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霊輝  作者: ガンミ
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それぞれの想い

少しずつ、季節が秋へと変わっていく。

それと同じように、彼らの心にも小さな変化が芽生え始めていた。

アレクスの不安、ルーシーとアナスタシアの決意、そしてライラの葛藤。

それぞれが胸の奥に「想い」を抱きながら、前に進もうとしている。

誰かのために戦う力とは何か――

そして、「支える」ということの本当の意味を、彼らは少しずつ見つけ出していく。

『9月11日 / 7:00 / ルーシー』


今日もいつものように学校に行くために起きたの。アレクスに出会ってからもうずいぶん経つけど、まだ自分の人生が良い方向に変わったって実感してるわ。これからも前に進んでいかなきゃね。


髪をとかして、歯を磨いて、着替えて…学校に行く準備完了よ。フィリアとソフィアと一緒にいつものように朝食を食べて、いつものルートで学校へ。


歩きながら空を見上げたの。空を見るのって本当に好きなのよね。今日はたくさん雲があるわ…昨日雨が降ったからかしら。


今あたしが持ってるこの生活は、全部アレクスのおかげなの。100年間も霊輝に囚われていて、できなかった生活を今こうして送れてる。今の友達にも出会えたし。でも昨日、アレクスがちょっと変だったのよね。心ここにあらずっていうか、何かに怯えてるみたいで…助けてあげたいけど、どうしたらいいのかわからないの。


だって今は彼だけが力を持ってるんだもの。夢喰いと戦っていたあの剣を持ってないし。長い間戦い続けてたから、体の動かし方は覚えてるけど…それだけじゃダメなのよね。今の身体能力は、例えるなら体操選手みたいなものかしら。でも体操選手がリングに上がって戦うわけじゃないでしょう?それと同じような感じなの。戦う力はもうないのよ。


それに、もっと大きな問題があるの。もう夢喰いが見えないの。だからアレクスが一人で、あたしたちみんなを守る責任を背負ってるのよね。だからこそ助けてあげたいんだけど…でも何ができるの?どうしたらいいの?誰に相談すればいいの?答えの出ない質問ばかりよ。


風が強く吹いてきたわ。もうすぐ秋の季節がやってくるのね。試験も近づいてるし、そろそろ大学のことも考えなきゃ…将来を決めなきゃいけないのよね。


実を言うと、もう何をしたいかは決まってるの。パンとケーキのお店を開きたいのよ。昔からこういうの大好きだったし、自分のお店を持ちたいな。そのためには…経済学?経営学?よくわからないけど、何か勉強しなきゃね。でもやってみたいの。


もちろん、アレクスにもそばにいてほしいけど…彼のことはもうよく知ってるから。みんなのことを心配しすぎるし、きっと今はみんなの女の子への気持ちで混乱してるんだと思うの。この前アナと話した時にわかったんだけど、アナには何かアレクスの気持ちを整理させてあげる計画があるみたいなのよ。


アレクスがどんな決断をしても、あたしは受け入れるわ。


そんなことを考えながら歩いてたら、学校の入り口に着いちゃった。立ち止まって周りを見回してみたけど、アレクスはまだ来てないみたいね。だから一人で中に入ることにしたの。


また今日も友達と一緒に学校で過ごすんだけど…でもまだアレクスを助けることができないっていう心配は残ったままなのよね…


学校が終わって、アレクスとお別れした。まだ何か心配そうで、距離を置いてる感じがする。話したいけど、今のあたしには新しい責任があるの。


前から半日のアルバイトを見つけたから。将来の勉強のためにお金を貯めなきゃいけないのよ。パン屋さんで働くことになったの。経験にもなるし、そこの奥さんがとても優しいから安心なの。


午後はパン屋さんでお客さんの接客をしたり、ケーキ作りのお手伝いをしたり、お店の掃除をしたりして過ごした。それから教会のシェルターに帰って、フィリアと一緒に夕食を食べるの。


「今日はどうだった?」フィリアが聞いてくれる。


「大変だったけど、楽しかったよ」


夕食の後はフィリアとおしゃべりして、それから宿題をやって。全部終わったらもうとても遅い時間になってて、やっと眠りにつけるの。


これが今のあたしの生活。アレクスがいなかったら、どうなっていたか分からない。だからこそ、毎日最大限頑張りたいのよ。そして、アレクスが助けを必要としている時は、必ずそばにいてあげたいの。何があってもね。


そんなことを考えながら、眠りに落ちていく。また一日が終わった...


『9月12日 / 6:30 / アナスタシア』


今朝も早く目が覚めたわ。毎日の運動のために。あたくしだけではないの。ルビーはもっと早く起きて、この住宅街の周りの道をジョギングしている。もしかしたらジムにも行っているかもしれないわね。でも、は周辺を軽く散歩するだけにしているの。


以前の生活では大学に通っていたわ。お父様と同じ道を歩みたいと思っていた。でも今はそんなことは不可能。新しい身分を偽装するために動かなければならないから。ルーシーはそうしたのよね。でも彼女にどうやって書類を偽造して、長い間別人として学校を転々としたのか聞きたくないの。


まだ何かをしたいという気持ちがあるわ。その野心は心の中にまだ残っている。もう霊輝の囚われの身ではないから。貯金があるおかげで家を持ち、生活を維持できているの。でも正式な仕事はないわ。AIプログラミングのフリーランスをしているだけ。技術開発も十分理解しているし、リモートコンサルティングも提供している。この時代、全て家からできるなんて驚きよね。ただ、固定給がないから連絡があるかどうかに大きく依存しているけれど。


周辺のジョギングを終えた後、いつもアレクスが学校へ向かう道のりを見張っているの。距離は十分離れているから、彼が気づくことはないわ。もし霊輝を感知し始めたら、あたくしの存在がバレてしまう…。彼を守るためにやっているのよ。もう大切な人を失いたくない。過去に起きたように。あの時救ってくれた人を、今度はあたくしが助けたい。それが願いのすべて。

だからこそ、ずっと前から、具体的にはひかりに出会ってから、ある計画を考えているの。みんなを幸せにできる計画を。ほとんど誰とも話していないけれど。現在この計画を知っているのはルーシーとルビーだけ。ルビーは計画の一部しか知らないけれど、詳細は知らないの。これは全て彼も幸せを見つけられるようにするため。


彼は自分が背負えるよりも重い荷物を背負っているのよ。最近それが分かるわ。落ち込んでいるように見えて、心配になる。でももう力を持っていないから、彼のためにできることは限られている。敵が見えないという無力感も、あたくしを苛立たせるの。夢喰いのような化け物が。なぜ彼だけがそれらを見ることができて、あたくしにはできないの?なぜもっと彼の助けになれないの?


解決策を考えたいけれど、何をすればいいのか分からない。ただ苛立ちながら観察者でいるしかないの...もちろん違うわ。ただの観察者でいたくない。彼は苦しんでいる。助けたいの。彼が背負っている重荷を軽くしてあげたい。その重さを一緒に支えたいの。でも本当に彼を助ける方法が思い浮かばない。


十分離れた場所から、家に戻ってフリーランスの仕事を続けるの。一日の半分をコンピューターの前で過ごして、やるべきことをこなす。お昼の時間まで。


昼食の時間、スズと一緒に食事をしていた。彼女を見ていると、本当に頭が良いのがわかる。きっと今まで勉強しかしてこなかった生活のせいでしょうね。だからこんなに優秀なのかもしれないわ。


スズに新しい生活スタイルを与えてあげたいと思った。彼女は魔術師で、今でも魔術師であることを何よりも愛しているけれど、彼女にはもっと違う可能性があると思うの。


「スズ、何か勉強したいことはありませんの?」と話しかけてみた。


「え...でも、私...」スズは戸惑ったような表情を見せる。


「大丈夫よ。アカデミーの人たちに頼めば、普通の社会に戻って勉強することだってできるはずでわ」


そう言ってみたものの、彼女はまだ懐疑的で、怖がっているようだった。でも、きっと一歩踏み出してくれると確信している。前に話した時の彼女を見ていれば、きっとできると分かるから。


昼食の後、コンピューターの前に戻って今度は3Dプランの作成を始めた。まだ開発している技術は完全には明確になっていないけれど、目的ははっきりしているわ。アレクスが戦うのを助けられる何か、武器でも何でも作り出すこと。


もしあたくしたちが夢喰いに立ち向かえる何かを開発できれば、もっと役に立てるはず。スズと一緒なら、なおさら可能性が高まると思うの。ただ、今の彼女は新しい生活にまだ慣れようとしているところだから、プレッシャーをかけるつもりはないわ。


でも準備が整ったら、あたくしとスズで一緒に、みんなが戦えるような何かを作り出せると確信している...


夜になって、スズとルビーと一緒に夕食をとりながら会話を楽しんだ。最近はこんな風に日々を過ごしているの。アレクスに会えるのは朝だけで、それも隠れてだけれど、それでも構わないわ。


すべての目標を達成できれば、彼も、みんなも幸せにできるから。そうして、また一日が過ぎていく...


『9月13日 / 10:03 / アレクス』


ベッドに横になって、色々と考え込んでいた。今日は父さんがいないから、家には俺とライラだけだった。


突然、玄関のドアがノックされる音が響いた。誰だろう?こんな時間に…


ドアまで歩いて行き、開けてみると、そこに立っていたのはルーシーとアナだった。


「え…?」


予想外の来客に驚いてしまった。


「何でここに?」


ルーシーが真剣な表情で答える。


「あたし、話したいことがあるの」


続いてアナも口を開く。


「あたくしも、君とお話しがありますわ」


どうやら二人とも何か話したいことがあるらしい。リビングに向かい、二人はソファに座った。俺の両側に一人ずつ座られて、また驚かされた。


「…で、何の話だ?」


ルーシーが先に口を開いた。焦ったような様子で話し始める。


「最近、すごく元気がないのよね!何があったの?」


「え!?えーっと…」


今度はアナが俺に近づいてきて言った。


「あたくしも気づいていましたわ。君、とても変ですもの。何があったのか教えてくださらない?」


二人に迫られて、思わず手を握りしめた。緊張で拳が震える。仕方ない、話すしかないか。


夢喰いのことで悩んでいることを打ち明けた。以前、あまり役に立てなかったと感じているし、またこの問題が出てきて、あの化け物たちとどう戦えばいいのか分からなくて困っているんだと。


二人とも俺の悩みを聞いて、心配そうな表情になった。


でもルーシーが言った。


「大丈夫よ!そんなことが心配なら、無理してヒーローになろうとしなくてもいいのよ」


続いてアナが俺の手に自分の手を重ねて言った。


「その通りですわ。君はヒーローじゃありませんもの。ただ、できることをやっているだけですのよ」


彼らの言葉はとても優しくて、どう受け取ればいいのか分からなかった。問題を起こしたくないし、あいつらは人間を狙うから、みんなが攻撃されるのが怖い。だからこんなに無力感を感じているんだ。


まだ同じような気持ちでいると、突然ルーシーがもっと近づいてきて言った。


「ねえアレクス、どうしてこんなことをするの?どうしてそんなに戦おうとするのよ?」


「お前たちが危険な目に遭うからだろ!」


「いいえ、そうじゃないのよ!」


ルーシーがそう言う理由が分からなかった。何を言いたいんだ?


少し離れて、何かを思い出すような表情になった。


「記憶にはないけれど、あたしは確信しているの。あなたが現れたのよ。全てを解決する超能力を持ってじゃなくて、手を差し伸べてくれたのね。あなたはあたしを化け物から救ったんじゃないわ、アレクス。あたしが自分自身を救う自信をくれたのよ。あなたは…怖くても勇敢になれることを思い出させてくれる人なの」


黙っていたが、握りしめていた拳が少し緩んだ。


アナが腕を組んで、厳しいような表情を見せた。でも何か俺を叱ろうとしているような雰囲気がある。


「ルーシーの言う通りですわよ?でも、はっきりと言わせていただきますわね。君は率直なのがお好みでしょうから。君は馬鹿ですのよ」


その唐突な言い方に、少し驚いて顔を上げた。


アナが軽く微笑む。


「力というのは、どう戦うかを知ることだとお思いになって?とんでもありませんわ!力というのは、勝ち方が分からなくても戦うことを選ぶことですのよ。それこそが、君があたくしたち一人一人にしてくださったことでわ」


アナの言葉を聞いて、胸の奥で何か不思議な感覚が走った。


ルーシーが熱心にうなずいて言った。


「そうよ!あたしたちを『直す』方法なんて、あなたは知らなかった。ただそこにいてくれただけ。あたしたちの話を聞いてくれて、信じてくれた。それが...それがどんなパンチよりも千倍も力強かったのよ」


心配事が晴れていくのを感じた。物事がもっとはっきり見えてきた。


「いい?アレクス。あたくしたちが君についていくのは、君が『何でも知ってる無敵のヒーロー』だからじゃないわ。アレクスだからよ」


アナは俺について話しながらとても意欲的に見えて、言葉を重ねるたびに少しずつ声を上げていた。そして続けた。


「間違いを犯して、挫折する男の子。でも愛する人が困っている時は、絶対に、絶対に諦めない男の子よ」


アナと視線が合った。彼女は自分の言葉すべてを確信しているかのように微笑んでいた。


「あの夢喰いと戦う方法を知らない?誰が気にするのよ!あたくしたちは知ってる。君があたくしたちをみんな集めてくれた。君の『力』は戦うことじゃない、結びつけることよ。君はこのグループを一つにまとめる接着剤。君は戦略なの、筋肉じゃなくて」


今度はルーシーが俺の肩に触れた。振り返って彼女を見ると、彼女も熱意を込めて微笑んでいた。決意に満ちた表情の中で輝く青い瞳が驚くほど美しかった。


「あなたは...あなたはあたしたちに居場所をくれる。それがあなたの強さなの。そしてその強さが...あたしたちをもっと強くしてくれる。あたしたちに戦う理由をくれるのよ。だから一人でできないことばかり考えるのはやめて、みんなで一緒にできることを信じて」


二人を見つめると、こちらの挫折感のあった表情が和らいでいくのを感じた。考え込むような、少し恥ずかしそうな顔に変わっていくのが分かった。


「でも...あの時は役に立たなかった。すべて予想外の終わり方だった。そして今、またやつらが戻ってきて...まだ何をすべきかわからないんだ」


アナが俺の額に手を近づけて軽く叩いた。


「痛っ!」


「君は人間よ!もう、アレクス!本当のヒーローが怖がらないとでも思ってるの?勇気というのは恐怖の不在じゃない、恐怖があっても前に進むことよ。そして君はそれをした。あたくしたちのために何度も何度も前に進んでくれた。今度はあたくしたちと一緒に前に進みなさい」


「一人でこんなことを背負う必要なんてないのよ。それがあなたの間違いよ。あたしたちにその重荷を分けさせて。一度でいいから...あたしたちがあなたに力を与える番よ」


ルーシーの言葉が胸に響いた。一瞬、目を閉じて深く息を吸った。目を開けたとき、新しい炎が宿っていた。傲慢さではなく、新たな決意と謙遜の炎だった。


「...分かった。分かったよ。お前たちの...お前たちの言う通りだ。戦いのことばかり考えて、本当に大切なことを忘れていた」


立ち上がって、二人を深い感謝の気持ちで見つめた。


「それで?何か提案はあるか?俺が分かるのは、もう誰にも苦しんで欲しくないってことだけだ」


二人とも微笑んで、何かしらの計画について話し始めた。今のところ、時間を置いて物事をはっきりさせ、何より状況を分析して結論に達するまで待つべきだという結論になった。他の皆とも話すと言っていたから、今は彼女たち全員を信じるしかない。彼女たちの助けがあれば結論に辿り着けるし、その後何をすべきかも分かるだろう。


『9月14日 / 8:38 / ライラ』


今日は日曜日なの。やっと目が覚めたばかり…


お兄ちゃんと一緒に住むようになってから、わたしの生活は本当に変わったの。前はどんな感じだったかって?街の路上で寝て、公園の草の上で眠って…あの孤児院にいた頃のこと、全部終わったの。お兄ちゃんのおかげで。


でも…まだ心が痛むの。どうしても受け入れられない真実があるから。お兄ちゃんと過ごした大切な思い出、いくつも覚えてないなんて…


今は幸せなの。お兄ちゃんといつでも一緒にいられるし、お父さんもいるの。お父さんにはすごく感謝してるの。どうやってかはわからないけど、また学校に通えるようになったから。


学校のみんなは…わたしのこと『年の割に子供っぽい』って言うの。もしかして、それって正しいのかもしれないの。わたしも少しはわかってる。心がどこかの時期で止まっちゃって、大人になれなくて、同年代の子みたいに振る舞えないままなの。


でもお兄ちゃんは責めないの。お父さんも。エミリーちゃんやひかりちゃんも、他のみんなも。わたしがこんなでも批判しないの。それなら…いいのかな?


エミリーちゃんのお母さんに会ってから、わたしは自分に自信が持てなくなったの。わたしってどんな出身なの?なんで自然に霊輝を使えるの?わたしは一体何者なの?


知るのが怖いの…お兄ちゃんも真実を知ることを怖がってるみたい。


でもエミリーちゃんは。お兄ちゃんの真実を知った後も、そのまま受け入れて一緒にいてくれるの。愛してるから。


それなら…わたしも同じことをするべきなの?


この新しい生活が始まってから、家族と一緒に朝ごはんを食べて、お昼を食べて、夜ご飯を食べられるの。こんなに愛されてるって感じたことなかったの。朝早く起きて学校に行って、お父さんが車で送ってくれて、優しいクラスメイトもいるの。ちょっと批判されることもあるけど、悪い意味じゃないの。


これが…ずっと夢見てた生活なの。


でも、わたしも変わらなきゃいけないっていう棘が、少しずつわたしを傷つけてるの。


お兄ちゃんがみんなのために頑張ってるのを見てると、わたしもお兄ちゃんみたいになりたいの。


エミリーちゃんがお兄ちゃんとの絆の真実を受け入れたのを見てると、わたしもエミリーちゃんみたいになりたいの。


ひかりちゃんがストレートで、みんなと楽しそうにしてるのを見てると、あんな風になりたいの。


アナスタシアお姉ちゃんが大人で真面目で、考え深いのを見てると、そうなりたいの。


ルーシーお姉ちゃんがみんなに優しくしてるのを見てると、そうなりたいの。


フィリアお姉ちゃんがいつも役に立とうとしてるのを見てると、そうなりたいの。


ルビーお姉ちゃんが強くて立ち止まらないのを見てると、そうなりたいの。


メリッサちゃんが自分の好きなものを隠さないで、ありのままでいるのを見てると、そうなりたいの。


それに最近は、スズちゃんの素晴らしい知性を見てると、あんな風になりたいの。


どうして?


わたしは…ただの観察者だったから。みんなのことをずっと見てたの。だって、わたしは全ての面で一番劣ってるって感じるから。


わたしは、みんなみたいになりたいの。だって、ずっと前に卒業するべきだった幼い心に囚われてるのは、わたしだけなのかもしれないから…。

次回――

ルーシーから届いたメッセージをきっかけに、

ライラ、ひかり、メリッサ、そしてフィリアの四人がそれぞれの道を模索していく。

過去と向き合う者。

新しい自分を探す者。

無力さに涙し、それでも立ち上がる者。

“アレクスを助けたい”という同じ想いのもと、

彼女たちは一歩を踏み出す。

それはまだ小さな一歩だけど――確かに未来へとつながる「始まり」だった。

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