6話 バーヘフトと土地神
(小枝拾うのだけだとすぐ終わってつまんないよなー、殺されないように武器とか作ろうかなー、対人間の戦いしかわからないし基本的に素手だったし毎回戦う事になりそうだったら逃げてたからなー)
(元の世界で情報集めてコソコソ売ってた奴があんないかにもヤバイですみたいなオーラ出してる奴と過ごすなんてたまんないよー)
(小枝を運ぶの大変だなー、集合場所から遠くまで離れなくてもすぐ手に入るけど、それでも何往復もしたら喉が渇くし疲れるなー0.5Lのペットボトル1本なんてイント、ケンズ、ハインツ、俺の4人だったらすぐ無くなるし、飯は耐えられるけど水分がないとすぐ死んじゃう)
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小枝を拾ってる間に集合場所ほどの大きさの洞窟を発見する
(こんな近くに洞窟があったなんてなー、何か動物がすんでるかもしれないけど、面白そうだし入ってみよう)
(うおぉ、狼・・・?額から角が出てる狼なんて狼って言っていいのかわからないなー。寝てるのかな?野性の動物なのに近づいても起きないなんて死んでるのか?触ってみよう)
体毛は黒く、体長2m程で額から30mほどの角が出ている動物が横たわっていた
(あ、目が開いた、俺死んだかなー)
バーヘフトは死ぬ恐怖よりも好奇心の方が強い性格で、リスクとリターンが見合わない情報を追っていたりしたが、なんだかんだ死なずに生きてこれていた
口角を上げて半目になって死ぬのを待っていても、なかなか死なないため狼(?)を見てみると
「・・・ん?弱ってるのか?」
動物はなにも反応せず、目を開けただけだった
(医者のイントとアニマルトレーナーのエイウィリーを連れてこよう、裏家業をしていて本当はしていなかったとしても、嘘がバレにくいように少しくらい知識があるだろう)
「仲間を呼んでくるから待っててー」
動物は瞬きをした後にまた目をつぶってしまった
(本当に呼んでまたここに来れるかはあいつらと話してから決めるけど、そんなのいちいち言わないでもいいよねー)
「つめたっ!!」
洞窟の入り口には死にかけた老人の寝起きにする小便程の勢いのない水が流れていた
「ラッキーまた来るしかないなー!」
上を向いて口を開け、水を喉に流す
(生き返るー!水おいしいー!!)
(ペットボトルにこの水を入れたいなー、容器がペットボトル0.5L二本っていうのが少なすぎるんだよなー。樹皮で容器を作ろうかな、樹皮を切り取って、削って薄く曲がりやすくしたら、角を丸めて切れ込みを入れた木の棒で挟めば器にはなるはず。その容器を作ったら煮込み料理も作れるようになるだろうし、小枝とか軽い物も入れて一度に多く運べるようになるだろうな!)
(もう長さ30cm太さ3cmくらいの小枝は30本くらい集めたし、皆に水のみ場と黒い狼の事を教えてから器を作ろー)
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(今回の召還はワシの番だったか、もうそろそろ始まる"新生"時にちょうどタイミングが合うなんてな。
6体に力が分散されたから次の寿命は140年程かの、おまけにそのうちの一人はワシの聖水を飲みおったわ。)
(今回も召還したのはサウザールか?もしサウザールなら時間が来たらここにきて回収するじゃろう・・・。
新生時に重なったために守る事ができん・・・たまたま重なったのではないじゃろう、サウザールのクソ白髪坊主め。まるでケツに引っ付くトイレットペーパーみたいな奴じゃ)
(コナーに守らせたいが奴はここら辺にいない・・・必要な時にいつもどこかに行っていて腹立たしい奴じゃ、奴がいない間にもう生贄が3体も寄こされたが、動けないために死んでしまった。今も一体がゴブリンの孕み者にされておる・・・。生贄なんて欲していないのに、馬鹿な村人共が・・・。)
(あいつら6人を強くするしかないか、サウザールの調査員は基本45Lvくらいじゃろう、Lv = 強さ ではないが、やはりLvによって開放される能力は大きい。
まず2Lvになってワシの加護と基本情報を知ってもらわねばならん)
(これを使ったら新生時が早まって来てしまうだろうがしかたがない、ゴブリンをあやつらに向かわせて戦わせるかの・・・。あやつらが倒せればLvが上がるじゃろうが、もし倒せないなら完全に逆効果じゃな・・・まあ負けるんならどうせいつか死ぬじゃろ!アハハ、ウフフハハ)