体外魔力の使い方
今日から僕は覚悟を決めた。
その日からは毎日学校から急ぎ帰ると何故か居候の様に毎日家にいるソウマと魔術の修行と武術の鍛練に明け暮れた。
夜は夢の中でミーナから獣人から見た魔術や体外魔力の知識を教えてもらった。
獣人の魔術の知識は人間が考えていたよりも遥かに進んでいる事実に僕は驚かされた。
「君は本当に変わってるわね?普通の人間は私達獣人が魔術や魔力を扱うだけで嫌がるのに?私にその魔術を教わろうなんて?やっぱり面白い子だわねコウヤ」
「僕からしたら獣人とか人間とか関係ないんだ、ミーナに魔術を教えて欲しいんだ!」
ミーナから獣人の体外魔力に対する考え方を今日は学ぶ事になった。
体外魔力を僕は視界としてだけ使ってきたが、本来の体外魔力は感知能力の強化の他に全身の強化や大型魔法などのサポートなど様々な応用が効くことがわかった。
人間が獣人に対して“感がいい”と言ったり“野生の本能”だと言われているが、全ては体外魔力を生まれつき感じられる獣人達の特異体質によるものだと言う事も今回理解出来た、それは体外魔力を扱う僕にとって大きな収穫だった。
その日からは体外魔力を目の代わりだけでなく全身に集めるイメージをする事が修行の1つになった。
そんな事を繰り返す間に次の混合授業の対戦相手が決定した。
ロナと同じクラスで10戦10勝のアラモスであった。
ロナと同じく今だ無敗で特別クラス確定と言われている。
アラモスは武術でもコウヤと同レベルの強さを有しており今回の混合授業でも全ての対戦相手は意識を失ってしまっている。
そして、あの日からロナとは1度も会話がない、むしろ避けられているとしか思えなかった。
毎回授業の度に声をかけるが挨拶以上の会話は無くなっていたのだ。
対戦相手が決まり混合授業が明日に迫った晩の事だった。
ソウマが稽古をつけてくれる際に珍しく母さん抜きで二人で稽古をすると言い出したのだ。
「まぁ、たまには男同士で話したいこともあるか、仕方ないわね」
母さんはあまり気にしていないようで道場を後にしたのだ。
「コウヤ、今から、取って置きの技を教えてやる、今のお前なら出来る筈だからな!」
ソウマが教えてくれたのはフェイクの魔法であった。
少しズルいがこのフェイクは魔法を派手に見せる魔法であった。
うまく使えば戦意を削ったり出来る事と使い方次第では、勝利に繋がる魔法だった。
「コウヤ、無理はするなよ!」
ソウマなりの気遣いであった。
そして今日、混合授業でアラモスと対決する。
夢の中で、ミーナにも怪我をしないようにと言われ心配されたが僕は笑って答えた。
「大丈夫だよ。ありがとうミーナ」
僕は学校で混合授業開始の時間を待った。
そして鐘がなり、いよいよアラモスとの対決する時間になったのだ。
「悪いが勝つのは俺だ!コウヤ」
アラモスはリングに上がるなりコウヤを挑発したのだ!
いよいよ戦いが始まろうとしていた。
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