2話 ケンズ
(まず火起こし器を作らないとな...)
(それにしても皆が動揺せずにスムーズに動けている、それに皆目が普通の人とは違う、明らかに裏社会の人間だろう、全員が)
(瞳が鏡になっているのは普通の人だ、窓のように向こう側が見えそうになった時は普通のやつじゃない
反射、キラキラしているか、目の奥が見えそうな、光のないつや消しされたような瞳かで違いがわかる)
(恐らく俺もバレてるだろうが、他の奴らも気づいてるだろうなぁ)
(とりあえずはこのまま気づかないフリをしておこう、どっちにしろ火は必要だし、協力して飯、水を見つけないと死ぬしな)
(エイウィリーが羽根ペンと手帳を持っていたから、見つけたと言っていた紙を作れるだろうが、ステータスとかいうのが見れたし、本能でここが異世界なのはわかる、それに書いたならわざわざ手帳とペンを持ってることを言わないだろう、俺らの反応を見たくてやったんだろうな、先にナイフがある事を言った時の反応とメモ帳があると言った時の反応の違いを見たんだろう)
(火起こし器以外に簡易的な隠せる武器も作っておこう、木の枝を尖らせたくらいの簡単なやつか、狩り用とか言って槍を作ってもいいな)
(まずは火起こし器を作るために円形の石を見つけて、円形の石に穴を開けるための尖った石も見つけるか)
(あった、大きさは拳くらいのひらべったい石だ、これの真ん中に穴を開けよう)
(普通の拳より一回り小さい石を見つけたから、これとほかの石をぶつけて尖った石にする)
(ひらべったい石の真ん中にコツコツと尖った石をぶつけたり、グリグリ回したりしてへこませる、慎重にやらないと穴が大きくなりすぎる)
(よし、小さな穴が空いた...結構時間がかかったな...)
(そうしたら拾ってきた木の棒の皮を剥ぎ取り、先端を尖らせ穴の開いた石に通す)
(カラムシがあったので、その繊維でロープを作る、カラムシは英語でラミー、ファイントラックのウェアでも使われている繊維「ラミースピン」のあれだ)
(シソのような葉がついており、割と道端とかにある)
(カラムシを根元から刈り取ったら、茎の上側をつかんで、もう片方の手で葉をしごきおとす)
(茎だけにしたら今度は根元側から表皮を剥ぐ、茎の中ほどを折って剝ぎ取る方法もあるが、カラムシの状態によっては根元からのほうがきれいに剥ける)
(剥いだ表皮のうち、幅広なものはつまんで繊維にそっていくつかに分ける、適量を束ねたら末端を一重結びにして留める、あとは捻ったらなんとなくロープっぽくなる)
(ロープを作るのはだいたい10分もあればできるだろう、ロープを木の棒に捻って引っ掛け、小さい木の板と組み合わせる、そうすると木の板を上下に上げ下げするだけで木の棒が回転する。これで手が水ぶくれだれけにならないでも火をおこせそうだ)
(カラムシがあったって事は、地球にあった植物や食べ物、動物もいるかもしれない)
(とりあえず、火起こし器は作れたから、あとは暗器(*身体に隠し持っておける武器)を作るか、最悪飢え死にしそうになったらあいつらを殺して食べよう)
(さっき尖らせた石を使って木の棒を尖らせて、右腰に携帯しよう)
(こっちの世界にくる直前の記憶はないが、いつもマカロフ PM(*拳銃)、飛び出しナイフを携帯していたはずなんだが、携帯していた物を持ってこの世界に来るわけじゃないのか?元の世界からこの世界にどうやって来たかの情報が少なすぎる、元の世界に強く戻りたいとは思わないが、戻れるなら元の世界が変わったのか、そのままなのかが気になるな・・・仲間、というより部下をこっちの世界に呼べないかなぁ)
マカロフ PM、飛び出しナイフの絵を描いたのですが、載せ方がわからない(汗