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霊輝  作者: ガンミ
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真実の言葉

アレクスの視点に戻り、ひかりとの対話から新たな一歩が始まる。彼女を救いたいという想いが、時に激しい衝突を生みながらも、二人の間に揺るぎない絆の兆しを刻んでいく。やがて街での出来事を通して、アレクスは彼女の本当の姿と向き合うことに――。

『4月 25日 / 22:03』


その話を聞き終えた後、しばらく何も言えなかった。


何と言っていいかわからなかった。彼女は既に、最も尊敬し愛している人の言葉に包まれている。でも、その言葉とひかりに起こった出来事の中に、何かが完全に噛み合わない部分があった。


ひかりは、ゆうさんの言葉に執着しすぎているんじゃないか?それがゆうさんの本当の目的じゃないような気がする。


話を聞いていて気づいたのは、ひかりはあまり物事を分析するタイプじゃないということだ。自分のグループのメンバーについて、まるで他人事のように話していた。そのグループにはちゃんと名前があるはずなのに、ひかりにとってはそんな名前も、誰がリーダーなのかも、全く重要じゃない。


もしかしたら、ヤンキーの世界がそういうものだと理解してから、複雑な名前や専門用語を覚えることに興味を失って、自分の好きなように呼んでいるのかもしれない。


ひかりは、本当はこんな世界に巻き込まれたくなかった人なんじゃないか。そんな風に感じていた。


彼女の話を分析しながら、黙ってひかりを見つめていた。


「おい...そんなじっと見るなよ!!」


肩が跳ね上がった。ひかりの突然の叫び声に、思考が途切れてしまった。


ひかりから視線を逸らした。恥ずかしかった。でも、どうしても目を離せない。彼女をもっと見続けていれば、本当の彼女がわかるような気がした。


ひかりも俺がまだ見つめているのに気づいたのか、同じように視線を逸らす。その時、彼女の頬がほんのり赤く染まるのが見えた。


でも、さすがひかりだ。簡単には屈しない。すぐに俺を見返してきた。今度の表情は少し挑戦的だった。


「よく見たら...お前の目、ゆうに似てるのね」


突然の言葉に固まった。俺とゆうさんを比較するなんて。どう反応していいかわからなくて、何も言えなかった。


部屋が完全に静寂に包まれた。


ひかりの表情が挑戦的から悲しそうに変わった。


「もういいでしょ。全部話したんだから、わたしを一人にして」


明らかに命令口調だった。でも、俺は知っている。彼女を助けなければならない。ここで引き下がってはいけない。もっと直接的になって、迷わずに彼女と向き合わなければ。


彼女のことを知った今、何としても彼女のそばにいる方法を見つけなければ。


「悪いけど、それはできない」


俺の言葉に挑戦されたひかりは、俺の挑戦的な態度を受け入れたように見えた。挑戦的な笑みを浮かべる。


「なぜ?欲しいものは手に入れたでしょ?わたしの話を聞いて、それで終わりじゃないの?」


迷わずに、挑戦的に答えた。


「そんなこと一度も言ってない。俺が頼んだのは、お前の話を聞かせてくれってことだけだ」


ひかりは俺のこの挑戦的な態度を、なぜか奇妙に面白がっているようだった。


話している間に、感じていた。彼女の話を聞いて、何かがおかしいと思った。


全力で行くしかない。


彼女が話してくれたことを基に、せめて説明する機会を作らなければならない。


「ちょっと説明させてくれ、ひかり...お前、何も理解してないだろう?」


まだ挑戦的な態度を崩さずに、ひかりが答えた。


「はあ?わたしが理解してないって何よ、説明するって?」


ひかりの挑戦的な態度をどう受け取ればいいのかわからない。これが彼女の本来の性格なのか、それとも俺に何かを期待しているのか。でも、迷っている場合じゃない。


「お前がそんなに執着している言葉...それは間違いだ!」


ひかりが眉をひそめて、笑顔を消した。どうやらこれは彼女を苛立たせたようだ。


「えっ?間違いって何よ、わたしとゆうの言葉をバカにしてるの?」


もっと挑戦的になるべきか?紫さんが俺に対して見せていたような態度で行くべきか。できるだけ挑戦的な笑みを浮かべて言った。


「ひかり、お前本当にバカだな。所属してるグループの名前も、他のグループの名前も覚える気がないくせに、ゆうさんの言葉を理解してるって思ってるのか?」


ひかりは俺に対して苛立っているようだった。でも、それが狙いだった。


何とかして、ひかりに理解させなければならない。俺の現在の推測を。彼女がそんなに執着している言葉について。もし俺の推測が正しければ、ひかりはゆうさんの言葉を誤解している。俺はそう信じている。


この目的のために、ひかりに 俺に 機会を与えてほしい


ひかりがまだ怒ったまま、膝をついてゆっくりと近づいてくる。さっきと同じように、距離を詰めてきた。怒りの表情で俺を見据えている。


「チャンスをくれればいい...ゆうさんの言葉の本当の意味を見せてあげる」


ひかりはその言葉に懐疑的な様子で、表情には苛立ちしか浮かんでいない。でも、ここで揺らいではいけない。彼女の前では一切の迷いを見せるわけにはいかない。


「そんなの無理よ。お前はゆうのことなんて知りもしないのに、なんでそんなに自信があるの?」


声が震えていた。これを言うのは彼女にとって辛いことだとわかっているが、やらなければならない。このまま自分を騙し続けるわけにはいかない。


「知る必要はない。お前が話してくれたことで十分理解できる!」


ひかりは俺の言葉を信じたくないようで、突然俺を押し倒した。背中から地面に倒れ、彼女が俺の頭の両側に手をついて覆いかぶさってくる。見上げると、ひかりの顔には彼女にしか作れない複雑な感情が入り混じっていた。


「どうして...どうしてそんなに確信があるの?」


泣きそうな表情で俺を見下ろしている。ゆうさんの話題は彼女にとってあまりにも繊細すぎる。でも、これも霊輝に関わることだ。彼女のために何かしなければならない。


「俺に助けさせてくれれば分かる」


言葉に迷いはなかった。でも、ひかりはまだ信じようとしていないようだった。


「なによ、それ……勝手に決めないで!!」


突然、ひかりが泣き始めた。

涙が俺の頬に落ちる。暖かくて、でも重い。


ひかりの腕が、微かに震えていた。力が抜けていくのがわかり、そのまま彼女は体を起こすと、さっと距離を取った。次の瞬間、ひかりは正座で座り直し、俯いた。俺も黙ってその横に腰を下ろした――


「ゆうさんが言ったあの最後の言葉...誤解してるんじゃないか?」


ひかりは首を振った。すすり泣きながら、もう俺の方を見ようともしない。


でも、あの言葉を思い出すたび、ひかりの話を聞いたときのことを思い出すたび、確信が深まっていく。ゆうさんの言葉には、ひかりが思っているのとは違う意味があった。


ひかりを見つめながら、頭の中で彼女の話を整理する。


ゆうさんは単純に、ひかりにすごいところを見せたかっただけだ。そんな馬鹿げた理由。初恋に盲目になった馬鹿が、彼女の前でかっこつけたかっただけ。


でも、きっとどこかで選択を間違えた。引き返せなくなって、あの悲劇的な結末を迎えた。


全部、彼女のためだった。

これをひかりに理解させなければならない。


「ひかり、ゆうさんのあの言葉は、お前が霊輝を使い続けるべきだって意味じゃない」


もう一度涙を流しながら、ひかりが俺に向かってイライラした表情を向けた。でも、俺は自分の信念に確信を持っていた。


「ゆうさんはな… お前の力なんかじゃなくて、お前自身 を信じてたんだ。『全部きみなんだ』って言葉は… 『たとえ力が傷つけても、お前は一人じゃない。俺は お前そのもの を信じてる』って意味だったんだよ」


その瞬間、ひかりの目が見開かれた。さっきまでのイライラした表情が完全に消えて、代わりに困惑だけが残った。正しいことを言えたと思った。少しでも 彼女 が自分の間違いに気づいてくれればいいんだが。


「だから俺自身が、その言葉の価値を証明してみせる!」


ひかりは左右を見回しながら、俺の言葉を消化しようとしているようだった。


「何それ...分からない!!」


叫んだが、今度は本当に理解しようとしているように見えた。涙を拭いて立ち上がると、俺を指差して言った。


「その覚悟を試してやる。一週間やる。わたしに証明してみせろ!」


その言葉で十分だった。これこそ俺が聞きたかった言葉だ。立ち上がって、決意を込めて彼女を見つめた。


「ああ、その言葉の違う見方を見せてやる」


ひかりは少し懐疑的な表情を浮かべたが、むしろ演技をしているように見えた。俺の話で、もう目的は理解してくれたんじゃないかと思う。


「じゃあ、また明日」


振り返ろうとしたが、ひかりが俺の手を掴んで止めた。振り返ると、目を合わせずに小さく言った。


「朝一番にここで待ってる...」


頷いて部屋を出ると、そこにはルーシーとアナスタシアが待っていた。


帰り道、ひかりとの会話をすべて話した。ルーシーとアナスタシアには頼れるとわかっていたが、本当に重要なことは俺一人でやるしかない。


今夜、家に帰りながら悟った。ひかりとの新しい大きな挑戦が待っている。


家に着いた時、遅い時間だったが父さんは何も言わなかった。でも、怒っていたのは別の人だった。


「ライラ、なんで俺を待ってるんだ?」


拳を握りしめて、明らかに怒っている様子だった。


「お兄ちゃん!!!」


ライラを落ち着かせようとしたが、もう遅かった。拳は既に振り上げられていて、素早いライラの拳が俺の頭に直撃した。


ライラを心配させた罰として、痛みを我慢するしかなかった。


『4月 26日 / 9:19』


土曜日の朝、約束通りひかりと会うために歩いていた。土曜の朝の静かな街並みは、俺にとって単純に興味深い光景だった。軽やかな風が頬を撫でていく。


約束の場所に着くと、ひかりがそこで待っていた。でも、何だかイライラしているように見える。こんなに朝早くから、どうしてあんな顔をしているんだ?


まあ、それは置いておいて近づいた。


「おはよう、ひかり!」


でも、ひかりは挨拶を返してくれない。明らかにイライラしている。


「遅い!」


「え?」


ひかりは腕を組んで言った。


「わたし、早朝って言ったでしょ」


「でも、まだ朝の九時だぞ!」


でも、ひかりは言い訳を聞く気がないようだった。


「早朝は五時よ。知らなかったの?」


早朝の解釈について彼女と議論したくない。でも、何か言おうとする前に、ひかりが辺りを見回し始めた。何かを、誰かを探しているようだが、何も見つからないようで落ち込んでいる。


「何かあったのか?」


ひかりは怒った顔で俺を見た。


「お前のせいよ...紫が昨日から帰ってない」


驚いた。紫さんがあの件から帰ってきていない。


「この人手不足、どうするのよ」


ひかりがそう言ったが、その言葉は取り繕っているように聞こえた。実際は、とても心配しているのが分かる。


ひかりが何かを思いついたようで、俺を見て目を輝かせた。


「責任取りなさい!今日から、お前がわたしの助手よ!ア・シ・ス・タ・ン・ト・くん」


この新しいあだ名を一文字ずつ区切って言う彼女の声を聞いて、今日は相当重い一日になりそうだと感じた。それでも、できることは全部やる覚悟はできている。どうやって彼女を助けるか、どうやってそれを示すか、まだ漠然とした考えしかないが、とりあえず今は流れに身を任せることにした。


周りを見回しながら答える。


「誰だよ、そのアシスタントって」


まだ怒っているひかりは、俺の返事でさらにイライラしたようだった。


「お前以外に誰がいるのよ、バカ!」


思わず笑ってしまった。


ひかりは俺がただからかっているだけだと気づいたらしく、少し表情を和らげた。腕を組んで俺に背を向ける。

冗談はこのくらいにして、真面目に聞いた。


「で、何をするんだ?」


振り返ろうとしたが、結局背中を向けたまま答えた。


「鳴羽界隈にウロウロしてる不良どもを追い払うわ。霊輝持ちなら怖くないでしょ?」


その言葉で理解した。この依頼というか、仕事と呼べるものかわからないが、おそらく戦闘の連続になるだろう。でも、まだ霊輝の修行が完全に終わっていない。何か問題が起きるんじゃないかと少し不安になった。


ひかりが歩き始めたので、俺もその隣についていった。

このチャンスを利用して、ひかりのことをもっと知りたかった。横顔を見る限り、揺るぎない強さを感じる。自分に絶対的な自信を持っているような、そんな印象だった。


今一番気になっていることを聞いてみることにした。


「おい、ひかり。この力が霊輝って呼ばれてるって、どうやって知ったんだ?」


その質問を聞いても、歩くのをやめない。横目でこちらを見ると、口角が上がった。何かを自慢したそうな表情だった。

...あの笑い方、アンジュを思い出す。


「わたしを舐めるなよ、アシスタントくん」


本当に自慢げな声だった。聞いただけで分かる。

でも突然、表情が真剣になった。


「二年前、情報屋から情報を買った...渡された書類でそれを発見したのよ」


視線が虚空に向けられている。まるでその書類を一字一句思い出しているかのように。


「そこで霊輝のことが書かれていた。それだけじゃない...魔術師の存在についても言及されてた」


魔術師?

眉を上げた。


「魔術師って?」


うなずく。


「関係があるかは分からない。書類には明記されてなかったから...でも霊輝とその魔術師たちは、何らかの繋がりがあるのよ」


ひかりが魔術師について話しているなんて信じられなかった。


「待てよ、魔術師って帽子からウサギを出すやつのことか?」


彼女は、まるで私が冗談を言ったと思っているような目で見てきた。


「違う。そんなんじゃない。社会に隠れて存在する魔術師たちがいるのよ...」


その単語に、思わず眉をひそめる。現実味のない響きに、脳が少しだけ追いつけなかった。

魔術師――言葉だけ聞けば、まるでファンタジーの世界の住人だ。でも。


考えてみれば、社会に魔術師が実在していても不思議じゃない。証拠なら俺自身の能力があるし、ここ数日の出来事を見れば明らかだ。むしろ、この段階で驚く方がおかしい。

もう驚きの段階は超えた。


そういえば、エミリーの家族も魔術師と同じようなことをしていた。でも、ひかりはまだ事情を完全に把握していないようだ。今のところ、これ以上話さない方がいいだろう。


突然、ひかりが俺の胸に手を当てて止めた。

そして手で何かの合図をし始めた。でも、その手の動きが全く理解できない。


それでも必死に手を動かし続けるひかり。


首を傾げる俺。

ひかりは完全に俺の方を向いて、イライラした表情で叫んだ。


「なんでそこで突っ立ってるのよ!合図してるでしょ、あそこに侵入者がいるから行って攻撃しなさい!!」


前を見ると、確かに奇妙な格好をした怪しい男が辺りをキョロキョロと見回していた。


でも、ひかりの言い方に腹が立った。


「俺は犬じゃない。『行って攻撃しなさい』って何だよ」


「お前はわたしのアシスタントでしょ!文句言うな!」


イライラしたひかりが俺に詰め寄る。

しかし、俺たちが声を上げるにつれて、例の男が俺たちに気づいたようだった。そして、ひかりを見た瞬間、男は明らかに動揺した。


「えっ……?」


次の瞬間、その男は踵を返して走り出した。


「追いかけろ」


まるで部下か犬への命令のよ。癪だったが――男を捕まえる必要がある以上、仕方なく従うしかなかった。


「ったく……」


驚いたことに、一瞬で追いつけた。シャツを掴んで、そのまま腕を押さえ込む。


後ろからひかりがやってきた。どうやらこの男と話をするつもりらしい。


「他の区域の奴が鳴羽界隈で何してる?」


男がくくっと笑った。地面に唾を吐く。


「そうか、お前が有名な親分か」


ひかりが軽蔑するような目で男を見たが、男は全く気にしていない様子だった。


「もうお前らの時代は終わりだ……俺たち東牙会がお前らを潰してやる、ハハハ」


変な笑い方で、聞いているだけで寒気がした。でも、ひかりは何も動じていない。


東牙会…昨日ひかりの話で聞いた名前のような気がするが、彼女は…


「東牙会?それ誰?」


俺とその男、両方とも言葉を失った。

ひかりの凄まじい無関心…というか、こういう組織の名前への無関心に。俺もよく分からないが、どうやら何かの…組織?グループ?のようなものらしい。


「ふざけるな! お前たちが鳴西会だろうが!」


男が怒鳴り声をあげる。だが、ひかりは小さく瞬きをして――


「……あ、そうだった。そういう名前だったね。うんうん……」


うなずきながら納得したフリをしているが、どう見ても今初めて思い出した様子だ。


一瞬、気を抜いた隙に男は俺の腕を振り払って逃げ出した。力任せに押し飛ばされて、バランスを崩しかけた瞬間、男はひかりを避けて走り去った。通りすがりの人たちを容赦なく突き飛ばしながら。


「くそっ!」


すぐに追いかけようとしたが、ひかりが手を上げて制止した。


「待て」


振り返ると、ひかりは前方を見つめたまま言った。


「先にこの人たちを助けるぞ」


その時になって、男が引き起こした騒動の全容が見えた。小さな子供が泣いている。母親が地面に倒れたままだった。別の人は朝食を地面にぶちまけて呆然としている。老人は地面に座り込んで足首を押さえていた。


ひかりの判断力に驚いた。てっきり「行って追いかけろ」とでも言うと思っていたのに、真っ先に被害者たちのことを考えた。


まず倒れた母親のところへ向かった。ひかりは何故か札束を取り出して渡そうとした。


「え?い、いえ、大丈夫です!」


母親は慌てて立ち上がると、そのまま走り去ってしまった。


次に朝食を落とした男性のところへ。ひかりは再び札束を差し出した。


「あ、ありがとうございます...でも、これは...」


男性は困惑しながらも受け取った。


最後に老人が残った。足首を痛がっているのは明らかだった。あの野郎が逃げる時に突き飛ばされたんだろう。

「家まで送りますよ」


「いや、大丈夫じゃ...」


「遠慮しないでください」


男性の家はそう遠くないと聞いたが、背負うには重すぎた。


その老人を家まで送り届けて、家族に引き渡した後も、ひかりは黙ったまま俺を見つめていた。


何も言わない。ただじっと見ているだけだ。


「どうした?」


ようやく気づいて声をかけた。さっきから妙に静かだったが、まさかずっと俺の方を見ていたとは。


ひかりの表情は...困惑?いや、それよりももっと複雑な感情が混じっている。まるで俺の行動が理解できないとでも言いたげな顔をしていた。


「なんで...」


口を開きかけて、また閉じる。


これは珍しい。いつものひかりなら、思ったことをストレートに言うはずなのに。


「なんでって?」


「わたし...お前のやってることが分からない」


やっと出た言葉がそれだった。


分からない?何が分からないんだ?

俺はただ困っている人を助けただけだ。それの何が理解できないというのか。


ひかりの瞳には、本当に戸惑いが浮かんでいた。まるで初めて見る光景に遭遇したかのように。

次回、アレクスはさらにひかりと共に時間を過ごし、彼女の内面や過去に隠された部分へと近づいていく。だが同時に、危険な人々や霊輝に関わる新たな真実が顔を覗かせ、全ては答えのない問いへと繋がっていく。彼の選択と行動が、彼女にどんな影響を与えるのか……。

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