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亜人と歩む ~瑠璃色王のレクイエム~  作者: 夏カボチャ 悠元
第1章……人獣転生……全ての始まりへ
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迷う気持ち悲しい気持ち暖かい気持ち

いつもありがとうございます。皆様に感謝感激の毎日です(〃^ー^〃)

 ミーナの話を聞き、僕はもう1つの人達はどうなったのか気になったが怖くて聞けなかった。

 寧ろ、聞きたくなかったのだと思う。


 人が欲望の為に悪魔になる。よくある話だが、その人物と自分が同じ境遇であるなら話は別だ。


ーー自分がもし実験材料にされるとしたらどうするだろう……もしミーナがそうなると知ったらどうするだろう……答えは多分、ザハールと同じだろう。 自分を犠牲にしてもミーナを助けようとする筈だ。だが、本当にそうなるだろうか? 今の僕は話を聞いただけで、こんなに身体が震えている……僕の今の力では何も出来ないと感じてしまっている。


「ちょっとコウヤ、私の話聞いてる?」

 その声に我に返る。


「ごめん、色々考えちゃってた」


 ミーナに素直に謝るとコウヤは、ミーナの顔を見つめた。


「まぁ、確かに楽しい話では無いわね、でも世界は、まだ真実を知らずに迷信を信じて紅眼の子供を殺しているのも事実よ、それが人間達の常識なんだと知った時、私も悩んだわ」


 話していると、うっすらと空の色が変わりだし太陽の光が広がっていく。


「もうそんな時間なのね、コウヤ先に行くわ、また後で話しましょ」


 そう言うとミーナはウィンクをして笑顔を見せると姿を消した。


「僕も、もう起きないといけないんだな」と思い意識を集中させた。


 普段は自然と眼が覚めるのを待つのだがミーナのように自分の意思で起きてみようとするコウヤだったが、「やっぱり簡単にはいかなかったか」と夢の中で現実に向き合う事になったのだった。


 そして、知らない間に眼が覚めた。


「はぁー、よく寝たような? 寝てないような……とりあえずお腹空いたな」


 朝御飯を求めて下に降りていく。


下に降りたコウヤを待っていたのは母さんとソウマであった。


「ヨオ、コウヤ具合、大丈夫か?」


 ソウマはそう言うと、席に誘導してくれた。昨日コウヤが森に来なかったので心配になり夜に様子を見に来たそうだ。


 昨日、聞いた声はソウマの物だったとその時わかった。

 ソウマに昨日の事を相談しようかと考えたが結局相談するのを辞めた。


 ミーナの話を聞いていた際にリンク出来てしまったが為に不幸になった人がいた事実、それが相談しようとする気持ちに待ったをかけたのだ。

 ソウマを信用しているのに恐く感じてしまっていたのだ。


「コウヤ難しい顔になってるな、何かあったのか?」


 ソウマがそうコウヤに訪ねた時だった。


 ぐうぅぅぅぅ


 立派な腹の虫がコウヤのお腹から聞こえたのだ。


…………暫しの沈黙。


 ミカが二人前の朝御飯をテーブルに並べた。


「さあさあ、二人とも朝御飯を食べて! 食器が片付かないわ」


 コウヤには焼きたパンと目玉焼きが二つ。

ソウマにもパンと目玉焼きを三つ出された。


ソウマがコウヤの皿に自分の目玉焼きを一つ渡した。


「昨日は食べてないんだ! 俺は二つで大丈夫だから確り食べて、学校頑張れよコウヤ」


 そう言われ、急ぎ朝食を済ませた。


「母さん、ソウマ、ありがとう。調べたい事が有るから今から学校に行くよ。ご馳走様でした。行ってきます!」

 

 慌ただしくリュックを手に取り学校に向かった。


 二人はコウヤを笑顔で学校に送り出したのだった。


 当たり前に感じていた事が当たり前じゃなくなる事もある事実を知り、コウヤは今ある当たり前が暖かいと言う事実が無償に嬉しく感じていた。


 昨日の一件もあり、ロナと顔を会わすのが少しだけ気不味いと思いながらも、正面のロナの家を訪ねるコウヤ。


 訪ねるとロナのお母さんにロナはまだ寝てると言われた。

 コウヤは自分が思っていた以上に早く起きて学校に向かっていたことに気づかされた。


 ロナのお母さんに挨拶を済ませ、その足で学校に向かう事にした。

 学校までの道のりは日に日に楽になっている様に感じていた。

 体外魔力を通して見える事がこれ程僕の生活と世界を変える何て想像もしていなかった。


 この力を偶然使いこなせたからこそ、今がある本来なら何十年かけても出来ない人も要るんだと思うとコウヤは、今の喜びは少し複雑だと感じてしまった。


 知れば知る程、コウヤは魔力や魔術の虜になっていくのを肌に感じていた。


 コウヤは、他の子達とは考えが少し違う事に気づきはじめた。


 学校に着くとその足でミーナの待つ医務室に向かった。

 医務室は何時もの様に鍵が開いたままになっていたので入るのに困る事はない。


 来るのを感じたのかミーナが扉を開けてくれた。

 流石にビックリしたがミーナは笑いながらコウヤを招き入れた。


 聞きたいことが山積みのコウヤは、授業開始までの時間をミーナと話すことにしたのだった。


 ミーナと話していて分かった事は人間社会と獣人社会の考え方の違いなど、聞けば聞く程興味をそそられる物ばかりであった。


 あっと言う間に時間が過ぎ教室に戻るコウヤ。


 その日は武術と魔術の両方がある日だった。


 失敗をしない為に気合いを入れたるコウヤは知らなかった。今日の魔術の対戦相手はロナである。

読んで頂きありがとうございました。感想や指摘、御意見などありましたら遠慮無く送ってください。


読者様の意見が聞ければ幸いです。

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