手加減なし!
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僕は、リングの上で魔力を集中させた。
魔力が外に漏れないように、慎重にギリギリまで体内に魔力を収縮する。
かなり扱えるまでに苦労したが、此所1ヶ月のソウマの修行とミーナの獣人の知恵を得て、やっと使いこなせるようになったのだ。
ソウマに、この事を話したらソウマは驚いていた。
「コウヤお前は本当に大魔術師、いや、国家魔導師にだってなれるかもしれない! お前は魔術の才能に溢れているんだ、羨ましい限りだ!」
ミーナにも同じように言われた。
「君は凄いよ! 6歳でこんな才能があるなら将来、間違いなく大物になるわよ、私が言うんだから間違いないわ!」
二人からの太鼓判が押される程、この体内収縮は難易度の高い技だった。
しかし、才能よりも二人が驚いていたのはコウヤの並外れた集中力だった。
普通なら、大人であっても魔力を体内に収縮させようとすれば、少なからず、ぶれて然るべきだがコウヤは殆んど、ぶれる事なく魔力を収縮して見せたのだ。
集中している僕に対して、アスモスが何か言っているが余り興味がなかった。
僕が無視するのを見て、アスモスが顔を真っ赤にして怒っているのが分かる。
「おいコウヤ! お前にもう特別クラス行きはないんだから、大人しくギブアップしな! じゃないとまた医務室送りになるぞ? それとも医務室のケモノ女と居たいなら? わざと負けても構わないぜ」
ーーイラッとした。思いっきりイラッとしたんだ!
そして、ラスタ先生が試合開始の合図を出した。
「試合開始!」
それと同時に僕は、土石魔法を発動した。
「ハアァ!〔土は風の力を借りて我が声に耳を傾けよ!舞い散れ!〕土煙」
体内に収縮していた魔力を放出しその魔力を土煙に変換した。
リングには、予め魔法が外に飛び出さないように魔力及び魔法をリングから出さないための結界が張り巡らせてあった。
死に至るような場合でなければ、魔力は外には漏れないのだ。
リングは既に、土煙により外からは何も確認できなくなっていた。
そして、魔力で出来た土煙はアスモスがどんなに振り払おうとも、外に漏れることは無く、アスモスは眼を開けることすら出来なかったのだ。
更に僕はフェイクを使い土煙を激しく舞い散らせたのだ、そしてリング内で体外魔力を全身に発動した。
外からは見えないし、土煙にも魔力が使われているので、他の人からは体外魔力が発動しても感知される事は無いのだ。
「ごめんねアスモス、君に謝らないといけない」
「くそ! 眼があかない! 卑怯だぞコウヤー!」
僕の言葉など、聞く気は無いのであろうアスモスはただ大声をあげ僕の名前を叫んでいた。
「僕は君に手加減する気がないんだ!だからごめん」
コウヤはアスモス目掛けて走り出した!
この1ヶ月に走り込みを繰り返し以前の様に転ぶ事はもう無い。
「ウオリャアァァァァ!」
魔力を使わずにアスモスの腹に一撃を加える!
「ぐぉ、いてえ、ヤりやがったな!」
「次はもっと痛いよ!確りガードしてね、そうじゃないと怪我じゃすまないよ!」
「大地の力よ我が身に宿り……ガハッ」
その言葉にアスモスは急ぎ防御魔法を発動しようとしたがとっさに発動出来る程アスモスの詠唱は早くなかったのだ。
「痛いよ……痛いよ……腹が……ひぐ」
アスモスは詠唱しきれていなかった。コウヤがそれに気づき魔力を拳から解除したが、ダメージは凄まじい物であった、アスモスはジタバタとリングの上をのたうち回っていた。
「次は本当に魔力をのせるから、確りガードしてね?多分、今の100倍は痛いだろうから」
その言葉にアスモスはゾッとした、そして大声で泣きながら言葉を張り上げたのだ。
「ギブアップする! ギブアップ」
外にいたラスタにも聞こえる程の声で叫んだのだ。
「遅いよ! アスモス、君はミーナを馬鹿にしたんだ! 許せないよ」
そして一気にアスモス目掛け走り出しアスモスに拳を突き出したのだ!
拳はアスモスの顔面を手前数センチで寸土めしたが、その拳から伝わる風がアスモスに触れた瞬間アスモスは気を失い放尿していた。
「これで許してあげるよ、でも次はないからね? って聞いてないか、仕方ないな?」
僕はアスモスに水魔法を軽く放った全身が土煙と水で泥々になったのを確認しする。流石にお漏らししたままにしたら可哀想だもんな、僕なりの優しさだ。
リングにラスタ先生が駆け寄り僕は土煙を解除したのだった。
周りの生徒達も何が起きたか分からなかったが土煙が無くなりリングに意識を失い倒れているアスモスの姿は皆に衝撃を与えた。
アスモスは気を失っていたが直ぐに意識を取り戻した。
本人は意識を失う前にお漏らしをしてしまった自覚があったようでばれていないかを凄く気にしていた。
「誰にも言わないから」
小さな声でそう言い僕はアスモスの側をはなれたのだった。
僕は見事に勝利した。
11戦5勝1引き分け
僕は1学年で男子1位のアスモスを倒したそれは特別クラスを目指す者達からしたら朗報でしかなかった。
だが其はコウヤの知らない所で新たな問題の引き金になってしまったのだった。
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