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水と火の戦い
「水皇…」
上級精霊たちも本当は仲間とは戦いたくないのかもしれない。美玲と同じように。
そんなことを考えていると、つと、二体の精霊間の空気が変わった。
同時に魔法を放ったのである。
水皇は渦巻く火炎を巨大な水球で防いでいく。
炎と水がぶつかるたびに蒸気が立ち上り、視界を悪くする。
「水皇(セイレーン」!」
だがその蒸気の水分でさえも再び水球に変え、炎にぶつけていく。
炎帝の放つ炎が水皇の水球に押されていく。
だんだんと炎の渦は細くなり、そして、消滅した。
炎を失い、水球を直に受けた炎帝は地に倒れた。
「水晶壁!」
倒れた炎帝に向けて尚も放たれた水球だったが、間一髪、地王が発生させた水晶群の壁に弾かれた。
水晶の壁の向こうで、炎帝はフラフラと再び宙に浮き上がった。
その表情は怒りをあらわにしているようにも見え、美しくも恐ろしいその怒りの表情に、美玲は震えた。





