表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
亜人と歩む ~瑠璃色王のレクイエム~  作者: 夏カボチャ 悠元
第二部 魔界偏 新に掴むべきもの
172/362

ジュレム大陸上陸目指すはジュネルバ1

 ジュレム大陸の港の国レクルアから次々に船がヴァルハラに向けて出港して来るのを確認すると全ての船がピタリとその場で停船した。


 ジュレム大陸から出た船はレクアルの漁船であり、敵でないからこその停船であった。もしも、レクアル軍の船であればヴァルハーレンは戦闘の意思ありと判断し攻撃をするつもりであった。


 ヴァイキングを刺激したくないと言うレクアルの考えが戦闘を回避する結果に繋がった瞬間だった。


 漁船にはレクアルの代表を名乗る男が乗船しており、ヴァルハーレンはその男と部下達をヴァルハラに招いたのだ。


 招いたと言えば聞こえは良いが実際は脅迫に違い。レクアルの代表達は海に浮かぶ城のようなヴァルハラをひたすらに登る事になる。


 甲板まで登りきったレクアルの代表達は初めて眼にする本物のヴァイキング達を前に震えながら、レクアルの王の言葉を伝えた。


 内容は敵意が有るかの有無、目的、上陸の有無、と言った基本的な質問であり、ヴァルハーレンの機嫌を損ねないように喋るレクアルの代表はヴァルハーレンから眼を逸らす事も出来ないくらいに怯えきっていた。


「我等、ヴァイキングは戦いに来たのではない。しかし、事と次第でそうならないとも言えなくもない」


 ゆっくりとした口調で語るヴァルハーレンは、ジュネルバに向かう事、更にコウヤの妹アイリの安否の確認とその身柄の引き渡しを要求する事を伝えたのだ。


「うぬ等が我等の進行を停めるのは構わぬが、我等は力で突き進む! ジュレムがセテヤ大陸に宣戦布告した事を忘れた訳ではあるまい」


 レクアルの代表達に緊張が走る最中、コウヤが「レクアルには手を出さないから入国させて欲しいんだけどな?」と口にした。


「ガハハハ! だそうだ! 今すぐに決めよ。我等はミカソウマの王、コウヤ=トーラスの為に動いているまでだ!」


 ヴァルハーレン達ヴァイキングは、レクアルに手を出さないことを誓い、契約の書にそれを残すと入国が許可されヴァルハラを含むヴァイキングの船団が港を埋め尽くした。


 レクアルの港からは人影が消えて、まるでゴーストタウンのようになっていた、ヴァルハーレンはそれを好都合とばかりにヴァイキング達を港に配備したのだった。


 レクアルの町をコウヤ達一行が進んで行くと至る所から視線を感じる、それは恐怖と敵意からなる視線であった。


「なんか僕達、歓迎されてないね」


「まぁ仕方ないわよ。いきなり大船団が町に現れたら誰でもそうなるわよ」


 コウヤとミーナの会話は間違っていなかった。ジュレム大陸とセテヤ大陸には其ほどに埋められぬ壁があり、それは互いに理解している事実であった。


 レクアルからはヴァイキングの連れてきた馬車に乗り、ジュネルバを目指す。


 レクアルで乗り物を調達するのは困難と判断したヴァルハーレンが用意していた馬車は巨大な馬が八頭程で引くタイプの物であり、積んできた馬車がレクアルの港に降ろされた。

 ヴァルハーレンの部下達を乗せた14台の馬車とコウヤ達とヴァルハーレンの乗る馬車の合計15台の巨大な馬車がレクアルの町を一斉に駆け出すと地鳴りはまるで地震の如くレクアルの町を震動させた。


 ジュネルバまでの道程はレクアルから三日。

 最初のジュレム大陸の夜を迎えたコウヤ達は一旦テレパスを使い、ミカソウマに安全を伝える事をヴァルハーレンに伝え、テレパスの使えるコウヤ、ディアロッテの二人がミカソウマに戻ることになった。何かあれば直ぐにキャスカが連絡する事なり、その日の夜は静かに更けていくのであった。


 ミカソウマに戻ったコウヤとディアロッテは、ラシャとボルトに無事を知らせる。


 ミカソウマにはバーバリアンの王テルガとハーピィーの王ヘレミア、ガーゴイルの王ギリオンが待機していた。


 コウヤの安全が分かると皆が安堵の表情を浮かべ、詳しい話をする事になったのだ。


 テルガはコウヤに様々な色の石が入った袋を手渡した。


「王よ、何かあれば、我等バーバリアンに念話魔法(ライエス)で呼び掛けて下さい。石に意識を集中させ必ずやテレパスにて駆け付けると誓いましょう」


 テルガの言葉に皆が頷いた。ヘレミアとギリオンも翼を使い駆け付けると口にして話し合いは終了した。


「早く帰ってこないとミカソウマは妾の国になってしまうからな! 絶対に無事に帰って来るのじゃぞよいな! それまで留守は任されてやるからのぉ」


 ラシャ成りの暖かいエールを胸にコウヤとディアロッテは再度、ジュレム大陸に戻るのであった。


「行ってくるね! 直ぐに帰るから待っててね。ラシャ行ってきます」


 そう言うとコウヤとディアロッテはミカソウマを後にするのであった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ