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27話 練習と本番

「はぁ、つい集中して長いこと訓練してしまったな」


あたりは暗くなっていた。ラドとフラネリーの訓練結果は10戦全てフラネリーの勝利。


だが最後の戦いは、あと少しで一発攻撃を食らわせれそうなくらいにはラドは急成長した




「あぁ、時間がすぐに過ぎていくな・・・そういえばサラが早く戻ってきてとか言ってたような・・・」



「うっ・・・思い出したくなかったぜ」


苦い物を食べたような顔にフラネリーがなった



「今日ゴブリンの巣を襲撃しに行ったけど、もしフラネリー1人で戦いに行ったら勝てるのか?」



「勝てるな、確実に。ていうかラドとエリーだけでも勝てると思うぞ、余裕で」



当たり前のことだった、フラネリーはこう見えても戦闘のプロフェッショナル。自身で仕事をほとんどしないサラの代わりに何十回も仕事を受けているのだ。


何十回も仕事を受けている、そして今も生きているということは、全ての仕事を遂行し、全員殺してきたということだからだ。


その中には暗殺に気づかれ戦闘になることも多々あっただろう。だが真正面からの戦闘になっても必ず殺し。現場を掃除し毎回逃げれているという実績から見ても、明らかに殺し慣れている猛者だ。



そしてラドとエリーだけで殺せると考えるのもまた当然だった。


ラドはものすごい速度で戦い方を覚え、今ではフラネリーがヒヤッとする事もあるくらいだからだ。


エリーも今回ゴブリンメイジの腕、そして紫ゴブリンの首を綺麗に断ち切っていた。


腕一本を断ち切るのは、実はかなり難しいのだ。剣が骨まで届いたとしても、それを一瞬で切り落とすなんてことは普通の人間にはできない。首を切り落とすなんて、もっと不可能に近いだろう。


この世界の人間なら、しっかり長時間訓練すればできるようになるだろうが、それでもかなりの年月剣を使い、何十もの首の骨が削られた死体を作らないと切り落とすなんてことはできない。


それを剣を持って二日の人間が切り落としたのだから、才能、天才なんて言葉では表現できないし、振り下ろし斬りに関して言えば紛うことなき一流剣士。ゴブリンくらい楽に殺せる。




「やっぱそうか・・・今日の襲撃は連携を取る練習にはなったけど、罠を作ったりと、経験値にたいする時間対効果がかなり低かったよな」



「ゴブリンメイジもゴブリンファイターもたしかに普通のゴブリンよりは全然強いが、ある程度訓練された冒険者ならたいした時間もかからずに作戦なくて無くても倒せるからな。今度からはどんどん普通に倒すと思うぞ。」




「ハイムフォンの霊薬は常備しておいて戦うときに使うが、霊薬を準備しておけばもう十分って感じか。

明日からはどんどんゴブリンを倒したいな」



「この森にはゴブリン以外にもエウスィチンギアーレとか、バヤウルフっていう魔物もたぶんこの付近にいる。」



「どんな魔物なんだ?」



「エウスィチンギアーレは黒い突撃してくる魔物だ、鼻付近に角がある、そこまで大きくないな、体長1mくらいだ。バヤウルフは肉がとてつもなくまずい狼だ。野生の狼とたいして変わらん、肉がまずいだけだ」



「肉がまずい狼だと魔物にされちまうのか、普通の動物も一応いるんだな」



「ラドの知っている普通の動物が俺らの知ってる普通の動物かわからないけどな。バヤウルフはすばやく連携力がある。少なくとも3匹で行動してるだろうから気をつけなくちゃいけない。エウスィチンギアーレは直線的に突撃してくるから、突撃をかわして攻撃するか、突撃が終わって硬直する間に遠距離から攻撃するとかがいいと思うぞ、エウスィチンギアーレの肉は硬くて臭いが、しっかり調理すれば食べられる」



「食べられるのか、それはいいな。もし街に出てうまくいかなかったらこの森で生活してもいいな。今日はゴブリンの巣に行くまで一回も魔物と出会わなかったんだが、そんなに魔物と出会わないのか?」




「魔物も普通にいるが、黒狼神の寝床に近いからあんまり魔物がうろついてないんだろうな。ゴブリンの巣を見つけた時はよくこんなに近づいてきたなと変に感心しちまったぜ。あとはダンジョンとかがあるな、ダンジョンには魔物がいっぱい存在するが、人気のダンジョンだと人が多いから微妙だな」




「ダンジョンなんてのが存在するのか、もしかしてお宝とかめちゃめちゃ強い武器とかが手に入ったりするのか?」




「武器やアイテムが手に入ることは本当に稀だがある。大抵強力な武器なんだが、デメリットも大きいんだ。ベテランの冒険者は癖のなく耐久力のある武器を使ってるのが多いな。たまに変な癖のある武器を使いこなしてる冒険者や傭兵もいるが、まあ、ほとんどいない。大体宝箱から出るのはゴールドとか、金銀財宝!って感じのだな。」



「夢のねえ話だなぁ」



「そんなことねえよ、金が手に入るんだ。それ目当てで一発当ててやろうって奴は結構いるぜ。大抵死ぬけどな」



「それもそうか。俺らも森を出たら金を稼がないといけないな。魔物を労働力として利用でいきないだろうか」



「魔物を労働力にか?魔物を操れる能力があるならそれもありかもしれないが、それなら奴隷を買ったほうがいいだろうな」



「奴隷?奴隷制度があるのか、それはいいな。楽だ」



「奴隷には主人と魔道具で契約するから逃げることもできないし、刃を向けてくることもない。ある程度金がある奴はみんな買ってるな」



「そういや今は大戦後なんだっけ?奴隷がかなり流れてきてるんじゃないか?」




「あぁ、子供も流れてきてる。子供は性奴隷にしてはいけないっていう決まりが一応国で作られてるが、性奴隷じゃなくても普通の労働をひたすらさせられる奴隷にされるのは少しかわいそうだな。今はかなりの人数が流れてきたから結構安くなってると思うぞ」




「安くなってるのか、今買って労働させて値が戻ったときに売ればかなり儲けれそうだが、買占めとかはおきないのか?」



「買い占めれるほど金を持った組織はさすがに存在しないな。あと買い占めると他の奴らから恨まれるだろう、恨まれるほうが損だろ?」



「それもそうだな、少しづつ買って売る奴はいるだろうが、そんなのじゃ値段はつりあがらないか」



「結構な人数今回は流れてきたからな、帝国が村を襲って全員掻っ攫ってきたんだよ。ダンガルシアのほうはたまらないだろうな。」



「ダンガルシアはまだ滅んでないのか、属国くらいにはなりそうだが」




「ダンガルシアはダンガルシアで帝国に相当損失を与えてるはずだ。ダンガルシアは兵士が強いからな、帝国が雇った傭兵とか、育ててた帝国兵士は相当死んだだろうし、それに雇った傭兵が死んだら金を追加で払わなくちゃいけねえ。そのせいで金が相当なくなってるだろうぜ」



「そんな時に黒狼神と戦おうとしてるのか・・・」



「なんせ次のチャンスは1000年後だからな。帝王が出てきたとしても、幼少期じゃない通常状態の時には絶対にかなわないだろうからなぁ」



「そんなに強いなら、なんで黒狼神は他の土地神を攻撃しないんだ?」



「戦うことを提案した人が昔いたんだがな、なんか面白くなくね?って言われたって言ってたよ」



「黒狼神はなに考えてるかよくわかんねえな。この森に人を呼んで国を作れば黒狼神は相当強くなれるだろ。絶対他の国から攻撃されなくなるだろうし」



「さっき提案して断られた人がそれも提案したんだけどよ、めんどくさい。って言われたって言ってたぜ。だけどお前らなら黒狼神と相性がいいだろうから、国も作ろうと思えば作れるのかもなぁ。なんとなくだがそんな気がするぜ」



「その時はフラネリーに大将を任せるしかねえな!」



「ハハ、それもいいな!・・・もうそろそろサラが本気で怒ってこっちにくるかもしれない。帰るか」



「でもこいつらを殺してからじゃないと帰れなそうだな」



ラド達の周りを20匹以上のバヤウルフが取り囲み、40個の黄色い目がラド達を覗いていた



「俺の本当の能力を教えてやるぜ。俺の能力は身代わり。能力をラドに使った。もしラドが確実に死ぬ攻撃を受けたら代わりに俺が受けることになるから絶対に攻撃を食らうなよ?」



「嘘だろ!?さっさと能力解除しろ!!」



「もう解除できねえ、ほら来るぞ!!!」


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