家について
皆さんは、シロアリに食われまくった家というモノをご存知でしょうか。
寝ていると、サワサワというのか、鳥肌が立つ様な音が聞こえてくるのです。
ベッドの下の床までもがシロアリに食われているから、木の中を歩くシロアリの足音なのかは分かりませんが、今思い出しても気持ちの悪くなる音が聞こえてきました。
そくもまあ、そんな環境の中で暮らしていたと思います。
そんな所に働きに行った自分が悪いのですが、オーナーがお医者さんというのがアレなのです。
労働者の宿舎なんて気にしていないのかは分かりませんが、こんな所に住まわせるのはどうなのよ?と思ってしまった訳です。
シロアリに食われまくっているのもそうですし、ダイニング・リビングスペースも酷いモノでした。
その宿舎のダイニングスペースはトタン屋根で、しかも位置が低かったのです。
熱帯の国でトタン屋根は、昼間は灼熱地獄です。
直射日光がトタンを熱し、そこで目玉焼きでも出来るんじゃないの?というくらいになります。
いや、本当に、昼間はそこにいられないくらいでした。
しかも、夕方からは蚊の猛攻が始まります。
部屋の中で蚊柱っぽい羽音が聞こえるって、よっぽどですよ。
暑いから扉を閉め切れないし、蚊取り線香では煙が少なすぎて効果が低い。
部屋は解放されているから殺虫剤は意味が無いし、そもそも少ない給与では買う気にならない。
仕方無いのでココナッツの殻に火をつけ、煙で蚊を防いでいました。
一晩に十数匹もの蚊を叩き殺すって、おかしいですよ。
そして水浴びです。
熱帯の国とはいえ、雨の日の水浴びは寒いです。
それも、数日続いた雨の夜などは、熱々のお風呂に浸かりたくなる寒さです。
そんな中での水浴びは、結構苦行です。
修行レベルです。
エイヤッと気合を入れて、バケツの水をかぶってました。
一回かぶってしまえば、後は惰性でなんとかなります。
あんまり寒い日は、ガスで沸かしたヤカンのお湯でぬるま湯を作りますが、ガス代は高いのでそうそう出来ませんでした。
今から考えれば、薪はあったので五右衛門風呂ばりに、綺麗なドラム缶でお湯を作れば良かったのですけどね。
一番きつかったのが、Gで始まる不快害虫が大量にいた事、です。
ダイニングの床は隙間の開いた板張りで、床下には鶏やカモが入り込んで糞をします。
その糞をGが餌にして繁殖しているのだと思いますが、それが床上に上がってくるという訳です。
床を見ていると頻繁にGが走る光景は、中々に精神を抉るモノでした。
いやはや、笑えないです。
これにて完結です。
ありがとうございました。