俺よりずっと元気なんだから。

 誰に言い訳してんのか知らねぇけど、ようはアワ食ってんだ。

 人間、予測してないとこで血を流して倒れてるヤツなんて見つけたら、パニくるもんなんだな。


「あぁ……疲れた」久しぶりに前世の事なんか思い出したからか、疲れはてて寝たからか。

 その夜、夢を見た。


 ――――――――――――――――――――――


 大学は出た。福祉系の学科を専攻してたが、実習で実感した。これ、一生は無理! と。一般企業希望で就活に励んだ……が、全滅。

 母親の事を考えるとフリーターというわけにもいかなかったから、卒業直前に介護施設への就職を決めた。


 お年寄りは嫌いじゃないし、可愛がってもらってる。先輩は、ほぼ全員がおば(あ、もいる)ちゃん。親世代より上だから頭が上がらない。

 

 今年で三年目。早番なら七時前に出勤して、食事の介助・オムツ交換・風呂の介助、それを昼からも繰り返す。休憩も昼飯を掻き込むのがやっとで、一日中ずっと動き回ってる。もちろん夜勤も遅番もある。


 若い男は力仕事担当、とか言われて手抜きもできない。委員会とやらで、時間外でも会議だなんだと増えてきて、毎日クタクタになってる。


 ケータイも夜中にちょっと触るくらい。一人暮らしだから、休日は洗濯してちょっと片付けて、寝てたら終わりだ。暫く連絡できずにいたら友達は減り、大学時代の彼女とも知らない間に別れてた。趣味にしかけてた彫金も、もう何年もできてない。


「汚い・危険・きつい」は昔の話? いやいや就職支援課に「帰れない・休暇が取れない・給料が安い」の新三Kも加わってる、と言っといて。


 いつもの様に、シャワーと飯の前に一眠りしなきゃ動けんわ、とベッドに倒れ込んだ。

「あ、アラームだけ掛けとかなきゃ。明日も早番だし……」



 それが最後の記憶。心残りは母親に恩返し出来なかった事。俺を愛して育ててくれて、女手一つで大学まで出して貰ったのに。

 せめて、過労死の申し立てでも出来るように、実質勤務時間のメモでも残しておいたら良かった。そんな事、考えるような人じゃないけど。


 最近仲良くなったって言ってた、弁護士にでも相談してくれないかな。TVか雑誌ででもちょっと話題になれば、少しは同僚達の待遇が良くなら……ないわなぁ。俺一人の事で。


 ――――――――――――――――――――――


 女神と話したとか、川を渡ったとかの覚えはない。

 けど、俺は転生した。

 

 物心ついたら、周囲には爺さん婆さん……しかいなかった。

 その上、死体? いや怪我人!

 また、介護おせわしろってのかよ!


 拙い作品をご覧頂き、ありがとうございます。

 よろしければ続けてご覧下さい。とても励みになります。宜しくお願いします。

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