予想外の結末と怒りの矛先
たまに思いますが、ほのぼのとは、何なんだろう……作者的な、ほのぼのと世間のほのぼのが違うと感じるこの頃です。
多分!ほのぼの系ダークファンタジー
人獣転生★ボクが世界をこわします☆
頑張っていきます!
ソウマ達の必死な叫び声を聞きラシャは不適に笑った。
「羨ましいわ、コウヤ…… 私にはこんな風に声を掛けてくれる人なんていなかったもの…… 」
そう言うとラシャは短刀を再度強く握りコウヤの背中側から心臓の位置を確かめた。その光景にミーナとソウマは歯を食い縛り、何とか助けようともがいていた。しかし、心臓めがけ短刀が突き付けられたのだ。コウヤは刺された瞬間に叫び声を上げながらミーナとソウマの前まで這いずってくると二人に必死で訴えた。
「お願いだ……僕の代わりにラシャを殺して、僕をこんな目にあわせたラシャを殺して!」
その途端にミーナとソウマの体から痺れがなくなり二人は自由に動ける様になった。しかし、二人はラシャに攻撃をしようとしなかったのだ。
「何で、二人ともラシャを倒してくれないの僕がこんなに苦しんでるのに……痛いよ……悔しいよ」
そう言い苦しむコウヤにミーナは指を指して一喝した。
「本物のコウヤはこんなに情けなくないのよ! もっと格好いいし、何より人に敵討ちなんて絶対に頼まないわ! コウヤ=トーラスは遣られたら自分で遣り返す子なのよ!」
「確かに、コウヤが他人に仇討ちを頼むなんて有り得ないな、そんな事頼むなら生きて強くなる道を探すだろうからな」
二人の言葉を聞きラシャは笑っていた。
「ははは、もう消えてよいぞ」
次の瞬間、目の前にいたコウヤの姿が消えた。その途端に視界が暗くなったかと思うと楽しそうな話し声が二人の耳に聞こえてきた。ソウマとミーナが目覚めた場所は馬車の中だった。
二人の周りには花や薬草といった薫りの強い植物が大量に置かれていた。二人は起き上がり外から聞こえた声に向かい歩いていった。そこは確かにラシャに案内された中庭であったが最初に見た其れとは大分印象が違っていた。
生命力に溢れ綺麗に花が咲き乱れる中庭には、清々しい香りと風が木々を揺らし自然と奏でられる音色が一面に広がるその光景はまるで別世界の様な印象を二人に与えた。そしてソウマとミーナは話し声が聞こえてくる中庭の中央を目指して一気に走り出した。
そんな二人に気がついたコウヤが大きく手を振っていた。
「おーい! ミーナ、ソウマ! 大丈夫ぅぅぅ!」
手を振るコウヤの横にはダークエルフとおぼしき少女とパンプキンが静かにお茶を楽しんでいた。
「御二人とも気がつかれたのですね。いやぁよかった。目覚めなかったらどうしようかと思いましたよ」
パンプキンはそう言いお茶を飲んでいた。
ミーナとソウマは訳がわからなかった。自分達に何が起きたのかさっぱり分からなかったのだ。
「説明してあげてよ、ラシャさん」
コウヤがそう言うとダークエルフの少女が軽く頭を下げたのだ。
「すまなかった。まさかランタンの友人とは知らずパンドラを使ってしまった。すぐに閉じたが間に合わなんだ、許してくれ」
ミーナとソウマは先に禁忌の森に入りパンプキンの結界により物理的にも魔力的にも守られていたがロストアーツから発せられる匂い煙りなどは、防ぎきれなかった。
コウヤとパンプキンがアルカ達の馬車で禁忌の森に入った時には既にパンドラの靄により、幻覚を受けてしまっていたのだ。パンプキンが直ぐにパンドラを閉じさせたが其れでも、十分すぎる程の靄をミーナとソウマは体内に吸い込んでしまっていたのだ。
ラシャが直ぐにパンドラを使い無罪にしようと試みたが既に裁判が始まっている場合、無罪であっても裁判が終わるまでは自由にすることは出来ないとパンドラに告げられたのだ。
その為、ラシャは急ぎ中庭に二人を運ぶと癒しの効果のある花や薬草で二人の精神をなるべく保てるようと必死に集め出したのだ。
そうしなければパンドラの靄を薄められなかったからだ。コウヤはダルメリアとカルトネにも咲いている花を必死に探した。
普通なら見つからないだろうがダルメリアの加護で嗅覚も鋭く為っていたコウヤには食材を探すのと同じくらい簡単に見つける事が出来た。
幻覚の中で直ぐにコウヤが偽物と理解できたのも、ラシャがパンドラを開ける姿を見せたのも全てはコウヤとラシャの働きがあったからである。
そしてパンプキンが二人の魔力とコウヤの魔力を繋ぐ事で二人の見ている幻覚をコウヤに関わる者達にした事も二人が直ぐに幻覚から覚めた理由の1つであった。
パンプキンがミーナとソウマの魔力を繋ぎコウヤに繋ぎ終わると全ての準備が整いコウヤ達もやっと一息つけたのだ。
しかし、コウヤ自信も禁忌の森に入った直後に靄を吸い少しの間だが幻覚を見ていた。その際にコウヤを心配して駆け寄ったラシャにコウヤが抱きつき一言だけ言葉を発した。
「母さんごめんね……やっと謝れた……」
そう言いコウヤは自分の力で幻覚に打ち勝ちパンドラから無罪を言い渡されたのだった。
三人の魔力を繋いだ際にコウヤの見た幻覚の一部がミーナとソウマに流れたせいで一時的に危うくなったが、その光景があったからこそ偽りだと直ぐに見抜けた事もまた事実だった。
そして目の前のダークエルフがミーナとソウマに改めて会釈をした。
「初めまして、改めて自己紹介をさせて貰う。妾は“新生 王国エレ”の女王 ラシャ=ノラーム 一世。この度はランタンの友人とは知らずに大変失礼した。心から謝罪致します」
幻覚の中に見たラシャとは違い見た目は16歳程度にしかみえないラシャがミーナとソウマにそう言い会釈をした。
エルフは12歳を過ぎると10年に一度しか年を取らない、その為ラシャは幼い姿のままだったのだ。
人間達はそんなラシャの姿を恐怖心と結界により歪な姿に見えてしまい、何時しか美しい黒いエルフと言われるように為っていたのだった。
そして、ミーナ達の前に無邪気に笑いコウヤとパンプキンと共にティータイムを楽しみながら焼き菓子を美味しそうにほおばる少女こそが、禁忌の森の黒い剣と言われ恐れられている黒いエルフ、ラシャ=ノラームであった。
「いやぁ、しかし二人が死んだらどうしよかと肝を冷やしましたよ、よほほほほ」
そう言いパンプキンがお茶を飲んでいた姿にミーナの怒りが爆発した。
「あんたのせいでしょうが…… このカボチャがァァァ! ウリャア!」
ミーナの拳から放たれた強力な一撃がパンプキンに炸裂すると予期していなかった一撃にパンプキンは吹っ飛ばされたのだ。
「大丈夫かパンプキン!」
慌てて、ソウマはパンプキンの元に走っていった。そして、溢れ出した怒りの矛先はラシャにも向けられたのだ。
「私を怒らせると……どうなるかアンタにも確り教えてあげるわ!」
「ひぃ! 妾もなのか!」
ラシャ自身もこの展開は予想していなかった。直ぐにパンドラを取り出そうとしたが、既にミーナの拳がラシャに迫っていたのだ。
ラシャは間違いなく殴られると眼を瞑り覚悟を決めた次の瞬間、鈍い音がして眼を開けるとコウヤが間に入り、ミーナに殴られていたのだ。
「「ええぇぇぇぇ!」」
ラシャとミーナが同時に声をあげた。二人がコウヤに駆け寄るとコウヤは一瞬笑ってから意識を失ったのだった。
この展開を前回から想像した人は、作者と同じ思考なのかも知れませんね(*ノ▽ノ)
次回は一気に急展開!読んで下さい。予想してください。
そして何かあれば教えてくださいね。(〃^ー^〃)
読んでくださった読者様と作者様方に感謝です。
感想や御指摘、誤字などありましたらお教えいただければ幸いです。
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