4話 イント
「はぁ、夢だったりしないかな・・・夢じゃないか」
(あいつら皆嘘を言っているな、普通のやつじゃない、患者にそっくりだ、俺が闇医者じゃなかったら気づけなかったな・・・、騙して拘束した女を一方的に殺したりはしたが、真正面から殺しあった事はないからな・・・なにかあったら最初に殺されるのは俺だろう)
(森からすぐに出られなさそうだし、女が一緒にいないのがよかった、幸い俺は容姿が良いから誰かに抱かれて守ってもらう事ができる、エイウィリーも容姿はいいがそもそも守ってもらわなくても問題ないだろう、それよりケンズとかいうアジア人の顔が可愛かったからケンズに行かれたら困るな・・・雲行きが怪しくなったらなんとか殺すか・・・)
(男に抱かれるとしたら12歳の時以来か、ついでに潤滑剤でも探しておくか)
(まあとりあえずは石斧を作る準備を終わらせておくか、石斧に使う、少し長い三角形の石をベースの石を探そう)
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(あった、拳2.5個分くらいの多きさの石、これを他の石とぶつけて形を整える)
(ぶつけるための石が尖ったからこれも後で使うから持っておこう)
(整えたベースの石を平べったい石に擦って研ぐ、包丁を研ぐイメージでベースの石を軽く研ぐ、水をつけて研いだ方が割れにくいが、水がないから割れないように祈るしかないか・・・)
(無神論者だったが異世界に飛ばされたら神の存在を信じそうになるな・・・、いや、こんな所に来させられたんだから悪魔か?まあこの際どっちでもいいか)
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(石斧に使えそうな"よさそうな"棒があった、マンガとかでみる原始人が持っているような棒だな・・・、現代的な知識や道徳観があっても生活水準、喜ぶ物は原始人レベルか・・・皮肉な棒だ)
(さっき作ったベースの石が嵌るくらいの多きさの穴を開けるか、さっきぶつけて尖った石で擦って削る、両側から削れば・・・よし、真ん中に穴が開いたな、そうしたらベースの石が嵌るくらいの穴をほじって完成だ)
(穴の周りを炭化させて柔らかくさせないで石を嵌めると木が割れるから、ケンズが作る火起こし器待ちかな・・・、雲行きが怪しくなったら殺そうとしてる奴の労働に期待してしまうな・・・こういう性格なのはなかなか変わらないか、まあいい、さっき皆が集まってた所に戻るか)
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集合場所への帰り道
(これは・・・トウゴマか・・・種子から得られる油はひまし油として広く使われているが、俺が使いたいのはそれじゃなくてリシン、毒タンパク質がほしいな、加工する装置がないから実のままケンズに5粒程食べさせれば殺せるだろう)
(*ひまし油を絞り取った後のかすから抽出できる、吸い込んだり飲み込んだりしたら細胞が壊死し、臓器不全を招く、加工しない実の状態でも4~5粒で致死量)
(どうやって食べさせるかが問題だが、とりあえず位置を覚えておこう、持っていくのも大変だし、バレるリスクもある)