全霊集結
アンジュの決断がすべてを変えようとしていた。
サップ隊長との激戦の中、仲間を守るために――そして前へ進むために、彼女は長く背負ってきた刀を折り、自らの人工霊輝を“返す”選択を下す。
その光は十の軌跡となり、少女たちの胸へ。
失われていた記憶、奪われた絆、そして戦う理由が、一人ひとりの内に静かに戻っていく。
痛みでも義務でもなく、今度は「みんなの意思」として。
再び蘇る力、蘇る想い。
そして――全員で立ち向かうための最後の形が整っていく。
過去の再生と力の帰還、そして最終決戦への集結。
『??? / アレクス』
アンジュを強く抱きしめている。離したくない……でも、まだやらなければならないことがある。
「アンジュ、これは君の刀だ」
アンジュは刀を受け取り、何も言わずにじっと見つめていた。それから他のみんなを見回す。
「どうしたんだ、アンジュ?」
「サップ隊長は強すぎるのよ。このままじゃ終わらない……力を合わせて倒さなければ」
「何を言いたいんだ?」
アンジュは苦労しながら立ち上がり、最後の涙を拭いてから全員を見回した。
「聞いてちょうだい……みんな、以前のように戦いたい?」
みんな考え込んで困惑している。俺にも何を言いたいのかわからなかった。
「私、オマエたちに人工霊輝を戻すことができるわ」
「何だって!?」
信じられない。そんなことがずっと可能だったのか?
「どうしてそれが可能なんだ?なぜ今まで言わなかった?」
「本当はわからないのよ。今、推測しているだけ」
「何!?」
「聞いてちょうだい、みんな。狂気かもしれないし、その人工霊輝に蓄積された記憶を永遠に失うかもしれない……それでも聞くわよ。戦いたい?」
ライラが迷わず前に出た。決意の笑顔を浮かべて、決断したようだった。
次にルーシーが前に出て、アナが続き、メリッサ、フィリア、レイナ、スズ、ノア、ルビー、そしてひかりが続いた。人工霊輝に蓄積された記憶を失う可能性があっても、みんな戦う覚悟を決めていた。
「本当にいいのか、みんな?何かあれば、その記憶は失われてしまうぞ」
でも、みんな決意は固い。誰も迷っていない。
そして、アンジュが刀を持ち上げて――折った。刀身が折れた瞬間、十個の小さな青い光が放たれ、空中で回転しながら飛び出した。その光は眩しく輝き、この場所の暗闇を照らしている。
遠くからサップの声が聞こえた。
「やめろ!私の人工霊輝を――何をしているのだ!?」
サップが急いでこちらに向かってくる。十個の青い光が空中で回転している。でも、サップが一つにでも触れる前に、その十個の青い光が空から降り、全ての少女たちに吸い込まれ、胸の中に入って融合していく――
『ルーシー』
目を閉じた。人工霊輝があたしの中に流れ込んできて、失くした記憶がゆっくりと戻ってくる。あの日のこと……アレクスがあたしの手を引いて学校から走って逃げ出したこと。デートをしようって言ってくれたこと。夢喰いと戦って、一日中一緒に過ごして……あたしの特別な場所に連れて行ってくれて。そして最後に、あたしを解放してくれるって決めた時に……。
あのキスを。
これがあたしが失った記憶。これがあたしが忘れてしまった、大切な思い出だった。ついに、アレクスの顔をちゃんと見ることができる。すぐそばにいる彼の顔を。
胸が温かくなって、心臓がドキドキと早鐘を打っている。
手を胸に当てると……この感覚。とても懐かしい感覚がそこにある。
手を伸ばして、強く引き寄せる。あたしの手の中に現れたのは、あの剣。ずっとあたしと一緒にいてくれた剣。夢喰いと戦い続けてきた、あたしの相棒。
もう準備はできてるわ。
アレクスと一緒に戦う準備が。
これで敵は確実に倒せる。
だって、あたしがずっと望んでいたもの全てがここにあるから。
今のこの生活が、この剣に込められているの。
みんなの未来のために戦うわ。
『アナスタシア』
目を閉じると、人工霊輝が全身に流れていくのを感じた。奇妙でありながら、同時に懐かしい感覚だった。アレクスとの記憶が蘇ってきた。あの日、彼があたくしを追いかけてきたのは、ただ助けたいと言うためだけだった。そんな良いことが本当にあるなんて信じられなかった。あの時は彼を傷つけてしまうのではないかと怖かったの。でも彼は諦めずに、あたくしを探し続けてくれた。本気で助けたかったから。
あの古い家にいた時、あのカフェテリア、彼があの橋に連れて行ってくれた時、そして――
そのキス。
そういった記憶が鮮明に蘇ってきた。一緒に過ごした瞬間の彼の顔がはっきりと見えるの。感謝の気持ちしかなかった。真実を知った時から抱いていた、あの感謝の気持ちが再び込み上げてきた。
人工霊輝から解放される前のことを覚えていないのは悲しいことだった。彼のことを覚えていなかったのは。でも今は新しい記憶がある。彼との、みんなとの新しい記憶が。
胸に手を当てると、あの懐かしい感覚があった。そこから引き出すと、銃が現れた。夢喰いと戦う時にいつも一緒だった銃が。
この力が戻った今、またアレクスと一緒に戦えるの。今度こそ彼を守れるわ。今度こそ、あたくしたちが一緒に過ごしたいと願っている未来を守れる。この戦いのすべてを賭けて、みんなが幸せになれるように。彼の側で。
『ライラ』
目を閉じた瞬間、アレクスと出会った頃の思い出が蘇ってきたの。でも、あの時とは違う。人工霊輝は今度は痛くなかった。何か違うことが起こってるなの。
エミリーがわたしを連れて行ったレストランで初めてアレクスに出会った日を思い出した。お家で一緒に過ごした時間も。テーブルで一緒にお話ししたことも。遊園地で夢喰いと戦った時のことも……。
そして、わたしがあなたにしたキスのことも。
失っていたこの記憶たちが戻ってきて、泣きたくなったの。でも我慢した。今度は霊輝が痛くないから。だからこうすることができるなの。
胸に手を当てて、鎌を取り出した。この鎌は前のとは違う。もうあんなに暗くないし、使っても体が全然痛くないの。もしかして……わたしはついに成長したのかな?大人になったのかな?
自分の本当の出生はまだわからない。なぜ生まれた時から天然霊輝を持っていたのかもわからないなの。でも、もうそんなことはどうでもいいかも。ずっと欲しかったのは家族だった。そして今、アレクスと一緒にちょうどそれを持ってるの。
それに、状況についてまだ説明しなきゃいけないことがたくさんあるなの。
でも大丈夫。みんな優しいから。みんなアレクスを、わたしが愛してるみたいに愛してる。
みんなで一緒に戦って悪い奴を倒すの。そして終わったら、みんなで一緒にお家に帰るなの。
アンジュとお話しできる。エミリーとメリッサもひかりとも、他のみんなともお話しできる。そして今度からアレクスともっとたくさんの時間を過ごせるなの。
『ひかり』
目を閉じた瞬間、あの時と同じ感覚が襲ってきた。人工霊輝を受けた時と全く同じ。でも今度は、記憶が脳裏に蘇ってくる。アレクスと過ごした時間が。
あいつがわたしを助けようとしてくれた日々。わたしの中にある何かを理解させようとして、わたし自身が気づかなかったものを見せてくれようとして。わがままで身勝手な要求ばかりしてたのに、何日もわたしに付き合ってくれた。
初めて会った時のことも思い出す。どんな騒ぎを起こしたか。あいつがどうやって犯罪組織に一人で立ち向かって、わたしをあそこから救い出してくれたか。
そして……わたしの初めてのキス。
共に過ごした日々が、今はもっと鮮明に蘇ってくる。わたしは夢喰いと戦ったことなんてなかった。でも今はそんなことどうでもいい。
胸に手を当てて、鞭を取り出した。初めて使ったのはアレクスをあの夢喰いから守った時だった。
昨日の自分より今日強く、そして明日はもっと強くなる。
止まることはない。
アレクスと一緒にいたい。アレクスのために全てを捧げたい。とって最高の女になりたい。強くなりたい。心の底からそう願ってる。
戦う準備はできてる。他の女の子たちにはそれぞれの考え方があるかもしれない。でも今、あの子たちを見てもライバルじゃなくて、同じ道を歩む仲間に見える。アレクスと共に歩む道を。
『メリッサ』
アレクスと一緒に過ごした時の記憶が、次々と思い浮かんできた。失ったものが、今記憶の中に戻ってきている。アレクスと過ごした瞬間、あの人がわたしのためにどれだけのことをしてくれたか……漫画喫茶に会いに来てくれた時のこと、この人工霊輝からわたしを救うために危険を冒してくれたこと。
いつもこれは特別な力だと感じていた。でも今度は夢喰いと戦うんじゃない。今度はアレクスと一緒に、みんなのために戦える。一緒に過ごした時間の記憶を持てるなんて……。
断片的な記憶じゃなくて、はっきりと思い出せるなんて、最高の幸せ。
あのキスを特に思い出す……恥ずかしい……。
これがゲームだったら、これが最終戦。だから全力でいかなきゃ。
胸に手を当てて杖を取り出した。手に持つ感覚……久しぶり。この杖はアレクスが持ってるのと同じ。わたしたちが運命の相手だっていう証拠。でも、ゲームみたいに、これは二人だけのチームじゃない。もっと仲間がいる。そのもっとっていうのは、みんな。
みんなと一緒にいるのは緊張するけど、みんな優しいってよく分かってる。みんなアレクスを愛してる……わたしと同じくらい。だって、アレクスはみんなのためにたくさんのことをしてくれたから。
最終戦で全力を尽くす時。
「正義は必ず勝つ!――でも後で課題を終わらせなきゃ……」
『フィリア』
心に流れ込んでくる記憶が、太陽の光を追いかけるひまわりのように現れ始めるのを感じました。その光を追いかけていると、記憶が私と一つになっていくのが分かりました。
あ〜……確かに、アレクスの外見だけは覚えていました。でも今、その記憶は、彼と過ごした全ての瞬間や、彼を見守っていた時間と完璧に結びついていきました。
ついにアレクスとのキスを思い出すことができました……。
この力が戻ってきたのです。
胸に手を当てて、霊輝の鳥たちを出現させました。いつも鳥の創造物を作るのは、鳥が大好きだからです。自由に空を飛び、自由を表現している存在。いつも高い所から見下ろして……この力があれば戦うこともできますが……。
本当のことを言うと、今は特別な力も持っています。与えられた力で、まだ話すべきかどうか分からないのですが……もしかしたら例外はアレクスかもしれません。でも他の皆さんには嘘をついたり隠したりしたくありません。この力も、もし状況が困難になったら迷わず使うつもりです。
なぜなら過去とは違って、今は確信しているからです。自分の居場所はここ、みんなと一緒にいることだと。アレクスだけではなく、今はみんなが――家族だと感じているのですから。
『ルビー』
アレクスのこと、あの記憶の断片を思い出した瞬間――全てに色が戻ってきた。心が炎に包まれるような感覚だった。何か強くて、力強いものが内側で燃え上がってる。戦いの魂が、また彼の隣で戦いたいって叫んでる。
手を胸に当てた瞬間、戦闘用のグローブが現れた。拳が戦いを求めてる。いつもこの感覚があった――戦いたいって気持ち、強くありたいって思い。でもアレクスと出会って、別の種類の強さも教えてもらった。物理的な力じゃない強さ。心の強さだ。
彼が家に来てくれたこと、あの島で一晩二人きりで過ごしたこと、ネックレスを一緒に探してくれたこと――
全部思い出してる。全部ここにある、記憶の中に。
分かってる。今の強さはアレクスだけじゃない、ボクだけでもない。今は不壊の城みたいだ、誰も止められない大海みたいだ。
アレクスを守るためだけじゃなく、みんなを守るために戦う。
でも今度は違う――前の失敗とは違う。今度はみんなと一緒に戦える。ここにいるみんながアレクスの強さになってるから。
それが彼の望みなら、ボクもその強さの一部になる。また弱くなったとしても、訓練を止めない。アレクスと、みんなと一緒に戦い続ける。
それが今のボクの新しい理由だ――止まらずに前に進む理由だな。
『スズ』
心臓が激しく鼓動しているのを感じる。アレクスと過ごした全ての瞬間を思い出すことができます。彼が私の部屋のドアをノックしてくれた時、アカデミーから救い出してくれた時……
彼は私をそのまま受け入れてくれました。私の外見なんて気にしなかった。どんな風に見えようと関係なく、ただ私が再び自由になることを望んでくれていた。
そのすべてを思い出しながら、この気持ちに応えたいと思います。
アレクスは私にとって大切な人、とても特別な存在になりました。彼の存在、彼の全てが私にとってのすべてです。でも同時に、彼は私が自分の力で前進することも望んでくれています。
ずっと誰かの愛を感じたいと思っていました。そして今、それを手に入れることができるかもしれません。
心臓の鼓動が止まりません。
この世界で最も強力な魔法でさえ、今私が感じているこの愛を理解することはできないでしょう。
たとえ魔法の力を持たなくても、彼についていきます。たとえ全世界が終わろうとも、アレクスと一緒にいるつもりです。
胸に手を当て、本とペンを取り出します。今こそ皆と一緒に戦う時です。未来のために、一緒にいるために、すべてのために。私はすべてを捧げます。これは単純なことではありません。命をかけることになるかもしれませんが、それでもすべてを捧げて、みんなで生きて家に帰るために。
私たちが皆経験してきた感情は、激しく、情熱的に生きてきたことの証なのです。
『ノア』
あたしの頭に、全ての記憶が戻ってきた。アレクスとの記憶が、まるでコップに注がれる水のように流れ込んでくる。言葉じゃ足りないわ……あいつがあたしに示してくれた忍耐を表現するなんて。人工霊輝からあたしを解放しようと、ただそれだけのために。
強い心、強い意志……あいつへの想いが育っていったのを、今ははっきりと分かる。胸に手を当てると、心臓が止まることなく激しく鳴ってる。
盾を取り出す。右腕に現れたこの盾は、アレクスを守るだけじゃない。みんなを守るのよ。
あたしはいつだって、誰よりも長い間耐え続けてきた。感情も、気持ちも、みんなが通り抜けた状況も……
全部あたしの盾でもあるの。だからあたし自身がその痛みを吸収する。みんなの盾になるために。
空っぽだった人生に、居場所をくれたから。
今なら前に進める。
人生の別の部分を見つめることができる。
記憶と心が一つになってる。記憶の中に全てが残ってる。
たとえまた全ての記憶を失ったとしても、あたしは思い出すわ。
感じてることを。言葉なんて必要ないもの。
心臓が強く鳴ってるから、前に進むために。
みんなを守る準備はできてる。
あたしみたいに迷子になることがないように。
全てにもっと色がある。全てがもっと輝いてる。今見てる景色は違う。全てがもっと暖かくて、安心して眠れる。これがあたしの心と記憶が一つになったってことよ。
みんなと一緒に、輝く未来のために戦う準備ができたわ。
『レイナ』
胸に手を当てた。アレクスとの記憶が戻ってくる。あの人と過ごした瞬間が、より鮮明に蘇る。
いつも困難で、失うことばかりの人生だった。でも、アレクスは私に最も価値のあるものをくれた。輝き続ける力を。人生への希望を。
もう闇はない。アレクスのおかげで新しい視界が生まれた。心を汚染するために這い込んでくるものは、もうない。
以前は灰色の風景しか夢に見なかった。一人で。誰もいない。冷たさと湿気だけが友達だった。
でも今は違う。希望を含んだ光がある。
歌を書く。この声で歌う。言葉と声が一つになって、感情を伝える。今がその時。
手を前に動かす。目の前に鍵盤が現れる。幽玄のピアノ。
本当に全てを捧げる瞬間。
でも犠牲にはならない。
与えられたものを守らなければ。
この小さな贈り物を。命と呼ばれるものを。
音で乱し続けなければ。より多くの人に聞いてもらうために。信じて、全ての感情に届くように。人々の心に響く言葉を。
感じていることを教えるために。私を持ち上げてくれた腕を掴んで。明るくて喜びに満ちた未来に手が届くように。いつも望んで、期待していた未来に。
いつか私の言葉が皆の心を満たすように。全ての心の奥深くに響くように。
そして囁きの音が、沈黙のエコーを通り過ぎる時。そこに私がいる。全てに再び立ち向かうために。立ち上がって、進むために……。
この小さな光が近くにいる。生きていてほしいと願いながら。天国にいるのか地獄にいるのかわからないけれど。
どちらにせよ、この道で。まだ言える。生きるために。全てに最低でもハッピーエンドがあるように。
『アレクス』
サップが動きを止めた瞬間、みんなが人工霊輝と再び繋がった。全員が霊輝の武器を構えて、サップを倒すための最後の戦いに備えている。俺も戦いの準備を整えた。みんなと一緒に戦う時が来た。全てが整った。今度こそ、これで終わらせる時だ。今回は風が味方についている。この機会を無駄にするつもりはない。
ルーシーが素早く飛び出した。彼女の剣がサップの刀と激しくぶつかり合う。だが、そこで止まらない。アナが遠距離から射撃し、サップの肩を撃ち抜いた。
「今よ!」アナの声が響く。
サップは逃れようとしたが、背後にはもうルビーが待ち構えていた。彼女の一撃がサップを砂地に叩きつけ、黒い砂が舞い上がった。
続いて数羽の霊輝の鳥が弾丸のように放たれ、爆発に包まれてサップに逃げ場はなかった。それでもサップはまだ力を持っていて、全速力で空へ飛んで逃げようとした。
だが、レイナが既に準備していた。彼女がピアノに触れると、その音が強く場所全体に響き渡る。
「逃がさない」レイナの冷静な声。
突然、サップが空中の何かに激突した。レイナが作り出した、逃げられないようにするための見えない障壁だった。
ルーシーがサップを追いかける。サップはルーシーから逃げることしかできなかった。サップがルーシーから飛んで逃げている間、既にライラが攻撃の準備を整えていた。回転しながら大鎌を振るい、サップを傷つけて後退させる。
だがサップは背後にルーシーがいることを忘れていたようだ。ルーシーの剣がサップの胸を斬り裂き、再び砂地に墜落させた。
攻撃はそこで終わらない。下でメリッサが待ち受けていた。杖を使って先端から雷を作り出す。その雷が何でできているかは分からないが、紫色に光っていた。
「もう終わりね」メリッサの低い声が響く。
サップはますます弱っているようで、ただ逃げようとするだけだった。メリッサはわざとサップを逃がしたのかもしれない。そこにひかりが現れ、鞭で足を縛り上げて爆発で吹き飛ばした。どうやらもう片足を失ったようだ。
その後、スズが本を使って書き込むと、突然サップの周りに竜巻が形成され、その中で回転しながら吹き飛ばされていく。
「まだまだよ!」スズの元気な声。
スズは満足していないようで、今度は魔法の力を使って攻撃した。空高くに魔法陣が現れ、そこから魔法の鎖が出てサップを縛り上げた。
そうしている間に、ノアがみんなを守るためのバリアを準備した。今こそレイナが決定的な一撃を放つ時だ。持てる全ての力を使ってサップを倒すのだ。
これが最後の瞬間だった。みんなでサップを終わらせる。
これが本当の最終決戦だ!
次回、最終回の一つ前。
サップ隊長との戦いはついに終わりへと向かう。
追い詰められた彼が放つ「最後の手段」、そして十人の霊輝が重なり合う瞬間が訪れる。
その果てに待つのは、レイスドールの奥底に隠されてきた「真実」。
アンジュとアレクスが辿り着く場所で、何が差し出され、何が試されるのか――。
そして、長い旅路における、終焉へ続く扉が静かに開き始める。
絆も、霊輝も、願いも。
すべてが一つの未来へと収束していく。




