表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/33

転生って奴です

はじめです


目の前は暗い。


閉ざされた視界の中で唯一考えることと言えば

(僕、死んだのかな?)位の事である。

体は不思議な感覚で覆われ、視覚は勿論、聴覚、嗅覚も反応しない。

直前の事は覚えている、僕はトラックに轢かれそうな少年を助け・・・代わりに死んだのだ。

実に呆気なく。


(死・・・・死、かぁ)


あまり実感出来ない。

それもこの不思議な浮遊感を伴う感覚の為か、あまり死んだと言う実感を持てずにいた。

特に痛みも無く、悲壮感もなく、肉体はともかく精神的にはなんら落ち着いてる


(・・・・もう少し体を鍛えておけば良かったかな)


本の虫であった自分を少しだけ恥じる。

しかし其れが後の祭りであることも知っている。

僕は溜息を吐いたつもりで流れに身を委ねた。 その時。


「-----------------------!」


(!?)


死んだ後の体には少々響く声が聞こえた。


「-------------------!!」

「----!?」

「--------!!」


次々に聞こえてくる声とも呼べない声。

それに僕は堪らず耳を抑えようとする、しかしその動作は何者かに拒まれたように阻止された。


(なに、これッ・・)


頭がガンガンする。

唯永遠に響く声、なんとも言えない不快感が込み上げてくる中で一向ひたすらに藻掻く。

やめてくれ、その声を止めてくれ、と

しかしそんな思いが届く筈もなく、声はどんどんと大きさを増して行った。


(やめっ・・て)


頭が痛い、割る、割られる。

声が反響し、まるで生き物の様に頭の中を駆け巡った。

ズンズンと重みが増してくる痛み。 それに遂に耐えられなくなった僕は


(もうッ!無理!!)


今は無き口を動かした。









 「おぎゃぁぁぁああぁあぁぁああああああ!!!」








(へ?)


存外近くから聞こえた声、透き通るような声、けど酷く幼稚だ。

ソレを確かめるべく目を開く。 まず光が溢れ、視界が真っ白に埋まった。

徐々に光に目が慣れた先にあったのは


酷く歪んだ顔ぶれだった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ