30話 レベルアップとスキル
「楽ちんだー、皆の分の馬も早く手にいれたいね」
バーへフトがさっそく馬に乗っている。
練習もなしにいきなり乗って7~8回振り落とされてやっと乗れるようになったのだ、老馬のローヴァのくせに獰猛な性格だった。
その性格のせいなのか、聖域に帰る道中うさぎが出てきても止まらず蹴り飛ばして進んでいた。ちなみにそのうさぎはローヴァの横腹辺り、バーへフトの足辺りにぶら下げて運んでいる。
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うさぎの死体(粗悪) x1
を入手した
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「いいなぁバーヘフト、西部劇に出てくるハリウッドスターみたいだ。俺なんか何故か召使い役でしか出てこない昔の西部劇にいる黒人だぜ...」
「今の西部劇も酷いけど昔はもっとひどいよね、黒人が何故かほとんどいないしさ、異世界でも表現したいの?って感じ。いやまあ異世界はここなんだけどね。」
黒人のラドと黒人のバーヘフトが西部劇に文句を言い合っていた
「銃とかあるんですかね」
ハインツがフラネリーに聞く
「あぁ、あれか、一応あるぞ。鉄の筒だろ?あんま使われてねえな。狩りをする時頭に当てないと肉や皮を粗悪にするし、人に対しても弓の方が強いからほとんど使われない。弾の値段も高いしな」
(作り方とか教えたらとんでもないことになるんだろうな・・・、俺を追う奴等に製法がバレて銃もたれても困るしなぁ。6人が銃もてるようになるメリットより大人数の敵に銃持たれるほうがデメリット多いよな)
バーへフトと西部劇に文句を言い終えたラドがハインツとフラネリーの会話を聞き、銃は作らないと決めた。
「遠距離はクロスボウ頑張るしかねえかー」
「でもラドの武器は近接用でしょ?二個持つのは重そうだね」
自身の能力の使い方を熟考していたため、あまり喋っていなかったエリーだが話しはちゃんと聞いていたようだ
「一応スキルとかで近距離武器を持ってても遠距離攻撃できるようにならないこともないが、基本的に無理だしまだ無理だろうな」
「そういやスキルってなんだ?」
「レベルが上がった時に手に入るSPを使って能力の下位互換みたいなものを取ると使えるようになるの、ちなみに能力を持っていない人がほとんどだから能力を持っていない人はスキルを主に使うわ。」
「どんなスキルが多いんだ?」
「能力は全部違うんだけど、スキルは結構同じようなのを取得してることが多いわ、もし他の人と違うスキルを取って変な役立たずスキルだったらそれだけで村からゴミ扱いされることだってあるしね。だいたい筋力強化とか、体力強化とかそんな感じよ。」
「筋力強化と体力強化は畑仕事とかにも役に立ちそうだしな、戦争が起こっても別に悪くないスキルだ。」
「戦うことにしか使えないスキルを取るのはひとつの村に数人しかいないわ。魔物や獣、盗賊から村を守ったりする人以外は大体こんな感じのスキルよ」
「でもレベルが上がればスキルを沢山取れるんじゃないのか?」
「一応沢山取ることはできるけど、ひとつのスキルにSPを使って強化する人が大半よ。さっきも言った通りハズレを引いたらとんでもないからやる人がいないし、もしやっていいスキルを見つけても余程のことがなければ人に喋らないでしょ?だから体力強化と筋力強化を取っている人ばっかりだわ。」
「具体的にどうやってSPを使ってスキルを取るんだ?」
「SPを使えるレベルまで行くとステータス画面から取れるスキルが選べるようになるわ。そんなに高いレベルじゃなくていいから明日の朝には取れるようになると思うわよ」
「とりあえず明日の朝になってみなきゃわかんねえか」
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「おいバーヘフト、お前...嘘だろ?....」