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亜人と歩む ~瑠璃色王のレクイエム~  作者: 夏カボチャ 悠元
第1章……人獣転生……全ての始まりへ
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ロナの覚悟とコウヤの現実

何時も読んでいただきありがとうございます。(〃^ー^〃)少しの時間が許すなら読んでいってもらえれば幸いです。

 ロナと顔を会わすのが凄く気不味い、むしろどんな顔をすればいいのか、コウヤは、複雑な気持ちに苛まれていた。

 今日は月末に行われる武術と魔術の混合授業がある日であった。


 普段の授業とは違い二時間分をまとめて行われる。この混合授業は普段と違い制限時間などは存在しない。

 存在しないのは、試合自体が直ぐに決まると言う事と普段と違い特別リングを使うからだ。

 その為、混合授業はコウヤ達低学年でも、かなりハードな物になる。


 試合が開始されれば、仮に魔力切れをしたとしても終わりはない。どちらかがギブアップするかリングアウトをするまで試合は続行となる。


 コウヤは今のところ9戦4勝1引き分けとなっている。

 引き分けが付くのは珍しい事だ。コウヤが勢い余って相手の子と一緒にリングアウトしてしまったからだ。


 そして何故、こんなハードな授業をするのかと言うと来年のクラス分けがこの成績で決まるからであった。


 因みに最初の1年は2クラスしか無いのだが2年になると2クラスの他に特別クラスと呼ばれるSクラスとZクラスが存在する。


 Sクラスは各学年から二人ずつ選ばれるエリートのクラスだ。

 こんな小さな村の学校の卒業生からも何人か国家魔導師や魔導騎手が数人出ている。


 その為この特別クラスに入る為に皆は鍛練を重ねているのだ。クラス分けは来年からつまりは二年から始まる。


ーーーーーー

ーーーー

ーー


特別Sクラス(6学年合同魔術及び武術あり)


強化クラス(学年事の6勝以上した生徒のクラス)


ノーマルクラス(学年事の6勝以下の生徒のクラス)


Zクラス(戦績が2勝以下やこれから先の授業に問題が有ると判断された生徒のクラス、落ちこぼれクラスと言われるクラス)


ーーーー


ーーそして今回の対戦相手は今だ無敗のロナだ。

ロナは魔術の他に武術もかなりの腕前でハッキリ言って強敵だ。


 武術だけなら,コウヤは無敗だが魔術が入る事で状況が一気にかわる。


 だが、他の生徒の前では体外魔力は発動出来ないのがコウヤの現状であり、更にハッキリ言うならば、体外魔力を発動しても勝てる見込みは五分五分であった。


 覚悟を決め、構えをとり呼吸を落ち着かせるコウヤは久々の緊張感に包まれていた。

 対戦相手がロナである事実は、コウヤの知らぬ間に気持ちを動揺させていたのだ。


 そして、試合開始の合図が出た瞬間。

「コウヤ、ゴメンね」

 ロナがいきなりそう言うと、わざと距離を詰めたのだ。


 いきなりの事に焦るコウヤは、僅に一瞬だけタイミングがズレたのだ。


 その一瞬の隙にロナは魔力を拳周辺に集めて魔動撃を発動するとコウヤの腹部目掛け打ち込んだのだ。


 そこからは一方的であった。

 一撃ずつ発動される魔法は小さい物だったが、それをロナは的確に拡散して自分の拳に魔力を随時装備する強化魔法と射出魔法を合わせた中級者魔法にして撃ち込んできたのだ。


 それを更に魔動撃が加速させ威力を何倍にも引き上げたのだ。


「私は……特別クラスに行くわ……だからゴメンね……コウヤ」


 意識は無くなり、その場で試合は終了となった。


 この試合の後コウヤは直ぐに医務室に運ばれた。

 そして、意識を取り戻した時に最初に見たのはミーナの心配そうに見詰める顔であった。


「僕は……一体どうしたんだ」

「君は混合授業の試合で意識が無くなるまでロナちゃんにブチのめされたのよ、覚えてる?」

 ミーナの言葉に自分がどうなったのかを理解した。


「あはは…ロナは手加減知らないから、いたた」

 無理矢理笑おうとしたが唇を切っているのか上手く笑う事すら出来なかった。


 その日はミーナが家まで馬で送ってくれた。

 ミーナが母さんと家にいたソウマに事情を話し謝罪している姿に申し訳無く感じてしまった。


 この世界では、よくある話であり、ミカは謝るミーナを止めてくれた。


 この世界では授業中に死亡する事もある。

 それだけクラス分けは、全ての生徒達に与える影響は計り知れないと言う事であった。


 そして、コウヤ自身もロナとの戦いの中でその現実と今向き合わされたのだった。

読んでいただきありがとうございます。

感想や御指摘、誤字などありましたらお教えいただければ幸いです。

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