2話
アイドルとハウスキーパーの2話です。
第2話「推しの素顔とステージの顔」
シーン1:楓の部屋・朝
秋が朝食を準備していると、楓が寝癖だらけでリビングに現れる。
楓が眠そうに言う。おはよう、ございます。
秋が答える。おはようございます。朝食できてますよ。
楓、テーブルに座り、まだ半分寝ている。秋、微笑ましく見守る。
秋の心の声。この寝癖、可愛すぎる。でも、こんな姿ファンは誰も知らないんだろうな。
シーン2:同日・昼
楓、メイクと衣装で完全にアイドルモードに変身。
楓がプロの表情で言う。じゃあ、行ってきます。
秋が見送る。いってらっしゃい。
ドアが閉まる。秋、一息つく。
秋の心の声。まるで別人だ。
シーン3:テレビ局・収録現場(夕方)
楓がバラエティ番組に出演している映像。完璧な笑顔で司会者と談笑。
司会者が質問する。虹野さん、最近一人暮らし始めたんですって。
楓がテレビの中で元気いっぱいに答える。はい。毎日お料理頑張ってます。
実際は何もできないことを知っている秋、スマホでその番組を見ながら苦笑。
秋の心の声。嘘つき。でも、それもアイドルの仕事か。
シーン4:楓の部屋・夜
疲れ果てて帰宅する楓。玄関で力尽きそうになる。
楓がぐったりして言う。ただいま。
秋が気遣う。お疲れ様です。夕食温めておきますね。
楓が答える。ありがとう、ございます。
ソファに倒れ込む楓。秋、そっと毛布をかける。
シーン5:食卓
楓、夕食を食べながら、少しずつ元気を取り戻す。
楓がぽつりと言う。今日は、大変でした。笑顔作るのって、疲れます。
秋が答える。そうですか。
楓が続ける。でも、田丸さんの前では、普通でいられるから、楽です。
秋、その言葉に胸が温かくなる。
秋が応える。それは、良かったです。
楓が打ち明ける。あの、私、本当は人と話すの、苦手で。でも、アイドルになりたくて。
秋が尋ねる。どうしてアイドルに。
楓、少し考えて答える。
楓が説明する。小さい頃、アイドルさんのライブに連れて行ってもらって、その時、みんなが笑顔で、幸せそうで、私も、誰かをそんな風に笑顔にできたらって。
秋の心の声。そんな理由が。俺、確かに楓ちゃんのライブで笑顔になってる。
秋が言う。素敵な理由ですね。
楓が不安そうに言う。でも、うまくできてるか、わからなくて。
シーン6:秋の決意
秋、立ち上がり、楓に向き直る。
秋が言いかける。虹野さん、実は僕。
言いかけて、止まる。
秋の心の声。待て待て、ファンだって言ったらどうなる。彼女を驚かせるだけだ。
秋が言い直す。僕は、虹野さんのテレビ見てますよ。いつも元気もらってます。
楓が嬉しそうに聞く。本当、ですか。
秋が答える。はい。だから、虹野さんはちゃんと誰かを笑顔にしてます。
楓、目に涙を浮かべる。
楓が感謝する。ありがとう、ございます。
シーン7:翌週末・ライブ会場
秋、ファンとして楓のライブに参加。ペンライトを振る。
秋が叫ぶ。楓ちゃーん。
ステージの楓、輝いている。観客全員を笑顔にしている。
秋の心の声。やっぱり彼女は輝いてる。でも、あの素顔も、本当の楓ちゃんなんだ。
シーン8:ライブ後・楓の部屋
秋が掃除をしていると、楓が帰宅。
楓が穏やかな笑顔で言う。ただいま。今日のライブ、すごく楽しかった。
秋が応える。それは良かったですね。
楓が尋ねる。あの、田丸さん。これから、もっと、色々お話しても、いいですか。
秋が答える。もちろんです。
楓、初めて心から安心した表情を見せる。
楓が言う。田丸さんがいてくれて、本当に、良かった。
秋、その言葉に静かに微笑む。
秋の心の声。俺も、こうして楓ちゃんの側にいられて、幸せだ。
シーン9:エンディング
二人でリビングでお茶を飲む。楓、リラックスした表情。
秋のナレーション。ステージの楓ちゃんも、素顔の楓ちゃんも、どちらも本物。俺は、その両方を知ることができた。
次回予告。第3話、推しの初めてのお弁当。
読んで頂きありがとうございます。




