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28話 狼蹴散らした。

めちゃめちゃ遅れました。(´・ω・`)

「二人とも死なないでよかったぜ」


「なんで俺に能力を使ったんだ?」


「俺もわからん、なんでか分からないが使いたくなったんだ」


フラネリーが能力を何故使ったか、それはフラネリーにもよくわからなかった。無意識に自分より才能があると感じ生きて欲しいと思ったか、強くなる男、ここで死なせてはいけない男だと思ったか、ただ気が合ったからか。それはフラネリーにもわからなかった。


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「で、全然戻ってこないから来てみたら、これから20匹の皮を剥げですって?・・・あなたの皮剥ぎなら一回で済むんだけど?」


サラが鬼の形相で正座しているフラネリーとラドを見下ろす。鬼の方が怖くないかもしれない。


2人は20匹のバヤウルフに囲まれたが全て切り殺し押し潰し、地面に座り休憩していたところにサラが怒りながら現れ、さっきの状況になったのだ


「ラドに経験値入ったからいいじゃねえか。皆呼んできてくれ。」


「私はやらないわよ・・・皮剥の練習になるから他の子たちにやらせればいいわ」


サラはとにかく楽をするタイプだ。皮を剥ぐ練習になるというカードを切り他人にやらせようとする。


「じゃあ教える方を手伝ってくれ」


練習になるというなら教える人も必要だ、ラドは教える手間を少なくするために教える人が必要だという当たり前の情報を伝えサラに協力させようとする。


「あなたが早く戻ってくればこんな事にならなくて済んだんじゃないのかしら?」


「まあ、確かにな・・・」


「じゃあ私が呼んでくるから皮剥いどいてね」


結局サラは動かない、今回はフラネリーがすぐに帰らなかったという借りがあったが、なくても結局サラのいいようにされる。フラネリーがいつも難しい本来サラが行くべき暗殺ミッションに何故駆り出されるかが少しだけわかっただろう。


「20匹もいるから、丁寧にやるよりサクッとおわらせるやり方にするぞ」


----------

「すごい数ですね、何匹倒したんですか?」


ハインツが唖然としながらラドに質問する。


「20匹だぜ。囲まれた時は終わったかと思ったんだが、普通に倒せたぞ」


「20匹!?それを普通に倒せるなんて・・・私ができるようになるのはまだまだ先でしょうね。」


「ハインツは使ってる武器がクロスボウだからなぁ、俺の武器は多数相手に動きやすい武器だから倒しやすかったっていうのもあると思うぞ。」


クロスボウには一発撃つ毎にリロードが必要になる。それも拳銃をコッキングするのとは訳が違う、戦力になるレベルの使い手は一分間に二発放つ。


「やっぱり私も接近戦ができるようにならないとですかね・・・」


「対人には遠距離攻撃もいいが、いきなり魔物や獣に襲われた時、とっさに出せる武器があるといいかもな」


「一応近接戦闘の訓練もやってみたのですが、私は戦う才能はないようです。昔から運動オンチなんですよねぇ」


「ハインツは金を稼ぐ方が向いてそうだ。戦うのは他人にやらせりゃいいさ。」


「早く文明と金に再会したいですね。」


ハインツは戦闘の話しになると苦笑いがとまらない。


「おーい、ラド。皮の剥ぎ方を教えるから早くこい。」


「俺は元々狩猟をやっていたから皮くらいは剥げると思うが。獣と魔物は違うかもしれないしな。」


もうフラネリーの周りには皆が集まっていた。


「ラドすごいね。こんなに倒せるなんて。」


「あぁ、20匹倒すのは大変だったろ。」


「武器と相性がよかった。それにフラネリーがめちゃめちゃ強かったしな」


「ほらほら、褒めるのはあとでやってくれ。皮を早く剥がないと。20匹分もあるんだ、時間がないぞー」


「それもそうだね」


「こういう四足歩行の魔物の皮を剥ぐ方法は大体一緒だ。ちなみに今回肉は捨てるが、他の魔物の肉は食べれたりするから食べれるは肉も保存しておくといい。」


「グギャ!?」


肉は捨てる。という言葉を聞いた瞬間にメリルの子供(紫ゴブリン)が驚愕する、まるで特上のご馳走を目の前で捨てると言われたような顔をしている。いや、顔はないが、そういう雰囲気だ。


「まさかこの肉食べたいのか!?クソまずいぞ」


首が千切れる程メリルの子供がうなずく。いや、もう首は千切れているが。そういう雰囲気だ。


「魔物にとってはこの肉もご馳走なのか・・・。皮を剥ぎ終わったなら食べてもいいぞ。どうせ売ることすらできないからな。ていうか、食べれるのか?」


「グギャギ!」


メリルの子供は腹から口を出し醜悪な牙を見せ付ける


そこにいる全員が固まった。


そりゃそうだ。いきなり腹が割れて口が現れ牙を見せ付けられたのだから。


「おいおいマジかよお前!!なんのホラー映画だよ!?」


「うわ、僕も知らなかった・・・」


主人であるケンズすら知らなかった。その特技(?)をバヤウルフのクソまずい肉のおかげで知ることができたのだ。


「すげー、超かっこいいー」


なぜかバーヘフトだけウキウキで見ている。


「バーヘフト、どうか頼むからああなりたいとか思わないでくれよ」


なりたいと思ったからと言ってなれると決まった訳ではないが、バーヘフトならなんだかんだできてしまいそうだ。


「変身っぽくてかっこいいじゃん」



「「「「「「あっダメだこれ」」」」」」








「いつになったら皮剥ぎできるんだ」


フラネリーが苦笑いをしたのは、バーヘフトが絶対に体から口を出すと決意した頃だった。



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