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3話 ラドとエイウィリー

「エイウィリー、まず水場を探そう、水場にはモンスターがいるかもしれないが、ペットボトル2本じゃ6人のランチ1回分で全部なくなっちまう」


「エリーでいいよ、水場を探すのには賛成だよ、それと、途中でモンスターがでてきたらどうする?」


「気づかれていなかったら少し観察しよう、バレたら二手に分かれて逃げる、集合場所は俺達がぶっ倒れてた所にしよう」


「わかった、弱そうなモンスターだったら倒したいよね、血を飲めば水分補給できるし」


「アニマルトレーナーにしては物騒だな」


「わかってるんでしょ?」


「まぁな・・・待て、足跡だ、小さく、人間の足跡に似ている、7歳くらいだろうか、なぜ素足なんだ?4人だな、もみ合った形跡がある、血を流しているし、木に引っかき傷がある、人間の爪ではこの傷は付けれない」


「モンスターが近くにいるってこと?」


「2日くらい前だろうな、小さい足、踏んだ土の深さからいって7歳くらい、爪が動物のように尖っている、武器は牙じゃなくて爪、なにかを運んだりはしていない」


「1匹はかなり深手を負ったようだ、血の跡で道ができている」


「追ってみる?」


「追ってみよう、この出血では遠くには行けないだろうし、突然出てこられるよりこっちから先手取れる状態で観察したい」


「僕はナイフがあるけど、ラドはなにか武器はある?」


「剥ぎ取り用のナイフだけだな、柔らかい急所に当てればって感じだろうか、モンスターを見てないからわからないが、リーチのある武器がほしいな、近づくのは危険すぎる」


「槍、せめて棒がほしいね」


「棒を加工して槍にするか、ナイフを使うと切れ味が落ちそうだから適当に石で削って尖らせるか、こんな所で時間かけてたら生きた心地がしないぜ」


「そうだね、石を探すよ」


「棒はこれにするか、穂先を入れて1m50cmくらいでいいか」


「あったよ、石、なにか槍を使う武術をしていたの?」


「いや、何も習ってないが、ナイフを振り回すより遠くから槍で突いたほうがマシさ、突くくらいはやったことがあるしな、よし、できたぞ、初めて鉛筆をカッターで切ったようなクソみたいな穂先だがまあいいだろ」


*木の槍(素人)-------------------------------------------------------------------

全長1m50cm程の槍。石で削った穂先が15cm程ある、切れ味は悪く、カッターで切った鉛筆の先端のような歪な穂先をしている

柄の部分は木の皮を剥いでもいなく、何も加工していない。先端から逆の部分の石突きも存在しない。即席の刺す事に特化した槍。硬いところに穂先を当てれば、割れたり潰れたりする。

担架に使用する棒の代わりにもなる

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「槍にしては短いね」


「でかいと隠すのが難しくなるからな、まあ1m50cmでもそうとう邪魔なんだけどな、よし、行くぞ」


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洞窟というには小さい、壁を抉って作ったような場所を見つけた


「洞穴だ、モンスターの巣(15㎡くらい)だな・・・、女がいるぞ、見張りはいなそうだから罠に注意して入ろう」


「これはひでえな・・・」


「うわぁ、ほんと酷いね、共食いしたのかな?」


「そうだろうな・・・、まあ、それより女の方が先だろう、どうする?」


「殺してみる?経験値が手に入るかもよ、ここら辺の情報を吐かせたいけど、彼女もう壊れてるし」


「モンスターに犯されて受精したのか、異種配合が成功しかけているんじゃないか?持って帰ればモンスターが追ってくるかもしれない、罠のエサにしてもいいし、このまま生まれたらどうなるのか気になる、刷り込みなどができないだろうか、もしできるなら他の動物を生け捕りにする事ができれば交配させ続けれるかもしれないぞ」


「それもそうだけど、この森に人間が入ってこれるなら10Lv以上なのかな?それを犯せる程の力があるなら今の僕達に殺せるかな?」


「そうか・・・、これを見てくれ、骨が残っていてよかった、これで大きさがわかる」


「やっぱり7歳くらいで、1mほどの身長、あまり肉はついていないし、体格も小柄だろう、肉片は骨にこびり付いているだけか・・・、あまり強そうには思えないな。それに女一人で森に入るか?誰かが護衛していて裏切られたか、森に捨てられたんじゃないか?出るのは10LV必要でも入るのにはLVが必要ないとか」


「女を殴ってみる?殴って硬かったりしたら物理的に強いって事だし、普通に殴れたら技術とか知恵だけでこの森に入ってきた事になる、それなら罠とかにかければ僕達でもモンスターを殺せるかも」


「そうだな、腹にはモンスターがいるかもしれないし、顔にするか」


右頬を軽くラドが殴ったが、特に拳を痛める事なく女は無表情で横に倒れた


「普通に殴れたな、だけど情報が無さ過ぎるし、安全を取って一旦戻ろう、武器を作って皆で奇襲したりすれば6対3なら倒せるかもしれない。この森にいる限りいずれ戦わないといけないだろうしな」


「代わりにこのモンスターの骨拾ってく?武器になりそうだよ、この足の骨とか、ロープでも巻いて滑らなくすれば少し曲がった剣みたいになりそうだ」


「臭いでモンスターや獣が近づいてきそうだが、あの水場で洗えば大丈夫だろうか・・・」


「幸いお食事して犯した所に選ばれたのは水辺が見える場所だったしね、水辺を見つけたし、簡易地図も作れた、水辺で水が飲めるか確かめてから帰ろう、早く武器や寝床を作らないとモンスターに殺されちゃうかもしれないからね」


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ゴブリンの足の骨 x2

ゴブリンの肋骨 x4

ゴブリンの折れた肋骨 x2

ゴブリンの骨粉 x2

を手に入れた

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「そうしよう、飯は木の実を少しずつ摘んで、簡単なパッチテストをして食べてみるか」


「パッチテスト?」


「食べられるかどうかの簡単なテストだ、肘の内側などの皮膚が薄いところに塗ってみて、赤みや痒みがでたらそれは食べられない」


「臭いが付くから今はできないけど、この骨に付いてる肉片を調理して食べられないかな?」


「冗談だろ・・・?俺は食べないぞ」


「ラドはヴィーガン(*絶対菜食主義者)なの?」


「いや、肉は好物だが・・・まあこの話はもういい、残りの3匹がくるかもしれないし、さっさと帰るぞ」


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「泉にはなにもいないか、ずいぶん神秘的な泉だな」


「ここに来るまでにペットボトルの水、0.4Lくらい飲んじゃってるし、全部飲んでこの水を入れようよ、沸騰してろ過すれば飲めるだろうし、どの道飲めなきゃ皆死んじゃうし」


「そうするか、一応沸騰させてろ過してない泉の水を飲むのはやめよう」


「そういえば、どうやって沸騰させるの?ペットボトル以外の容器あったっけ」


「あ・・・木の樹皮を剥ぎ取って、円錐の形にさせてから砂、木炭、草、砂利を入れてろ過装置を作るか、俺はもう0.05Lくらい飲んだから、後は全部飲んで汲んでおいてくれ、俺は他の動物が近づいた形跡がないか見てくる」


「おっけー、うわ、この水すごい澄んでるよ、ミネラルウォーターとしてこのまま販売できそう」


「この近くにモンスター、動物が来た形跡が全くない、ここに近づいてきたのが俺達だけみたいだ、なにか強いモンスターがいるならその形跡があるだろうし、もし隠れているならもう俺達は死んでるだろうから、近づけなかったのか?」


「なんかすごい効能とかありそうだねこの水、あと持ち物を言う時に言い忘れてたんだけど、時計も持ってたよ、帰りに時間を計って距離がどのくらいか調べよう」


「ゆっくりきたから歩幅が小さいが、争った形跡のあった場所は2560歩くらいだから1キロ250mくらい、モンスターの巣までで3000歩くらいだから1キロ500mくらい、ここまでが4120歩くらいだから2キロくらいだな、直線にしたらもっと近いだろうが」


「すごいな、全く歩数なんて意識してなかったよ」


「確認のために時計も使ってもう一回計ってみよう」





ゴブリンの骨云々の説明はラドとエリー達には見えていません。

木の槍の説明もまた同様に見えていません。

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