神様と心理学者の対話
神様「人間には、未知なる力がある。」
心理学者「どんな力です。まさか、超能力などと言い出さないねくださいね。」
神様「もちろん、超能力もある。しかし、それを自由に使いこなせる人は、極わずかだ。それよりも、誰にもある力だ。」
心理学者「どんな力です。」
神様「まず、生命の力だ。この力は、エントロピーという流れを遡る力だ。この宇宙は、平穏は世界に落ち着いて行こうとする力が働いている。生命のいない星では、すべてが、平坦になっていく。しかし、生命は、全宇宙に働くエントロピーの力に遡って、生命を形つくろうとする。そして、生命が終わるとき、体は腐り、朽ち果てていく。」
心理学者「生命の力ですか。まあ、不思議な力ですよね。たしかに。でも、そのエネルギーの源泉は、太陽のエネルギーですよね。太陽のエネルギーを活用して、植物が光合成し、酸素や栄養素を生み出して、それらを食べて、生きているさけですよね。」
神様「たしかに、太陽の力は、この地球の生命を支える根源的な力だ。太陽のエネルギーなくして、生命は維持できない。」
心理学者「では、生命の力は、太陽の力の副産物ということになりませんか?」
神様「お前は、アホか?」
心理学者「エ! 神様はいまなんていいました? アホ、アホ この天才心理学者と呼ばれた私を、アホと呼んだのですか? 名誉毀損で、訴えてやる!」
神様「ますます、お前は、アホだ。手に負えん アホだ。」
心理学者「また、言った!」
神様「わしは、今、アホとの戦いを始めなければならんのか?まったく、どうしたらいいんだろう。」
心理学者「・・・」
神様「太陽の力が、生命の力以上の存在ではないのは、わかるだろう。なぜなら、太陽の力が、生命の力を上位にあるわけではない。生命の力が、太陽の力を利用して、生命の力を拡大している。社会に例えるなら、人間とお金の関係のようなものかな。お金がないと現代生活は不便で困ることになるが、お金が人間以上の存在ではないのは、確かだ。生命のエネルギーは、自己を成長させ、そして、子孫を生み出す力でもある。そこには、個や種、子孫という不思議な力が込められている。」
神様「そして、もっとすごい力を物質の体を維持し、成長させるだけではない。個性や精神というものが存在する。」
神様「調和のとれた花の美しさは、だれが、考えたのだろうか?」
心理学者「花が勝手に、自分の姿を決めたにちがいないでしょう?」
神様「花が、自分勝手に決めることなどできるだろうか。生き残るためには、昆虫の力も必要だ。動物に食べてもらうことで生き残る植物もいる。」
心理学者「それは、植物数億年の歴史が生み出した結果です。」
神様「なんの意思もなく、無秩序の混沌の世界から、産まれたのでしょうか?」
心理学者「自然の美しさを考えると、なんらかの秩序があるといえるかもしれませんね。」
神様「こういうと、きっと、反論がでると思うが、花は、自分の美しさを知っているのだ。そして、自分が、自然を愛で、人間の愛されることを知っているのだ。」
神様「さらに、このように言うと、ますます反論がでてくるとおもうが、この地球がユートピアになるときに、この地球を美しくかざるために、存在していることを知っているのだ。」
神様「さらに、驚くことをいうとだな、花は、根源的な神様は、この地球がユートピアになるために、用意したものなのだ。」
心理学者「根源的な神様 おとぼけ神様以外にも、へんな神様がいるんですね。」
神様「わしは、下っ端の下っ端の神様だ。だから、気分は、人間に近い。このユートピアにほど遠い地球にいられるのは、下っ端の下っ端の神様だからだ。根源的な神様は、大宇宙の存在を根源的に支える大神様なのだ。その神様がすべてを造ったのだ。」
心理学者「そうきましたか。やはり」
神様「やはり? なにか、予想していたのかな?」
心理学者「おとぼけ神様が言いたいのは、おとぼけ神様の背後には、根源的な宇宙の大神様がいるっていいたいんでしょ。お偉いことで! さからうと、とんでもないことが起きるといいたんでしょ。」
神様「根源的な神様の力は、この宇宙全体に働いているし、この花にも働いているし、お前にも働いている。だから、お前の背後にも、根源的な神様がいる」
心理学者「ぼくも、そんなに偉いというわけですか?」
神様「お前も本当に偉いのだ。なぜなら、生命の力を駆使して成長し、自由意志と思考する力を駆使して、人間の不思議を探求しているではないか。それを偉くないなどとは、言えないではないか?」
心理学者「神様は、ほめ上手ですね」
神様「わしは、ほめているわけではない。事実を述べているのだ。」
心理学者「事実ですか」
神様「そうだ。生命の存在する星と存在しない星は、まったく違う。この違いは、驚くべきほどの違いだ。
星のエネルギーが、まったく異なるのだ。なぜだろう。死する星と生命に満ちあふれた星は、まったく違うのだ。その違いこそが、生命の力の違いなのだ。」
心理学者「地球はとても、生命の力にあふれていると。」
神様「そうだ。地球に住む人間は、他の星にいくことはほどんとできないが、この地球は、宝石のように光輝いているのだ。まだまだ、十分とは言えないが、それでも、光り輝いている。ユートピアになった時には、本当に、大宇宙のすべてが、祝福するほどの輝きを放つのだ。」
心理学者「ユートピアに成ったときですか?でも、その前に最後の審判が来るっていっていますよ。最後の審判が来ないと、ユートピアに成れないらしいですよ。」
神様「最後の審判か。そういえば、そのような考え方が蔓延っているなあ。たしかに、現在の状態から簡単にユートピアになれそうにもない。この100年を考えてみても、2度にわたる世界戦争もあったし、そのほか数えきれない戦争があった。そしても、今もある。こんなに豊かな星の上に住んでいるというのに、どうして、ユートピアに成らないのか不思議なくらいだ。まだまだ、たくさんの混乱を解決しなければならない。あまり大きな争いもなく、ユートピアが建設されることを祈るばかりだ。」
心理学者「あの、最後の審判は、あるんですか、ないんですか?」
神様「あるかもしれん、ないかもしれん。ワシにはわからん。」
心理学者「わからないことがあるんですね。」
神様「2度に渡る世界戦争を、誰が予想しただろうか。あの地獄のような戦争を。これから、起らないと誰が言えよう。あのような戦争が起こさない叡智を現代の人間がもっていることを祈るばかりだ。」
心理学者「根源的な神様にもどうにもならないんですか?」
神様「どうにもならんのだ。なぜなら、根源的な神様は、人間にたくさんの力を与えたのだ。たくさんすぎるほど、たくさんの力を与えたのだ。自力、いろいろできるように。」