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とある竜の視点よりって奴です

休日だから一気に話が進みましたよ!

ー 我は竜だ。



100年の時を超え、1000年の時を超え、やがて今に至る

強靭な肉体、鋼で鍛え上げた剣をも弾く鱗、すべてを焼き尽くす火炎

我ら一族は全種族の中でも頂点に君臨する存在だ。故に我らは孤高である。


 そんな竜にも例外はあった。



霊山の一角を巣とし、領土として日々を其処で過ごしていた。

だが我は今、魔族の住む山の麓まで降りてきている。


何故か?


ソレは今日で丁度1000年目だから

彼女がこの地に、この世界に、平和と安息をもたらして丁度1000年。

我らはつどう。


彼女の命を尊ぶ為に、感謝を捧げる為に、罪を悔やむ為に。


「・・・・・・・くだらん」


我は吐き捨てるように口にした

だがソレは本心でないと、自分が良くわかっている

あの戦争を経験したからこそ、そう思えるのだろう

事実、この世界は平和だ。

それは彼女の行動の結果であり、戦争の結果であり、彼女が命を犠牲にした結果だ。


「・・・・・・」


黙々と空を駆ける黒い体躯は、まるで王者の如く風格を醸し出している。

広げる翼は漆黒の衣の様に地上を黒い影で覆う

翼が風を裂き、鋭い音を立てた。


集う場所はここから数百キロ離れた場所

既に魔族共も廃棄しただろう王国。


通称『廃棄庭園ロスト・ガーデン


そう。 彼女が息絶えた場所でもある。


「・・・・・・・・・本当に、くだらん」


再び言葉を吐き捨てると、我は一気に高度を落とした。







それが事の発端だった。










---------------------------------------------------------



「ん?」



永遠と続く平原に、大きな光が見えた

良く見れば街だ。

恐らく祭りか何かだろう、酷く鈍い光が蘭々と輝いていた。

魔族も酔狂なものだと鼻で笑った。


同時に、懐かしいモノも見つけた。


「・・・あれは」


100mはあろう大きな岩

無骨な形で平原に切り立っている

・・・恐らくかの戦争で我が落とした岩だろう、1000年経っても未だ残っていたのだ。

懐かしさに目を細め、良く観察する

そして天辺に影を見つけた。

こんな夜に、あの岩を登る物好き

ほんの少し、些細な好奇心から我はその影を目を凝らして注視した。


「・・・・・・・なっ・・・ぁ・・」


そして見つけた。


背中から生やす白き翼、流れるような白髪、純白の衣、汚れを知らない白き肌

そして近づくにつれ、最も特徴ある部位が目に飛び込んできた。


「・・・血に濡れた、赤い瞳・・・」


余りにも似過ぎている。

彼女の生まれ変わりだと言われれば、そのまま信じてしまいそうだった。

月光に照らされ、白い光を帯びる懐かしきその姿

1000年の時を超え、再開した様な感覚に目を見開き、体が震えた


その幼い体は岩の上に座り込み、足を投げ出す形で街の方を見ていた




ー そして、涙を流した。




其処までが我の限界だった。

気付いた時には一瞬で加速し、音速の世界へと飛び込む

そして彼女の上を通過する一瞬に減速し、彼女の元へと降下した。


「え?」


振り向いた彼女の体を優しく足で包み込む

だが幼すぎる体にはそれでも十分な衝撃だった様で、覗き込むと気絶してしまっていた。

まるで寝ているような表情

その姿はどこまでも無垢で、可憐で、美しかった。


「やっと、やっと・・・・貴方に再び会えた・・・・ッ!!」


握り潰してしまわぬよう、そっと包み込む

瞳にはうっすらと涙さえ浮かべた

全身が熱を持ち、歓喜に震える




夜の空に、一匹の竜が咆哮を上げた。

感想をくれると嬉しいです。


凄く嬉しいです。


ええ、嬉しいって言ったら嬉しいんです。

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