そして何時かの世界より って奴です
更新遅くなって申し訳ない
風邪とか色々理由は有るんですが・・・・。
最近、ネトゲにはまりますた。
小さき幼子ひとり
強大な力をもった両親の元に生まれたが故に
世界のその存在を否定される
彼女はそれでも守ろうと足掻く
この世界は、彼女に優しく出来ていない
✖✖✖
side 勇者王 カルロス=ヴァン
「騎馬隊は側面より敵を奇襲して下さい!
長距離砲撃で敵の陣形を崩し、一気に制圧します!」
剣を片手に戦場を駆ける青年
その顔はまだ幼く、年も20そこら
そんな彼は周りの”猛者”に指示を飛ばし、自らの足で戦場を駆ける。
幾つもの血飛沫を浴び、その鎧と剣は血に濡れていた。
「カルロス様!城内より増援、数は30!」
「小隊を3つ向かわせて下さい、あとは僕が行きます!」
兵士を斬り付け、瞬時に踵を翻す
重い鎧を鳴らしながら正面に来る兵を尽く葬り去って行った。
迫り来る剣を弾き、大剣を捌き、槍を流し、矢を掴み取る。
どれもが常人に出来る範囲を超えており、また彼は殺人と言う行為に躊躇いが無かった。
「はぁッ!」
「うぉ・・っ!?」
相手の片足を斬り付け、膝を着いたと同時にその膝を踏み台に戦場を飛ぶ
すれ違い様、兵士の首が宙を舞った。
紅い尾を引く剣を振りかざす。
「やあぁッ!!!」
気合の一声と共に放たれた振り下ろし
ソレは容易く敵兵を真っ二つに切り裂いた。
紅い血が噴水の様に湧き出る。
「今です!砲撃をッ!」
青年が近くの兵へと叫ぶ
大きな筒を手に持った兵は頷き、空へと先端を持ち上げた。
「耳ぃ、塞いどいて下さいっ!」
周囲の兵が慌てて耳を塞ぐ
同時に衝撃を伴った轟音が周囲に鳴り響いた。
蒼い閃光が空へと上り、日の沈みかけたこの地に合図の印となる
閃光を見届けた青年はひと呼吸置いて、矢のように走り出す。
その背後から黒い砲弾が無数に飛来した。
着弾。 そして爆破。
砲弾は地面へと接触し、同時に数名の兵を吹き飛ばす。
隊列を組んでいた敵兵は一瞬にして散り散りになった。
其処に追い討ちを掛けるような”騎兵隊”による一列突貫。
各個による戦力など微々たるもの、その殆どは貫かれ、撥ねられ、蹂躙された。
「城下町は抑えました! 各隊、城へ突撃を開始!」
剣を突き出し、叫ぶ
誰よりも早く駆け、城の入口を固めていた近衛兵へと斬りかかる
その行為が背後の味方兵を鼓舞し、後に続かんと波の様に兵士が押し寄せた。
「正義無き国などッ、僕が潰す!!」
✖✖✖
side 紅の王 ヴァンゲルト=ジャンヌ
「陛下! 城下町がファブニールの軍勢により制圧されました!」
「サライ、ファブニール両国の先行部隊が既に近衛隊と接触
先頭に立つのはサライの”勇者王 カルロス=ヴァン”です」
「勇者王か・・・」
王座に佇む一人の女性
その周囲には慌ただしく行き来する兵士と、負傷した者が壁に寄り掛かっていた。
そして陛下と呼ばれた彼女自身、彼方此方に包帯を巻き、血が滲み出ている。
手に持つはひと振りの剣。
全てを灰に帰す「紅の王」たる所以、炎の聖剣であった。
「これは・・・遂に此処も堕ちるか」
口元を歪め、皮肉げに笑う
「陛下ッ!」
「冗談だ、そう怒るな」
大声を上げた家臣を宥め、ゆっくりと王座より立ち上がる
その体は幾度と続く戦に傷つき、最早満身創痍と言っても違いなかったがその動作は全くソレを感じさせなかった。
静かに、彼女は周囲を見渡す。
「元より、奴らに此処を明け渡す気はない」
いつの間にか、広間の全員が王を見ていた。
視線の先、王たる彼女は語りかける
「だが・・・我らに戦況を覆せる策も兵も無いのは皆も知っているだろう」
兵が皆一様に俯く
それは肯定と同時に、悔しさを噛み締めた姿だった。
その姿に王は更に笑みを深くする
皆は一様に剣を握り締め、深く沈んだ表情の向こうにギラついた眼光を持っている
光が意味する所。
彼女は理解していた。
「故に皆、我らは足掻こうぞ」
一歩、また一歩と王座を降りる
「策も無し、兵も無し、更には度重なる戦で疲労も限界・・・では残ったのは何だ?」
その手は剣の柄に添えられた
「プライドか?意地か?誇りか? 否、そんな安いモノでは無い」
ゆっくりと、剣は眩い光を放ちながら引き抜かれる
そしてその切っ先は、天を刺し貫いた。
そびえ立つ様に掲げられる聖剣、光を浴び刀身が紅蓮の炎を纏う。
「 命だ 」
ー 紅蓮の炎は一瞬にして兵全員を包み込んだ。
「オオオオオォォォォォォォォォォ!!!!」
剣を高く掲げ、兵たちが雄叫びを上げる
喉が張り裂けんばかりの声量、ビリビリと広間が揺れるのが分かる
紅く染まった広間は、兵たちの咆哮で埋まった。
「さぁ、命を削れ! 敵を殺せッ! その剣で、腕で、足で、体でッ!
我等は全てを失った!奪われた!その元凶を我等が自身で殺すのだッ!」
彼女が咆える。
兵が一段と声を上げ、その紅蓮の炎が大きく燃えた。
”それ”は彼らの命そのもの。
王は剣を敵軍の方向へと定める。
同時に王の間唯一の出入り口である、大鉄扉が弾かれる様に開け放たれた。
其処から溢れるように侵入して来るのは”勇者王”の部隊
彼女と、そして彼らは、歪な笑みを浮かべた。
「さぁ燃やせ!何もかも、その命さえも! 我等が足掻き!安くはないぞッ!!」
✖✖✖
side 勇者王
王の間は混沌と化していた。
紅蓮の炎を纏う負傷兵。
腕が無い、足が無い、片目が無い、だがその力は明らかに異常だった。
彼らの剣戟を剣で受ければ、その剣ごと鎧を叩き斬られる。
足がないから動けない?
否、奴らは”飛ぶ”
腕を切り落とされても足が、足が切り落とされても頭が。
例え首一つになろうと、敵の喉笛を喰い千切ろうと揺れ動く。
そんな敵を相手に、勇者王の軍勢は明らかに気圧されていた。
「この技っ・・・”灰の宿命”かッ!?」
紅兵の斬撃を紙一重で避ける勇者王、その剣は王の間の床を簡単に砕いた。
回避から流れるように斬り付け、片腕を斬り落とす
血を吹き、ゆっくりと倒れ伏す紅兵
だが寸前、その足はしっかりと大地を踏みしめていた。
「!?」
振り向き、力任せに剣を薙ぐ紅兵
咄嗟に捌く。剣と剣が甲高い悲鳴を上げ、大きく後退した
「こいつッ」
怒涛の連撃。
腕をしならせ、さながら鞭の様に剣を振るう目の前の兵は正に”決死”
一撃でも貰えば死は免れない。
紅兵の連撃の合間を縫って、その剣をあらぬ方向へと弾き返す。
剣を握っている手が痺れた。
「くぅッ!」
それでも返す刃で首を刈り取る。
宙高く舞い上がり、血を撒き散らしながら首は地に落ちた。
体は振り上げたままの剣を離し、石の様に固まったまま動かない。
勇者王は静かに息を吐いた
「死んでも尚、地に伏す事は無し・・・か」
目は広間全てに向ける。
次々と攻め込んでくる連合軍に対し、紅兵は一人で数十人を相手取って居た。
唯の一般兵でこの力。
これがもし、自国の民へと向けられたら・・・。
静かに拳を固める勇者王。
そして見上げた先に、紅の剣を持つ女性が王座に鎮座して居た。
side 紅の王
こちらを見上げる一人の青年
否。
奴こそ”勇者王”なのだろう。
我が”紅兵”を単騎で破った力の持ち主、少なくとも素でそんな戦闘能力を持つ人間はそうはいない。
こちらを見つめる眼光
それに真正面から対抗した。
「来い、勇者王 哀れな傀儡
我らの平穏を壊し、蹂躙し、奪い取ったお前は何を望む?」
呟く様に話す
聞こえたかどうかも分からない
だがしかし、勇者王は剣を構え、王座への道を一瞬で詰めるとこう言った。
「平和を望むッ!」
打ち出された勇者王の一閃。
ソレを炎の聖剣で受け止める、灼熱の炎と静かな風が拮抗した。
「平和と・・・貴様、随分な事を言う」
一層燃え上がった炎は、振り払うように風を打ち消した
剣を振り抜くと、大きく後退した勇者王が再度構える。
紅の王が剣を持たない手を頭上に掲げ、その手に”炎で出来た剣”を握った。
「我等が平和を潰した貴様が、平和を望むかッ!?」
大理石の床をも砕く、超加速
目にも止まらぬ速度で放たれた2振りの剣戟は、風の障壁をいとも容易く切り裂いた。
「お前の力は、危険すぎるッ!」
だが勇者王は退かない。
風を纏った剣を薙ぎ、双剣を弾く。
火花と炎が撒き散らされ、無数の剣戟が結ばれた。
「我が何かしたか!?この力で世界を脅かしたか!?」
槍のように鋭く放たれる風を叩き落とし、勇者王の風剣を受ける
灼熱の炎は勇者王の周囲を地獄に変えた。
「力が有る事が問題なのだッ!お前の力は、世界を手に掛けられる!」
「力が有るから殺すと言うのか!! これで勇者とは笑わせるッ!!」
巨大な風、巨大な炎が互いに互いを飲み込まんと迫る
だがその度に捌き、弾き、流し、鉄と鉄が甲高い音を立てた。
「ならば行先、未来、私のような存在が生まれればどうする!?」
大きく振り下ろされた炎は、勇者王の肩を掠った。
「殺すかッ!?」
再度迫った刃を、勇者王は真正面から受け止めた。
火花を散らし、その炎が勇者王へと迫る
だがその鋭い眼光は”紅の王”を真っ向から見つめ。
「その存在が、この世界に恐怖を持ち込むのなら・・・」
そして大きく弾いた。
「殺すッ!!」
終わりは唐突に。
天井を突き破って来た来訪者が、王座へと墜落した。
2,3日に一回は(ry




