絶望の先にある希望1
皆様ありがとうございます。
まだまだ力不足ですが、修正しながらも頑張って書いてます。
此れからも『ボクセカ』よろしくお願いいたします。
アンデットは門を塞ぎ其れは軈て一つの壁になり完全にダンジルの出入り口を塞いだ。壁の向こうからは未だに悲鳴が響き渡る。
「駄目だ! 早く中に戻らないと」
慌てて中に戻ろうとするコウヤを二人が全力で制止した。
「今は諦めなさいコウヤさん。あの中に入るなんて無茶です」
「そうよ! 今行ったら、食べられちゃうわよ!」
二人に直ぐに取り押さえられ、身動きが取れなくなる。
「今行かなかったら、あの子のお兄ちゃんとお母さんが危ないんだ! いいから離してよ!」
その言葉を聞いたパンプキンはコウヤを放した。
そしてコウヤは立ち上がり、走り出そうとしたその時だった。
パンプキンがコウヤの前に即座に移動するとコウヤの頬を叩いたのだ。
バチンッ……
鈍い音がなり、コウヤに向けられたパンプキンの手は震えていた。コウヤ自身も何が起きたのか理解が追い付いていない様子だった。
「コウヤさん、今の御無礼を御許し頂きたい。ですが! 貴方が一人でダンジルの中に戻ってどうするのです! そんなに死にたいのですか!」
パンプキンは強い口調でコウヤに声をあげる。ミーナは互いの辛い気持ちが分かった。助けに行きたいコウヤとそんなコウヤを護りたいパンプキン。
どちらも間違っていないのだ。間違ってはいないが……割り切れるものでも無かったのだ。
パンプキンの言葉に下を向き涙を流すコウヤ。其れを横で支えるミーナ。パンプキンはいきなりミーナに赤子を預けたのだ。
「本当に助けたいのですか? あの中はコウヤさんの見たことの無い地獄が広がっているのですよ」
パンプキンは何時もの優しい口調でコウヤに対して尋ねた。そしてコウヤは頷いた。
「死ぬ気ですか?」
パンプキンの優しい口調から出たそこ言葉は強い口調の時よりも重みを増しているようにコウヤは感じた。
「死ぬ気は無い。ただ……助けたいんだ、この子を一人にしたくないんだよ」
いっぱいいっぱいの言葉だった。本当なら凄く恐ろしいだろう。しかし、コウヤは一人ボッチの方が何倍も怖い事をしってる。
「この子を一人に何てさせない! この子のお兄ちゃん……妹を助けてって、殺されちゃうって。血だらけで僕に言ったんだ!」
パンプキンは深い溜め息を吐いた。そして、ポケットから、あるものを取り出すとミーナに手渡した。
「え、何よこれ?」
其れは哺乳瓶とお茶であった。パンプキンはミーナに赤子の為に毛布など、最低限の物を取りだし渡した。
「少しコウヤさんの我が儘にお付き合いして参ります。ミーナさん。ちゃんとコウヤさんは連れ帰りますので待ってて下さいね」
そう言うとパンプキンはコウヤを抱えダンジルの壁の上へと飛んだのだ。
「うッ!!何この気持ち悪い臭い……」
余りの悪臭に僕は鼻を手で隠した。
「死人つまりは、アンデットの臭いです。死んで時間がだったアンデット特有の臭いです」
パンプキンはそう答えると直ぐに次の屋根に移動した。
「コウヤさん。私のマントは二人で空を飛んで移動する事は出来ません! なので屋根づたいを移動します。落ちないようにしてくださいね!」
コウヤは確りと掴まるとパンプキンは更にスピードをあげた。高い屋根の上から見たダンジルの光景は、コウヤの脳裏に焼き付いた。
至る所で火の手が上がり。倒れた人間に対して無用な迄の攻撃を続けるアンデット達。既に腐りきっているのだろうか、凄まじい悪臭がダンジルに立ち込めていた。
其れと同時に人々が流した血液の鉄臭さと生臭さが混ざり合い吐き気を催しそうになる。不思議な事にこの臭いはダンジルの外には漏れだしては居ないようだった。二人も中に足を踏み入れるまで、この悪臭に気付かなかった。そして二人はダンジルの病院を目指した。
「ダンジルの病院は直ぐ其所です。急ぎましょう」
次々と屋根を移動していった。しかしパンプキンの足が止まった。
「どうしたの?」
急ぐと言っていたパンプキンの足がピタリと止まった事に嫌な予感がした。
「コウヤさん……手遅れです。引き返しましょう」
「何でさ! 直ぐ近くなんでしょ」
その言葉にパンプキンは残念そうにゆっくりと答えた。
「あれが目指していた病院です」
パンプキンの指差した先にあったのはアンデットの群れが至る所から顔を出し、逃げ惑う人すら居なくなった病院の姿をであった。
「そ、そんな……せっかく此処まで来たのに!」
コウヤは絶望した。よく見れば町に逃げる人影は殆んど居なくなっていた。
一旦広い屋根の上に移動した二人、その際ポケットからパンプキンに貰った鈴が落ちたのだ。そして、確かに音が反響したのだ。
次の瞬間、彼方からも音を鳴らしてきたのだ。
「パンプキン! これって?」
直ぐにパンプキンの方をむいた。
「どうやら、生存者がいますね」
「いこう! もしかしたらあの子も居るかもしれないよ!」
コウヤを再度抱き抱えるとパンプキンは鈴が反響した方角に向かった。
ダンジルの夜に響き渡る悲鳴は既になく、コウヤは絶望した。
そんな中に反響した鈴の音、其れは希望か?絶望か?
次回も宜しければ御越しください。
読んでいただきありがとうございます。
感想や御指摘、誤字などありましたらお教えいただければ幸いです。
ブックマークなども宜しければお願いします。




