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亜人と歩む ~瑠璃色王のレクイエム~  作者: 夏カボチャ 悠元
第二部 魔界偏 新に掴むべきもの
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戦魔祭予選2

ーーAブロック


 そこは沼地ファールドであった。

 ラシャとアルカは、直ぐにロストアーツ“心眼”を使いファールド内にいる種族を調べると禁忌の箱パンドラを使い全員を眠らせた。


「毒でも薬品でもない! 呪いの力じゃ、文句があるならば、出てくるがよい!」


 ラシャが勝ち誇りそう口にした時だった。ラシャに向けて弓矢が射ち放たれた。

 矢を軽々躱すラシャは矢の飛んできた方向に眼を向ける。其処には複数のエルフの姿が見えた。


「なんじゃ、エレのエルフではないな、バライム大陸の者か?」


「我らは、このバライム大陸に古くから住むエルフの一族、リディオロの戦士だ! ダークエルフを偉大なバライム大陸の王にはさせぬ」


 ラシャの質問に一人のエルフが受け答えをした。


「面白いではないか、妾をダークエルフと罵った事を後悔させてくれる」


 ラシャの言葉にアルカが武器を取りだしラシャに渡す。その手に握られた黒い歪な形をした剣がエルフ達に向けられる。


「頼むから死んでくれるなよ! 妾はコウヤを手に入れる為にワザワザこんな祭に参加したのだからなぁ」


 ラシャから放たれる冷たい殺気はリディオロのエルフ達が経験したことの無いものだった。


ーーエルフの小国リディオロ


 リディオロはバライム大陸の端にある小さな森に作られたエルフの国であり、農場と狩りを生業にしている。

 バライム大陸事態が争いが少ないと言う事とリディオロが大陸の端に位置している事もあり、実戦経験は乏しい。


 今回の戦魔祭参加もリディオロの存在をアピールする為と実戦経験を得る為であり、300人程の若いリディオロの戦士達が参加していた。


「さぁ! 来るがよい。妾から剣を振るわせる気ならば構わんが、戦士がエレの女王に先手を取られては、笑えぬであろう?」


 明らかな挑発であったがラシャの言葉に数人のエルフが勢いに任せて飛び出した。


「嘗めるなぁ! ダークエルフがーーッ!」


 最初の一人をアルカが腕を掴み即座に叩き落とす。更にその後ろから走ってきたエルフに叩き落とした仲間のエルフを投げつけるとアルカはそのまま走りだしエルフの背中に飛び蹴りをいれる。


 そんなアルカが両手にナイフを握り動けなくなっていた他の二人のエルフの服を即座に切りつける。

 二人のエルフの服は一瞬で切り開かれ、肌が露になる。二人のエルフはその場で腰を抜かし動けなくなっていた。


 Aブロックのリディオロの戦士の数は30人今の時点で26人になった事をラシャが心眼で確認した。


「なんじゃ、アルカに手も足もでないのでは、話にならんぞ?」


 そう言われエルフ達が一斉にラシャ達を囲み始めた。


「我等、リディオロの戦士はダークエルフよ! お前に一騎討ちを申し込む」


「ふざけないで貰えるかな? 何でラシャ様がお前らの言葉を聞く必要がある」


 アルカがそう言うとラシャが一歩前にでた。


「いいじゃないか、ただし私が勝ったら、お前らは私の手下になれ、よいな!」


「ふざけるな!我等はリディオロの戦士だ!」


「ふざけてるのは其方そちであろう? 一騎討ちを申し込むは命を賭けることなるぞ、そんな覚悟もなく一騎討ち語るとは、尚更、始末に終えんバカエルフどもが」


「クッ……わかった、ならばこの命賭けようではないか!」


「戦う前に名乗ろうではないか? 妾はエレの女王にして黒い(つるぎ)、ラシャ=ノラーム」


「俺はエルフの国リディオロの戦士! アコール」


 互いに名乗り終ると勝負が始まり、そして一瞬で勝負は終わった。ラシャの剣がアコールの剣を弾き飛ばし、アコールの喉元に黒い刃を突き立てたのだ。


「リディオロの戦士よ、妾の勝ちじゃ、お前達も文句ないな!」


 リディオロの戦士達は頷き、敗北を認めた。

 ラシャはその中から3組を選ばせると他の者に降参させて、Aブロックの試合終了となった。


 ミーナとディアロッテも苦戦することなく本戦に駒を進めた。

 ミーナの試合は森林フィールドであり、ミーナの植物系魔法をフルに生かすことが出来た。

 ダルムの攻撃力も加わり呆気なく本戦入りを果たしたのだ。


 ディアロッテとマトンは力押しであった。

 マトンのサポートをするディアロッテの的確な射撃と敵を凪ぎ払うマトンの組み合わせは、攻防に優れたシンプルでありながら最強の組み合わせであった。


 そして、コウヤと源朴のいるFブロックは、砂漠フィールドであった。


 コウヤと源朴は次々に敵を倒していく。そんなコウヤと源朴の前に、巨大な斧を持った牛の大男の二人組が姿を現した。


「コウヤ坊、気いつけろ、ありゃミノタウルス一族だ」


 コウヤの前に現れたのはミノタウルス一族。

 巨体をいかした豪快な戦い方と角と斧を武器として使う戦闘好きな種族である。


「なんだ? 人間と獣人のガキか、がはは。今回の戦魔祭は俺達の優勝が有り得るかもしないな!」


「悪いけど、僕は負ける気ないよ!」


 コウヤの言葉にミノタウルス達がコウヤを睨み付けると互いに武器を構える。コウヤと源朴の本当の戦いが始まる。


読んでいただきありがとうございます。

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