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霊輝  作者: ガンミ
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成長への道

それぞれが迷い、立ち止まり、そしてようやく見つけた――

「自分を変えるための一歩」。

ルーシーのメッセージを受け取った彼女たちは、もうただの傍観者ではいられない。

ライラ、ひかり、メリッサ、フィリア――

不安と希望を胸に、それぞれの道を歩き出す。

これは、誰かを救うために“自分”を見つめ直す物語。

『9月14日 / 8:58 / ライラ』


突然、ルーシーお姉ちゃんからメッセージが届いた。確認してみると、お兄ちゃんを助けるためにみんなでプランを立てる必要があって、みんなの協力が必要だって書いてある。


このメッセージを読んだ時、心の奥で何かがざわめいた。もしかして...これがわたしにとって最初の一歩を踏み出す時なのかな?今までの幼い自分から抜け出して、停滞している自分から変わりたい。ただ見ているだけの傍観者じゃなくて、感じるだけじゃなくて...変わりたいなの。


だからこそ、決断したいなの。変わるための最初の一歩は、今のわたしも過去のわたしも、全部受け入れることから始まるって思う。エミリーちゃんが自分のルーツを受け入れたみたいに、わたしも自分の起源を受け入れなきゃ。


まだ持ってる...エミリーちゃんのお母さんからもらったあの名刺。変わりたい。それなら一番深いところから...自分のルーツから始めよう。エミリーちゃんのお母さんに電話して、わたしのことを全部調べてもらうお願いをするなの。


決めた。どんなことでも協力する覚悟があるなの。少しずつでも、みんなみたいに何かで輝いている人になりたい。わたしにはないもの...成熟したい、成長したいなの。そうすれば...お兄ちゃんを助けることができるかもしれない。


お兄ちゃんは一人で全部背負っちゃダメなの。もしわたしがもっと大人だったら、お兄ちゃんを全部でサポートできるのに。今まで与えてもらったもの全部を考えたら、これぐらいはできる最低限のことなの。


こんな気持ちでいるなら、もう時間を無駄にしちゃダメ。エミリーちゃんのお母さんの電話番号をダイヤルした。


わたしにとって、全部これから動き始めるなの...


『9月15日 / 9:28 / ひかり』


目を覚ました時、茜はもうバイトに行った後だった。最近茜はバーで働いてる。店主と仲良くなって、今では自分の店を開く現実的な方法も見つけたらしい。茜が親友だから、こんな高級ホテルみたいなアパートに住めてるんだけど...家でぼーっとしてるなんて嫌だ。何かしたい。


何もしない日々なんて退屈すぎる。


霊輝に解放される前は、贅沢と金に囲まれた生活だった。何不自由なく育った。親?ほとんど存在しなかったようなもん。だから今更恋しくもないし、あいつらがどうなったかなんて知りたくもない。過去を思い返しても、人生で何をしたいかなんて一度も決まらなかった。


でも今は...今は違う。アレクスのおかげで人生が変わった。物の見方も変わった。彼のおかげで、この世界での自分の居場所を探そうとしてる。


茜のコネを使えば、書類の偽造もできるって分かってる。見た目の年齢に合わせて身分証明書を作れる。確実に足を引っ張ってるのはそれだ。時が止まったように成長しなかった人生。もし外に出て行って「実は見た目より10歳年上です」なんて言ったら、一体どうなる?


でも社会的な書類の話は置いといて、この世界での居場所を見つけなきゃいけない。


この間ずっと、何をすべきか考えながら色々試してみた。特別得意なことなんてなかった。それが自分探しを更に困難にしてる。


料理の練習をしてみたこともある。でも複雑すぎるし、これが自分に向いてるとは思えなかった。別の時は自分だけのドリンクを作ろうとした。でも試してくれる人もいないし、自分で飲むなんて冗談じゃない。


そんなこんなで散々考えた末、最近一つのアイデアが浮かんだ。


なぜか持ち物の中にタロットカードがあった。どうしてこれを持ってるのか覚えてない。誰かからもらったのか、間違って混ざったのか。分からないし思い出せない。


でもひらめいた。オンラインチャンネルを開くってアイデアが。世界中の人が色んな動画をアップしてるサイトがある...


そこでタロット占いを覚えて、視聴者に向けてカードを読む動画をアップすることにした。馬鹿げてるって思われるかもしれない。でも今はこれがやりたいことだった。


驚いたことに、チャンネルの登録者数は急速に5千人まで増えた。


あの時から、毎日一つか二つの動画をオンラインチャンネル用に録画してる。この時代、こういうのは本当に驚くべきことだけど、それでもまだ人生で何をすべきか見つけなきゃいけない。もしアレクスと話したら、将来何をしたいか分かるかも…


そしてアレクスと言えば、昨日ルーシーからメッセージが来た。彼女と他の子たちが計画を立てるのを手伝ってほしいって。あの夢喰いがまたアレクスを狙ってるらしいから…


正直、自分の霊輝の力を使ってアレクスの戦いを手伝えないことに苛立ちを感じてる。明らかに彼はほぼ一人で戦ってるのに、それに加えて学校のことや、霊輝から解放すべき残り二人の女の子を探すことまで、やることが山積みだ。彼に会ってから、少なくとも覚えてることや理解できる範囲では、彼はいつもそうだった。目標を達成するために全力を尽くす。そんな彼に感化された。全てを与えたい。立ち止まりたくない。やらなかったこと、試さなかったことがないようにしたい。自分のためにも、彼のためにも全てを捧げたい。


でも計画を考えるって言っても、特に何も思い浮かばない。タロットカードを見つめながら、アレクスの将来に何が待ってるのか占ってみようと思った。テーブルにカードを並べて、過去、現在、未来のために三枚引く。


過去のカードは「吊るされた男」。こう解釈できるかも。犠牲、停滞、強制された視点。現在のカードは「塔」。これはとても不穏だ。混沌、既知のものの破壊、危機として解釈できる。そして最後に、未来のカードは「審判」。これで考え込んでしまった。根本的な変容、避けられない運命、「何か大きなもの」として解釈してる。


アレクスのために引いたタロットカードは本当に考えさせられる。要するに、アレクスは痛みの過去を背負い(吊るされた男)、引き裂かれるような現在を生き(塔)、でも最終的に何かが全てを変える(審判)ってことだ。


アレクスの未来は壊れたパズルみたい。今は全てが混乱してる。でも審判が示すものは…彼の探求の最後に、運命そのものが待ってるってことなのかな?分からない。ただ空気に重さを感じる。まるで何かが彼を狙ってるような…怖い。


どうであれ、彼の確固たる支えになりたい。他の子たちが倒れても、わたしが一番強くありたい。壊れて倒れたくない。耐えなきゃいけない痛みは全て我慢する。結局のところ、アレクスを心の底から愛してる。そう感じてるし、みんなのためにあんなに頑張ってる彼を見るたびに、もっと愛おしくなる。それがわたしに同じように彼の対等なパートナーになりたいと思わせる。自分の名前が示すように、彼の光になりたい。そして彼がわたしの光になる…


『9月16日 / 8:18 / メリッサ』


今朝も朝食の準備をしている。お母さんを手伝って、家事をこなす日々...学校に戻ることなんてもう無理。わたしの年齢が書類と合わなくなってしまったし、説明のしようもない。でも、少なくとも料理や家事は覚えた。実はとても簡単だった...まるでステータスの力と敏捷性が上がったみたい。


今のインベントリには、メイン武器として掃除用のほうきを装備している。いつも綺麗に掃除して...でも、本当にこんな家事労働は、単なるサイドクエストをやらされているような気分にしかならない。意味もなく...


アレクスや他のみんなを助けたい。でも、わたしの家が一番遠いし...チームの中でのわたしのレベルが一番低い気がする。みんなは何か素晴らしいものを持っていて、助けになれるのに...わたしには何も提供できることがない...


ルーシーからメッセージが来た。アレクスが夢喰いと戦うのを助ける計画をみんなで考えて欲しいって。でも正直、何を考えればいいのかわからない。前は、あのモンスターたちと戦う時、全部もっと簡単だった。メイン武器を出して、力で倒せた。でも今は、その力がない...まるでセーブデータが消えて、最初からやり直しになったみたい。


助ける方法がない。わたしって本当に役立たず...これって悲しくなる。嘘をつかない、力を懐かしく思う。その力がないと何もできない。もしあの力が戻ってきたら、アレクスの隣で戦えるのに...アレクスのチームでまたメインになれるのに...


何かある、何かできることが...でもどんなに考えても思いつかない。どうやってアレクスを助けられる?わたしに何が提供できる?考えても考えても分からない...


あ、待って。わたし一人では直接何もできないかもしれないけど、他のみんなと一緒なら何かできるかも。レイヴン姫と同じように、一人では戦わなかった。仲間を得て、騎士と一緒に戦えるようになった...


友達と話せる。きっと助けてくれる。もう一人じゃない。行動を起こさなきゃ。また勇敢なレイヴン姫になりたい...いや、レイヴン姫になるんじゃなくて、レイヴン姫の勇気を借りて、わたし自身が勇敢になるんだ。


その気持ちで、一人ずつ電話をかけて助けを求めた。ダリオ、ニーナ、拓海...みんな忙しいかもしれないけど、何かしなきゃ。友達の助けがあれば、何かできるかも...


それぞれと話して、最終的に一つの結論に達した...


今のところ、アレクスのためにできることは...ただそばにいることだけ。それだけで十分だって、みんなが言ってくれた。


でも...イライラする。


成長したい。もっと強くなりたい。みんなのために、アレクスのために何かできることが欲しい。何かしたいのに...


もう我慢できなくて、お母さんのところに走った。涙を流しながら抱きついた。


「どうしたの、メリッサ?」


「お、お母さん...わ、わたし...わたし...どうしてこんなに弱いの?アレクスを助けるために何ができるの?」


お母さんはただ抱きしめてくれて、頭を撫でてくれた。この温かさを感じると、少し落ち着く。


「聞いて、メリッサ。あなたやアレクスに何が起きてるかはわからないけれど、一つだけ言えることがあるわ」


お母さんを見上げて、集中して聞いた。


「彼のこと、愛してるのよね?」


「...う、うん...」


「そして、彼のために何かしたいのよね?」


「...うん...」


「それなら悲しむ必要はないのよ。人それぞれペースがあるの。落ち着いて考えればいい、これから何をするか、何ができるか。長い間時が止まったような状態だったから、圧倒されてるのよ。でも一つ保証できることがあるわ」


「何?」


「あなたが何を決めても、何を提供したいと思っても、彼はあなたを嫌いになったり、判断したりしないということよ」


「どうしてそんなに確信があるの?」


「彼がどんな人かわかるからよ...あなたが彼を愛しているのと同じくらい、彼もあなたを愛していることがわかるの」


その言葉を聞いて、顔が熱くなった。言葉が心に響く。ただ急いで答えを見つけようと必死になってる。ちゃんと考えないで...もっとしっかり考えないと。


まず自分のための計画を立てて、それからアレクスのための計画を。そこから始めなきゃ。


そう思って部屋に向かった。書き始めた。変わる必要がある。ステータスを上げる必要がある。これがRPGだったら...今わたしに一番必要なのは、パワーや最高のスキルじゃない。ゼロから始めるすべてのゲームと同じように必要なのは...


レベル上げ...


『9月17日 / 6:48 / フィリア』


今朝も早起きして教会の避難所で朝食の準備を手伝った。あの時のヴィクトール神父との出来事の後、教会は少しずつ回復している。でも、どうして教会にこんなにお金があるのか、どうして独自の警備グループがあるのか...理解できない。そういうものなのかもしれないけれど。


新しい神父はまだ配属されていない。シスターたちがほとんど全てのことを取り仕切っている。


料理を終えた頃、学校に向かうルーシーと出会った。一緒に朝食を取りながら、他愛もない話をした。ルーシーの頑張っている姿を見ていると、心が温かくなる。


朝食の後は掃除などの教会の務めをこなした。最近よく考えることがある。これからどうしていけばいいのだろうか。アレクスのおかげで変われた。正確にはあの時の記憶は曖昧だけれど、彼が変わるきっかけをくれたことは覚えている。でも、もしかしたら彼に必要以上に感謝しているのかもしれない。変わることを決めたのは私自身だから。


この新しい人生で、未来への道を選ばなければならない。ルーシーが一生懸命頑張っている姿を見ていると、私も何かしたくなる。でも何ができるだろう?長い間、ただ人を助けることだけに時間を費やしてきた。大きな信仰がそれを支えていた。でも今は...少しくらい自分勝手になって、自分のことを考えてもいいのでは?何事も覚えるのは早いから、何を選んでも大丈夫だと思う。


一日中教会の仕事をしていたけれど、今日は特別なことが起こった。


「フィリアさん、こちらにお越しください」


シスター長ヴィヴィアナに呼ばれて、困惑しながら彼女の部屋に向かった。


「フィリアさん、これをお渡しします」


大きな封筒を渡された。中身は...私の書類?でも何か改ざんされているような...


「これはどういう意味ですか、シスター長?」


「本部から送られてきました。カッシウス・ローズソーンからの補償と言えるでしょう」


あの奇妙な男性のことを思い出した。ヴィクトール神父を倒すのを助けてくれたけれど、どうしてこんなことを?


「理解できません」


「そんなに難しく考える必要はありませんよ。社会復帰してほしいということです...以前、テーマカフェでアルバイトをしているとおっしゃっていましたね?この書類があれば新しい身元で働けますし、学業を続けることもできます。何でもできるんです。起こったことへのささやかな補償ですから」


これらの書類があれば、確かにもっと安定した仕事に就けるし、勉強を続けることもできる...本当に自分勝手になってこれを受け取ってもいいのだろうか?


もう一度シスター長ヴィヴィアナを見ると、彼女はただ微笑んでいた。みんなが私のために尽力してくれたなら、受け入れるべきなのかもしれない。その一歩を踏み出すべき...私のために...アレクスのために。もう一度この世界に居場所を持ちたい。


そう思いながら部屋を出たけれど、書類があってもまだ何をすべきか分からない...


数日前、ルーシーがアレクスが夢喰いの問題で困っていると話していた。彼には助けが必要...もしかしたら、そこから始めて助ける方法を見つけられるかもしれない。


この教会に、アレクスを助けることができる何かがあるような気がしていました。どうしてそう思うのかというと、あの時ヴィクトール神父と戦った時、彼は不思議な聖遺物を持っていて、それが力を与えてくれているようでしたから。この教会に似たような物があれば、きっとアレクスを助けるために使えるはずです。


そう思って、教会の隅々まで調べ始めました。ヴィクトール神父の部屋も詳しく調べてみましたが、いくら探しても何も見つかりませんでした。もしかして、期待しすぎていたのでしょうか。それでは、他にどうやってアレクスを助けることができるのでしょう。


部屋から出ようとした時、ふと目に留まるものがありました。ハンガーにかかっているロザリオです。でも、なぜかこのロザリオには何か違うものを感じました。手に取ろうとしましたが、一つのことが頭をよぎりました。このロザリオを取ったら、それは盗むことになるのではないでしょうか。


このロザリオが探していた物かもしれないと感じていましたが、取ってしまったら盗むことになります。それでは、確認するためだけに試してみるのはどうでしょうか。そう思って、ロザリオを首にかけてみました。


何も起こりませんでした。何も変わりません。ただのロザリオでした。元の場所に戻して、部屋を出ました。


午後は、テーマカフェでのアルバイトの準備をしました。店長さんはとても優しい方で、書類がなくても雇ってくださいました。今は書類もありますから、きちんとお渡しして全てを整理した方がいいかもしれません。そうして午後は働いて過ごしました。


教会に戻ると、ルーシーと一緒に夕食を取りました。ほとんど毎日がこのような日々です。でも、まだ自分が何をしたいのか、何をするべきなのか決めることができずにいます。


ベッドに入って天井を見上げていると、あることに気づきました。どうして将来のことでこんなに悩んでいるのでしょう。もう知っていることがあって、長い間やってきたことがあるのに、なぜ変える必要があるのでしょうか。


いつも居場所は、家族がしていたように人々を助けることでした。なぜかそれを実現する最良の方法の一つは、看護師になるために勉強を始めることだと感じました。もしかして、それが将来かもしれません。突然頭に浮かんだことですが…看護師…悪くありませんね。


微笑みながら、そのことを考えてそのまま眠りにつきました。

次回、物語は再び動き出します。

行動の時が訪れ、準備と出会いが交錯する数日間――。

ルビーは謎の少女と出会い、

スズはアナスタシアの計画に加わる決意を固める。

エミリーは家族の絆を頼りに、

アンジュとセレステは戦いの影を追う中で、自分の「心」に向き合う。

そして、アレクスは再び立ち上がる。

仲間たちの想いを背に、新たな戦いの幕が上がる――。

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