表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
29/32

29話 ローヴァの誕生

-----------

皮剥ぎ

-----------


足の関節の下あたり(足首)に1周切れ込みを入れる


足の付け根からその切れ込みに向かって切る


片方の手で引き剥がすようにし、肉と皮の間に刃を入れて剥ぐ


脚部を剥がし終えたら胴部分も下から上に同じ要領で剥ぐ


なるべく皮側に肉や脂を残さないように剥ぐ


この時、皮にナイフで傷をつけないよう気をつける


顔、というより頭の皮はなめせないので切り落とす


脚部が袋状にならないよう切り開く


尻尾はR状に切り落とす。 体 ( 尻尾 括弧の形に切る


皮に残った余分な肉や脂を取り除く


首に肉が残りやすいから気をつけること


薄い膜なら肉がついててもいいが、塊がついてるなら取り除く


片方の手で引き剥がすようにし、肉と皮の間に刃を入れて削ぐ


ナイフで傷がつかないように気をつける


薄皮とか多少肉が残るのはしかたがないから気にしない


------------------------------------------------------------------------------


「わかったか?」


フラネリーが長く説明したせいで死にかけているような顔をしている。元々感とノリでやっているから説明が苦手なのだ。


「「「「「「わか(りました)った」」」」」」


「こうか、別に元の世界と一緒だな」


ラドは元々猟師だったのもあり、すぐに皮が剥げるようになった。


「なかなか難しいですね」


ハインツが真剣な表情で脚部の皮を剥いでいる


「まあこんだけ練習台はあるんだ、気楽にやればいいさ」


「この皮は何かに使うのですか?」


「んー、正直皮は足りてるんだよなー。また悪魔でも呼ぶか?」


「皮を剥がないでこのまま生贄にしたらダメなんでしょうか?」


「もう死んでるからな、生贄にはできないんだ。死んでいる場合は生き物ではなくアイテムとして対価を支払うことになる。そうすると死体より剥いだ皮の方が価値が高くなるんだ。」


「となると綺麗に剥がないといけませんね・・・」


「そんな緊張するな!どうせバヤウルフなんてたいした価値ねえんだ!綺麗な皮でも馬で踏みつけたような皮でも大差ねえよ!」


「そういえば、悪魔取引では使い魔のほかに生き物を得ることはできるのですか?」


「ああ、できるぞ。そうだな、この皮を使って馬でも呼んでみるか?」


「いいですね!馬に荷物を載せることもできるようになりますし」


「じゃあ馬に決定だな、多分他の奴も反対しないだろう」




「そういやケンズ、新しいゴブリンの死体はどうしたんだ?ゴブリンファイターとかいただろ」


器用に肉が残らないよう皮を剥いでいるイントがケンズに言う


「ゴブリンファイターにはもう能力を使ったよ。今はクリスに合う武器を選んでもらってる。あと普通のゴブリンは今土を掘らせてる。」



「離れてても大丈夫なのか?ていうかなんでゴブリンに土掘らせてるんだよ」


「大丈夫、配下にすれば自分である程度考えれるし、攻撃しないでって言ったから。」


「配下って・・・将来ゴブリン団長とかになってないだろうな・・・」


「あはは、ゴブリン団長はゴブリンにやらせたいな。」


「それで、普通のゴブリンはなんで土を掘ってるんだ?」


「罠を仕掛けてみるんだ。魔物がかかって死んだ場合経験値はちゃんと手に入るのか知りたくて、あとゴブリンを埋める」


「埋める?自分で墓作らせて永眠させるとかなかなか鬼畜なことするな」


「そうじゃないよ、呼吸が必要なのか知りたくて。あと土に埋めて自力で出られるのか知りたいんだ。」


「そうか、ゴブリンが死んでもどうせ復活できるんだもんな。無限実験モルモットって感じだな」


おもちゃ屋さんで欲しい玩具を見つけたような、純粋な少年のようなキラキラした目でケンズを見る


「・・・ゴブリン一体解剖用に使う?」


間違えて女性専用車両に乗り込んだような気まずさに耐え切れず、ケンズがゴブリン一体をイントにプレゼントした。


「あぁ使う!!ありがとう。最高だ」




そんなこんなでバヤウルフ20体分の皮を剥ぎ終わった。




-------------------

バヤウルフの皮 (良質) x6

バヤウフルの皮 (普通) x10

バヤウルフの皮 (粗悪) x4


を手に入れた

-------------------


「俺とラド、イントが剥ぎ取ったのは結構いい質になったな。」


「私がやったのは粗悪になってしまいました・・・。すみません。」


「俺もー結構集中したけど剥ぐの難しくて粗悪になっちゃったー。」


「まあ初めてだったしな、それにバヤウルフの皮くらい元々たいした価値なんてないんだ。気にしたって意味がない。もし価値のある魔物を倒せたらラドかイントに皮を剥いでもらえばいいんだ。」


「そうだな、私は皮剥ぐの結構好きだし。」


「俺も別に苦じゃない。苦だったら元々狩猟なんてしないしな。」


「ありがとうございます、その時はお願いします。」


「ありがとー、なんか俺できることだったら手伝うよー」


「バーヘフトは手先でなんかするのより魔物を倒しまくった方が向いてそうだな」


「そうするー」


「そうだ、さっきハインツと話していたんだが、この皮は悪魔取引に使って馬を召喚するのはどうだろうか」


「いいんじゃないか?保存するのは大変だし、特に使うことないしな」


「粗悪の皮を一枚だけくれないか、それを使ってバヤウフルの皮がなにに弱いか調べてみる」


「そんなことわかるのか?」


「たいしたことはできないが、火に弱いか水を弾くのか斬りやすいのか、衝撃は吸収するのか。簡単なことは調べられると思う。」


「そうか、じゃあバヤウルフの簡易的な研究はイントに任せよう。他に必要な奴はいるか?」


「いらないかな」


「僕もいらないな」


「よし、じゃあ残りの皮を使って悪魔取引をするぞ。今回もバーヘフトでいいか?」


「「「「「いい(ですよ)(ぜ)よ」」」」」



「じゃあ魔法陣"書く"から待っててくれ」


「なんか俺魔法陣"描ける"気がするー」


「悪魔取引のスキル取ったのか?」


「スキルってなに?」


「今日の夜説明しようとしていたんだが、知らないなら後で教える。書いてみてくれ。」


「わかったー」


スラスラと絵を描くように魔法陣を描いていく


(なんだこの魔法陣。式がグチャグチャだが・・・)


「できたー」


そしてフラネリーができていないと伝える前に血をたらしてしまった


そしてバーヘフトの姿が消えた



「・・・。嘘だろ?あれで成功するのか?いや、成功したのか・・・?」


「どういうことだ?」


「魔法陣は式なんだ、だから式を覚えるかスキルっていうのを取得しないと悪魔取引の式は完成しないはずなんだが、魔法陣が起動しちまった。成功したのかすらわかんねえ」


「おいおいマジか、死んじまったのか?」


「いやわからん。全くわからん。」



「ただいまー」


「あ、戻ってきた」


------------------------------------------------------------------------


バーヘフトは薄暗く、光源は蝋燭の明かりだけ、空中に本棚と本が浮かんでいて、品のいい図書館のような場所に来た。


「また君かね」


スーツのような服装をしたおじさんが空中に寝転がりながら本を読んでいた。どうやら前回と同じ悪魔を召喚したようだ。


「うん、今回は馬が欲しくて」


「対価は?」


「バヤウルフの皮19枚」


「それだけか・・・、何故我を召喚できるのか不思議だよ。いいだろう、確か駄馬が一体あったはずだ、それをやろう。」


「ありがとー!今度はもっといい物持ってくるね」


「また呼べればの話だがな、なんだか呼べそうな気もするが。」


「どうだろうねー」


「ついでに馬具一式もあげよう。それじゃあね。」



------------------------------------------------------------------------



「馬と一緒に馬具一式も貰ってきたー」


「馬具一式?!そんなに貰えたのか!?やっぱおかしいだろ・・・。対価にしてはリターンが多すぎねえか」


「どうなんだろー、でも悪魔さんに今度はもっといい物持って行くって約束したから今度はいい物持っていく」


「前回と同じ悪魔と会えたのか!?そんなこと滅多にないぞ。」


「なんかまた次も会える気がするんだー」


「そうか・・・、まあ考えてもどうせわかんねえ。馬を見てみようぜ」


-----------------

普通の駄馬(老馬)


クラス:デストリエ


普通の駄馬。年老いている。


特に不健康でも健康でもない。


毛の色は芦毛あしげ、肌は黒っぽく、生えている毛は白い。

白馬ではないが、かなり白寄りの灰色。


-----------------


「なんかちょっと小さいな」


「ハァアアアアアア!?なんだよこの大きさ、でかすぎだろ!!」


「でかい?少し小さくないか?馬ってこんなもんだっけか」


「でかいだろ!!どう見ても!!こんな馬いねえよ!!」


「普通はもっと小さいのか?」


「全然小さい。なんでこんな強そうなんだよ!ていうかこの毛の色、貴族でもなかなか乗れないぞ!?」


「毛の色なんて気にしたことなかったな」


「芦毛は芦毛の親からしか交配しても生まれてこないので希少なんですよ。」


「ハインツよく知ってるなそんなこと」


「昔馬の権利を買ったことがありまして、その時に調べたんですよ。」



「わー高いねー」


「うおいおいなんでいきなり乗れるんだよ」


「なんか仲良くなったー」


「・・・なんか疲れたわ」


フラネリーが驚き疲れ、真顔で木を眺めだした


「ていうかこの馬の名前酷いな。普通の駄馬って・・・しかも括弧老馬かよ」


「ちょっと可哀想だねー。んー、よし!今日からこの馬の名前はローヴァにしよう!」


「その名前もなかなか可哀想じゃねえか?」


---------------------

ローヴァ・デストリエ(老馬・オス) 


クラス:デストリエ


魔族の中では普通の駄馬。年老いている。


特に不健康でも健康でもない。


毛の色は芦毛あしげ、肌は黒っぽく、生えている毛は白い。

白馬ではないが、かなり白寄りの灰色。


---------------------

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ