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帝都で・・・②って奴です

プロット?何それおいしいの?

さてさて、勢い良く飛び出したワケですが

もの凄い勢いで風が全身を押し戻そうと吹いてきます。

まだ幼子な私は軽くバランスを崩しかけます、しかしまぁこの程度は許容範囲内

何も無策で飛び降りたわけではないのですよ。

お忘れですか?

私、これでも二級の魔法使いですから!


『空中制御魔法ッ!!』


唱える魔法は、まだ術を完全に扱いきれていなかった頃。

魔法使いって言うなら空くらい飛べるんじゃないの?

という思考で魔術書を読みあさってみたら・・・なんと!


無かったんですよ、空飛ぶ魔法。


ええ、がっかりですね

心底がっかりしてしまいました。これはもう絶望ものです。

と言う訳で作ってみました。空飛ぶ魔法。


『白いホワイト・ウィングッ!!』


発動と同時に、幾つかの魔法陣が現れ私の周りをグルグルと廻る

そして回転速度がピークになると強烈な発光と同時に、私の背中から一対の白い翼が生えた

大きさは体の倍近くある。

純白で汚れを知らない翼は、二度、大きく羽ばたいた。

そう、これこそ私が編み出した空飛ぶ魔法「白い翼」


「とっ、まっっ、ってぇぇぇッ!」


大きく何度も羽ばたき、数回繰り返すうちに速度はぐんぐんと落ちる

だが着地するには少し早すぎるだろう、目下の景色がその距離をぐんぐんと縮めて来た

下から吹き上げる風が、私の恐怖感を煽る

地に足を付いた瞬間、体中の骨が嫌な音を立てるのが想像出来た

と言うのも、私が経験した事が有るからなのだが・・・

しかし地上に着く頃には、安全に着地出来る程に減速していた。


「う、上手く行って良かったです・・・。」


音もなく地上に着地する

地上に自分の足が着いている事に安心を覚えた

というのもこの翼、まだ3、4回位しか発動した事がないのだ。

ヘタすれば上手く扱えず、地上に激突・・・なんて事も有り得る。

上手く行って本当に良かった、いやホントに。


「・・・・・よし」


一応周りを見渡し、目撃者が居ない事を確かめる

念のため誰もいない場所を落下地点に選んだので大丈夫だとは思うけど


「~♪」


誰も居ない事を確認した後、私はこれから回る街の事に思いを馳せ

上機嫌に街へと繰り出した。









「・・・・・何だ、今の」










----------------------------------------





「あっは♪」



嬉しい悲鳴が口から漏れた。

見渡す限りの人、人、人、人

・・・・って言っても、魔族だから下半身は蛇だったり蜘蛛だったりするけど。

もう慣れたし気にしなーい!

派手な飾り付けがあちこちに準備され、香ばしい匂いが鼻を刺激する

お祭り一週間前でこれなのだ。

お祭り当日はれ程凄いのかと、参加できない事を少し悔やむが・・・


でも、まぁ今を楽しんだもの勝ちでしょ!


私は喜々として人ごみに紛れた。



「おばちゃん、これ一つ下さい!」


「あいよっ」


銅貨2枚を支払って、林檎飴りんごあめの様なお菓子を購入する

舐めてみると甘味の中に僅かな苦味を感じた。


「ぉ~・・・」


これはこれで乙なモノである。


「おじちゃん、これ幾らですか?」


「銅貨2枚・・・いや、1枚で良い!」


サービス精神が光る

私はホクホク顔で銅貨を支払った。

買ったのはとても柔らかそうなパンである。


「ん~、あっちもいいなぁ

 おぉ綺麗なアクセサリー・・・むっ、もしやあれは本屋?」


辺りをキョロキョロ見渡しながら歩く、両手には先ほど買った食べ物を持って。

私は笑顔である。

それはもう、だって美味しいし。


「あ~、やっぱりお祭りは良いですね~」


元引きこもり体質の人間に見えないって?

うるさいやい、私は貴族間でやるお披露目パーティーとかそういうのが嫌いなだけだ!

未だ私は「あいらぶほーむ」だ文句あるか。


「むむむ・・・よく見えないです」


道半ば。

一際人の密集率が高い所へとやって来た。

私は背が小さいので必然街の端っこを歩くようにしている。

が、しかしそれだと中々お店が見えない。


「むぅ・・・・」


この時ばかりは少し身長がない事を恨んだ

身長の高い連中が恨めしい!


「いらっしゃーい!いい品が入荷したよー!」


ふと、遠くから元気な声が聞こえてきた


「ん?」


見えないので何屋かは分からない、しかし他の勧誘の声を差し置いて

この声だけがやけに通って聞こえた

その声の正体を見破るべく辺りを見渡す

見ると階段が有ったので素早く上り、途中で振り返る

僅かでは有るが辺りを見渡せた。


「あそこか、な?」


声を頼りに店を探し出すと、なんといかまた地味な店があった。

露店ではなく大通りに立ち並ぶれっきとした室内店だ。

少し遠いので良くは見えないが・・・・服屋、だろうか?

ちょっとだけ高そうな服屋だ。


「・・・・・ふむ」


私は自分を見下ろす。


そういえば普段着とは言え、この服は少し高そうな・・・っていうか明らかに高い

ドレスタイプの服である。

少し青の掛かった鮮やかな色彩、胸元には備え付けられた赤いブローチ

一見派手に見えるが、相手に与える印象は「清楚」である。

うん、普通じゃないね。

今まで気付かなかったが、よく観察すれば周りの参加者の数人がチラチラとこちらを見ていた。

程よく目立っている私。これじゃお忍びの意味がない。


「・・・・・・・・行ってみますか」


私は意を決し、服屋へと足を向けた。




----------------------------------------------------






「いらっしゃーい!」


どーにか、こーにか、人混みを進み店の中へと入ることに成功する

出迎えたのは先ほどの声の主だろう。

人混みを移動する事に気疲れした私は一拍置く。

一息吐くと私は店内を見渡した


落ち着いた白い色が全体を覆い、鮮やかな商品と反して店内は酷く落ち着いた印象を受ける

天井にはキラキラ光るシャンデリアの様なモノが設置され

店内にあまり客は見られなかった。


(外見に反して中は・・・・・なんていうか、高そうだ)


ロクな評価が出来ないのはご愛嬌。


「お嬢ちゃん、何か欲しい服でもあるのかい?」


ぼーっとしていると声の主、とても若い青年が声を掛けてきた

下半身は人型だが耳の位置が違う、猫型かな?

店の雰囲気とは違い、とてもフレンドリーな対応だった。

まぁ私の外見が幼女だからかもしれないが


「いえ、コレと言ったものは無いのですが・・・

 私に似合う服を見繕っては頂けませんか?」


一瞬驚いた顔をする青年

私のような子供が丁寧に話すのがそんなに驚きか、でも許す、もう慣れたから


「良いけど・・・ウチは高い・・・ッ」


そこまで言って急に黙り込む青年

どうしたんですかね?

視線を辿ると、私の服を凝視していた

あ、もしかしなくても服屋だから分かったりするんだろうか。


「もしかして嬢ちゃん、貴族・・・か?」


あらー、バレちった。


「はい、そうです」


即肯定する。

下手に隠してバレたら一大事だし、何よりさっさと事情を話してスムーズに服を買えた方が嬉しい

という訳でれっつ説得タイム。


「でも今お忍びなので、どうしても今の格好だと目立ってしまうんです

 出来れば街に溶け込める様な服が欲しいなぁ~・・・って」


愛想笑いを浮かべ話す

青年の方はと言うと、すこしあたふたし始めた


「い、いえ、貴族様にご来店頂いたなら光栄の極み!

 今すぐご希望の服を纏めて参りまひゅ!」


そう言って涙目で店の奥へ走っていった。

最後に舌を噛んだからだろうか?

・・・・とは言えすんなり要望を聞き入れられてほっとしてた。

というか貴族だと子供相手にもあんな態度なのか、貴族すげぇー。




「こちらの品は今朝がた届けられたものでして

 生誕祭のシンボルである”天様 を題材に作られたものです」


青年が持ってきたのは純白のワンピースだった

少し薄手かな、と思っていたら存外生地が厚い

それでいてとても繊細な作りで肌触りもとても滑らかだ


「凄く良い服ですね」


純粋にそう思った。

確かに天使がモチーフなだけはある、とても可憐でお淑やかな印象を受ける服だ

更に天使の翼でも想定したのか、背中には布地が無く、背中の半ばまで大きくひらいた形だった。

少し寒いかもしれないが、ワンピースとセットで短い上着も付いている

コレを着れば少なくとも寒いと言う事は無いだろう。



「はい、帝都で一番腕の良いと呼ばれている職人から買い取ったものですから!」


とても良い笑顔でそう答えた

ほう、一番腕の良い職人ですか・・・・

というと、やはり値は張るのでしょう。少し値段を聞くのが躊躇われた。

しかし聞かなければ服は決まらない。

取り敢えずはお試し気分で値段を聞いた。


「そうですね・・・・金貨100枚でどうでしょう?」


金貨100枚・・・前世の額で言うと約1000万相当である

因みに銅貨1枚が100円程度、半銀貨が1000、銀貨が1万、金貨が10万相当だ。


「金貨100枚ですか・・・」


払えなくは無い、と言うのも過保護な父様と母様が「これでもか!」と言う程の小遣いを

毎月私に寄越したからである。

其れに今回の帝都出張に行く際、父様から餞別も頂いている。

が、しかしそれでも金貨100枚となると貯金の大半が吹き飛んでしまうのも事実だった。


私は唸りを上げて悩んだ。


「・・・・と、言いたい所ですが今回は金貨10枚に値下げしましょう!」


「え?」


突然の値下げ宣言

私は思わず声を上げてしまった。



え、え?

金貨100枚からいきなり10枚に値下げ?


「・・・・差額90枚ですよ?」


円にすると900万ですよ?正気ですか。


「はい、全然問題ありません」


尚も笑顔の青年店員、私はその笑顔が少し怖いよ


「実を言うとこの服、お似合いになる方が全く居なかったのです」


それは、つまり在庫処分的な意味でしょうか

私は少しむくれる


「いえ、別に押し付ける気はありません。

 ただ服が上等過ぎて似合うお方がいらっしゃらなかったのですよ」


なんというか、恥ずかしそうに言う青年店員

えっと、それってどういう事でしょうか

少し理解に苦しむ私。


「お客様は、その・・・大変お美しいので・・・

 その服が恐らくお似合いになるかと思い値下げさせて頂きました。」


なんだろう。


凄く恥ずかしくなった。


「え、えっと、その・・・・・ぁ、ありがとうございます」


貴族同士のパーティーでは、そんなセリフ腐る程聞いてきた

けど突然言われると流石に対応出来ない。

顔が熱い、きっと真っ赤になっている事だろう。

頬に手を当てるととても冷たくて気持ちよかった。

単に恥ずかしい、マジやめて欲しい、これ羞恥プレイですか?


取り敢えず腰に付けていた小型のポーチから、金貨10枚を急いで取り出す。

ソレを素早く青年に手渡した。

ああもう、恥ずかしいなぁ!恥ずかしいなぁ!

幼女に口説き文句使うんじゃない!このロリコン!






「ありがとうございましたーーーッ!」







取り敢えず店を出るとき、やたらと元気な青年の声が聞こえた。

ちょっと文字数多め

書き方変えましたが大丈夫ですかね?

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