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霊輝  作者: ガンミ
107/130

予期せぬ遭遇、そして告白

修学旅行が終わり、再び日常が戻ってきた。

“最後の少女”の手がかりは見つからず、代わりに奇妙な出来事ばかりが残った。

アレクスの心は妙なざわめきに包まれていた。

青く光る閃光、そして空を駆ける“誰か”の姿。

――長く閉ざされていた“真実”が動き出そうとしていた。

『11月18日 / 11:48』


今日はロバートと俺の割り当てられたグループと一緒に、先生と観光地を回っていた。最初の場所は古い城のようで、距離からしか見ることができなかった。立ち入り禁止だったからな。案の定、ロバートが写真を撮っていた。


周辺を見ながら歩いていると、公園のような場所に着いた。まあ、本当は公園じゃないんだが、そう呼んでおこう。とても広い場所で、木が少しあって地面はコンクリートだった。辺りを見回していると、奥にある小さな神殿への景色が妙な印象を与えてくる。


しばらくして、先生が近くにあるレストランに連れて行くと言った。昼食の時間だったからな。そのレストランに向かって歩いていると、歴史に満ちていたこの地区が、今では技術都市になっているのがよく分かる。極端にきれいな街を歩いて、あちこちで自動化を見るのは本当に奇妙だった。


先生が立ち止まって言った。


「ここで待っててくれ、みんな。席の予約を取りに行ってくる」


先生を待っている間、道の向こう側のビルの上に大きなスクリーンがあるのに気がついた。そこには音楽アーティストのようなもののプロモーションビデオが流れていた。突然、二人の女性が俺の近くに立って、話しているのが聞こえた。


「見て見て!彼女よ、戻ってきた!」


「誰のこと?」


「え〜知らないの?」


「知らない、誰?」


「彼女はレイナ・リストよ」


「聞いたことない」


「有名なピアニストよ!でも去年突然消えちゃったの」


「怖い〜」


女の子たちは離れていき、俺はそのピアニストの女性を映している大きなスクリーンを見つめていた。もっと考える前に、先生が戻ってきて、レストランで昼食を取る準備ができていた。


観光を終えてホテルに戻った。全て順調に行っているようだったが、またしても廊下で、前と同じ男が走って現れた。今度は俺のすぐそばを通ったが、素早く避けた。


ロバートは俺の素早い動きに驚いていた。


「うわあ、すげー反応だったな!」


「別に何でもない。ただ周りに注意してるだけだ」


「それってすげーな!俺もできるようになりたいぜ!」


「でも話変わるけど……あの男、なんでいつもここに現れて走ってるんだ?」


「……分からねー……急いでるのかもしれないぜ」


何かがおかしいと感じていた。あの男は何かを企んでいるかもしれない。


「ロバート、先に行ってくれ。俺は……水を取りに行く」


立ち去る前に、ロバートが俺の言い訳を信じていないのに気がついた。もしかすると俺の本当の意図を見抜いたのかもしれない。


辺りを見回してその走っている男を探すと、別の廊下の奥にいた。誰かと電話で話しているようだった。できるだけ近づいて聞こうとした。


「聞けよ、俺は気にしない……分かってる……でも言ってるんだ、彼女が……はい、はい……」


明らかに何を話しているか理解できない。「はい」しか言わないか短い文だけだからな。男は電話を終えて静かになった。突然怒ったようになって、廊下にあった植木鉢を蹴った。


男が俺がいる方向に来ていた。身を隠すために飛行能力を使って天井にくっついた。男に見られないようにな。男が去った後、地面に降りた。


本当にあの男は危険なのか?それとも何をしているかでイライラしているだけなのか?


結局部屋に戻ったが、廊下の真ん中にまだロバートが立っていた。どうやら俺を待っていたようだ。


「まだここで何してるんだ?」


「えーと……道に迷うかもしれないって心配だったし……俺のせいにされたくなかったしさ、はは」


思いやりがあるのか、それとも本当に責任者になることを心配してるだけなのか分からなかった。


結局、この日はこうして終わった。明日はまだやることがある。それに、割り当てられたグループだけじゃなく、友達と一緒に過ごす自由も与えられる。友達に会えるし、もしかしたらルーシーにも会えるかもしれない完璧な機会だ。


『11月19日 / 13:50』


今日の遠足では神殿を見に行った。構造が変で、俺が知ってる設計とは全然違うけど、神殿って呼ばれてるらしい。歴史の詳細は置いといて、この変な神殿は完全に白かった。


ようやく先生が許可をくれて、みんなこの辺りを自由に見回れるようになった。何人かは友達を見に行って、ロバートも行っちまった。俺は榊を探しに行って、見つけた。


「おい榊、どうだ?」


「アレクス!この旅行は自分を見つけるようなもんだな」


「...えっ?」


榊はこの旅行で自分について考えてるみたいだったけど、いきなりこんな話題を出すなんて急すぎる。突然まいが近づいてきた。


「やっほ〜、あんたら二人何してるの〜?」


榊は驚いた。まいが突然現れて後ろから抱きついてきたからだ。


「えっ?!まいさん?」


「榊くん、この場所で心が開かれちゃった〜?」


榊をからかってるみたいだった。さっきの話を聞いてたのかもしれない。


「離れろ!そうやって俺をからかうのやめろよ。本当に世界の違う場所を見て進化した気がするんだ!」


まいが否定的な様子で割り込んできた。


「だめだめ〜、ただ北の街にいるだけよ〜、世界の違う場所じゃないって〜」


「どうでもいい。この旅行で普段見慣れてるものに新しい視点をもらったんだ」


まいは諦めたみたいだった。それから俺の方を向いて、急に怒った。


「ちょっとアレクスくん、何してるのよ〜?」


「何って、修学旅行にいるに決まってるだろ。お前や他のみんなと同じようにな」


俺はからかうチャンスを狙ってたけど、まいは皮肉な笑顔で近づいてきて、腕を軽く叩いた。


「なんで叩くんだよ?」


「ルーシーたんと一緒にいないの〜?」


「え……?」


まいは俺を押しながら歩き始めさせた。


「ルーシーたんがあっちにいるから、早く早く行って〜!」


混乱した俺はまいを最後にもう一度見たけど、彼女はもう背中を向けて榊と話し始めてた。


まいが指した方向にルーシーを探しに行った。少し歩いた後、そこにいた。周りを観察してるところだった。俺が近づくと、彼女は俺の存在を嬉しそうにしてた。二人で観察して、見えるもの全てを見ながら一緒に時間を過ごした。


ついに時間が終わって、ホテルに戻らなきゃいけなくなった。今回はロバートと俺は、いつも廊下を走ってる例の男と出くわさなかった。


部屋に戻ると、ロバートが撮った写真を見てたけど、デジタルカメラを見て少し……怖がってるみたいだった。何を撮ったんだ?


好奇心で近づいた。


「どうした?幽霊でも撮ったのか?なんちゃって!」


でもロバートは恐怖の顔で俺を見て、デジタルカメラの画面を見るよう手を差し出してきた。


俺がそれを見た時、同じように怖くなった。でも写真に幽霊が写ってたからじゃない……この写真に写ってたのは……アンジュの世界の存在だった...でも何でそこにいるんだ?


『11月20日 / 10:26』


ロバートと一緒に帰る準備をしていた。今日は帰る日だった。間違いなくこの修学旅行は楽しかったな。あの写真をロバートが撮って、フォーラムに投稿して何なのか調べるって言ってたけど……俺は当然何も言わないし、何かを促すつもりもない。でも、あの写真の裏にある真実はよく知ってるんだ。


部屋を出た時、いつもこの廊下を走っている男のことを思い出した。結局あの男は特に危険な感じはしなかったな。歩き始めた途端、また例の男が廊下を走って現れた。


「邪魔だ!!」って叫びながら。


俺とロバートは慌てて壁にピタリと身を寄せ、男を通させた。男は猛スピードで駆け抜け、廊下の奥の部屋に飛び込んでいった。


「あの人、何があったんだろう?」


ロバートも俺と同じくらい興味深そうに見つめてる。突然、あの男が来た方向から大勢の足音が聞こえ始めた。今度は色々なメディアの記者たちの群れが大急ぎで歩いてきて、誰かを探してるようだった。


一人が俺に近づいてきた。


「おい、君、すみません。男性か女性がここを通るの見ませんでした?」


「ああ、全然見てない……」


さっきの男を見たことは隠したけど。ロバートが突然言った。


「ちょっと前に男の人があっちの方向の最後の部屋に走って行ったぜ」


「ありがとう!」


その記者と他の記者たちは歩調を早めて最後の部屋まで行き、ドアをノックし始めた。誰も開けないけど、記者たちは諦めずに続けて、ついにドアがゆっくり開いた。さっきの男と私設警備員らしき人たちが一人の女性を護衛しながら出てきた。


ロバートがなぜかデジタルカメラを取り出してこの瞬間の写真を撮った。記者たちはその女性を追いかけて、警備員たちに囲まれて大騒ぎになって、ついに視界から消えていった。


ロバートは画面を見つめて、何かに気づいたようで声を上げた。


「うあああ!!」


「どうした?なんで叫んでるんだ?」


「さっきの女の人、見ろよ!」


ロバートが画面を見せてくれて写真をズームした。女性は背中を向けていて、長い濃い茶色の髪と細い体型しか見えなかったけど、俺には何を見るべきなのかわからなかった。


「誰だって?」


「レイナだよ!失踪した有名なピアニストだぜ!」


有名人がこの同じホテルに泊まってたなんて知らなかった。驚くべきことだな。たぶんそれで、いつも走り回ってた男がいつも急いでたんだろう。芸能界は長時間アクティブでいなきゃいけないし、あの男みたいに疲れ果てるんだ。


結局俺とロバートはグループに戻って、帰りのバスに乗る準備をした。最終的に何の問題もなく帰れた。その日の残りはあまりにも普通で、こんなに平穏だとは思ってなかった。


『11月21日 / 22:54』


また目が覚めた。ここ最近全然眠れてない。最後の女の子を探すための手がかりも何も見つけられないまま、忙しくて何も進展がないことが心配になってきた。


立ち上がって水を飲みに行くことにした。少しでもリフレッシュできるかもしれない。


キッチンで水をコップに注いでいると、外から何か重いものが勢いよく落ちる音が聞こえた。まるでゴミ箱が地面に叩きつけられたような音だった。


急いで正面の窓に向かって走った。でも何も見えない。その時、遠くの方で青い光の閃光を感じた。その青い光は霊輝にとても似ていた……。


外に出て調べることにした。音が聞こえた方向と青い閃光が出ている場所に向かって走った。


ついに空にたどり着いた時、そこには『夢』がいた。そして、その近くを、動きが速すぎてはっきり見えない男の姿が走り回っていた。ただ、その輪郭には、どこか見覚えがある気がした。


ついに『夢』が俺の存在に気づいたらしく、振り返って恐ろしい巨大な笑みを浮かべた。


「見つけたぞ!」


『夢』は空から俺に向かって真っ直ぐ急降下してきた。大きくジャンプして後ろに下がり、衝撃を避けた。この『夢』は新しい種類だ。こんなタイプは見たことがない。


「お前は誰だ?」


「ふはは……我はモルフェウス、『夢幻十刃』の九番目なり」


戦いの準備をしなければならなかったが、動く前に、さっきの人が後ろから強烈な一撃を放ち、モルフェウスを地面に叩きつけた。土埃と瓦礫が舞い上がった。


月の光の下でその男が姿を現した――――


「父さん!?」


父さんは俺を見て少し下を向いているようだった。でも俺は驚きと疑問の間で揺れていた。どうして父さんも飛べるんだ?どうしてさっきその『夢』と戦っていたんだ?


父さんは再びモルフェウスの方を見た。父さんは俺の視界から消えて、モルフェウスの隣に現れ、また拳を叩き込んだ。サンドバッグを叩くように連続して攻撃していた。


姿勢を変えて、今度は蹴りを繰り出している。蹴りが当たるたびに衝撃波まで作り出しているようだった。


モルフェウスが反撃したが、父さんは流れるような動きで素早く避けた。霊輝のエネルギーを放ち、瞬時に爆発してモルフェウスを吹き飛ばした。でもモルフェウスは俺に近づこうとしたが――――


次の瞬間、モルフェウスの巨大な体が吹き飛んだ。父さんの拳が直撃したんだ。空気が震えて瓦礫が舞った。


「くそ……貴様はただの人間ではないか!」


父さんは一歩も下がらなかった。無駄な動きをせず、拳と足で相手を圧倒していた。まるで武道の達人のような動きで、さらに、奇妙な霊輝のエネルギーが父さんの全身を包んでいた。拳は火花のように光り、蹴りの風圧が地面を貫いた。


「うおおおおお!!」


父さんの声と共に、全身が強く光った。


「『レイディアント・クラッシュ』」


轟音と共に光の奔流が解き放たれ、夜を昼に変えるほどの閃光を作り出した。衝撃波が、本能的に腕で顔を覆った。


「信じられない……これが父さんの本当の姿なのか……」


心臓が激しく鼓動していた。ただ息を殺すことしかできなかった。


でもモルフェウスが立ち上がった。煙の中からその影が現れ、笑っていた。


「忌々しき貴様ら人間共、特に特別な者どもを我が全て滅ぼしてくれよう!」


モルフェが手を上げると、巨大な筆が手の中に現れた。


「『夢骸』」


突然、その筆から奇妙な黒いインクが飛び散り始めた。まるで生きているかのように、凝血の塊のように浮遊しながら彼の周りに形成されていく。だが父さんはモルフェの行動に動じることなく、再び彼に向かって突進した。父さんの放つ拳の一撃一撃が風の波動を生み出し、夜中に響き渡る。空気が衝突のたびに爆発していた。バン!クラック!光と闇が絡み合い、大地と空を揺るがす戦いが繰り広げられた。


俺はただ身動きできずに、父さんがウィリアムですら見せたことのないような戦い方をしているのを見つめるしかなかった……一体父さんって何者なんだ?俺は何を知ってるって言うんだ?俺の前で展開されているものは明らかに人間の戦いじゃない。


父さんが両手を広げると、霊輝が急速に手の中に蓄積されていく。


「『カデナス』」


霊輝で作られた鎖が父さんの手から出て、モルフェを縛り上げた。


「畜生!離せ、この忌々しい奴が!」


その後、父さんは大きく後ろに跳躍し、両腕で顔の一部を覆うようなポーズを取って言った。


「『ファントムドラゴン』」


今度は霊輝とは異なる、もっと謎めいた何かが父さんの後ろに形成され始めた。まるで巨大な何かが創造され、あるいは召喚されているかのようで、それが完全に物質化したとき、それはドラゴンの頭部のようだった。そして瞬時に咆哮した。


「グオオオオオォォォォッ!!」


そのドラゴンの咆哮は耳をつんざくほどで、鼓膜が破れそうになった。そのドラゴン、いや正確にはそのドラゴンの頭部が一口でモルフェを飲み込み、彼と共に消え去った。


この騒音の後の静寂はあまりにも奇妙で、耳がまだ鳴り続けていた。父さんが近づいてきた。何の顔をすればいいのか、何を言えばいいのか、何をすればいいのか分からなかった。下を向いて何も言わずにいたが、その時父さんの手を感じ、抱きしめられた。


「すまない、アレクス……」


正直、混乱していた。父さんが何かを隠していることは知っていたが、これほどのレベルだとは思っていなかった。見たものは、エミリーの母親が言っていた通り、俺が特別な家族の出身だという決定的な証拠だった。この瞬間があまりにも突然で、これ以上何を言えばいいのか分からなかった。


結局、何も言わずに沈黙のまま家に帰った。


リビングにいた。父さんが立っていて、俺たちは何も話さず、見つめ合うこともない。静寂が俺たちを包み込んでいる。話さなければならない。すべてを明らかにする時だ。


「父さん……真実を教えてくれ。俺たちって一体何なんだ?」


父さんが振り返って俺を見た。深刻な表情で状況を受け止めている。腕を組んで、ため息をついた。


「分かった。もう話す時が来たと思う。でも、その前に聞きたいことがある」


「何を知りたいんだ?」


「まず、エミリーとはどうやって知り合ったんだ?」


「彼女は俺と同じ学校に通ってる。ある朝早く...まあ、俺が彼女にぶつかったんだ...」


「……?随分な出会い方だな」


恥ずかしいことだったが、実際そうやって知り合ったんだから仕方がない。


「二つ目に聞きたいのは、この前の女の子とはどう知り合ったんだ?」


「この前の女の子?」


「あ!でも君には沢山いるからな。スズって名前の子のことだ」


「おい、なんでそんな言い方するんだよ?」


「すまん」


「スズか……そうだな」


スズとどう出会ったか、そして彼女だけじゃなく他のみんなとどう出会ったかを正しく説明するには、まず俺が何をしてきたかを告白しなければならない。


「父さん、告白しなきゃいけないことがある」


俺は父さんに、この街に来てからやってきたことすべてを話した。アンジュとの出会い、女の子たちとの出会い、人工霊輝、夢喰い、そしてあの『夢』のこと。エミリーの家族を知ったこと、エミリーの母親から真実の一部を聞いたこと、霊輝の訓練をしていたことまで、すべてを告白した。話すたびに、父さんが深い思考に沈んでいくのが分かった。説明を終えると、父さんは思慮深げに手を顎に当てた。


「うーん……」


「何をそんなに考えてるんだ?」


「沢山気になることがあるが、順を追って話そう」


父さんは辺りを見回し、何かを探しているようだった。最後に俺を見た。


「そのアンジュって子、今はここにいないようだな?」


「そうだ。今は遠征に出てる」


「それで多くのことが説明がつく……」


「何のことだ?」


「学校初日を覚えているか?車で送った時、運転していたら、アンジュが俺の隣に座っていた...既に幻覚を見ているのかと思って、幽霊でも見ているのかと思ったよ」


そう考えると……父さんは最初からアンジュを見ていた……ってことなのか?


「待てよ父さん、アンジュが近くにいた時はいつも見えてたのか?」


「ああ……」


「えええ――――!!」


「仕事から帰ってくると、時々彼女がソファに座ったり寝転んだりしてテレビを見ているのを見かけた。見えないふりをしてテレビを消すと、彼女が怒るんだ」


それってすごくアンジュらしい……。


「別の時はトイレに入ると、なぜか彼女がそこで何かをしていた。またしても見えないふりをして用を足し始めた―」


「やめろ、それ以上詳しく聞きたくない」


「別の時はライラの部屋で彼女を見かけた。とても自然に話していたので、邪魔することができなかった」


本当に父さんはアンジュを何度も見ていたんだ。アンジュが父さんが見えないふりをしていることに全く気づかなかったなんて信じられない。


「とにかく、やってきたことすべてに本当に驚いている、アレクス……誇らしく思うよ」


父さんが安心させてくれる笑顔を見せた。俺の過去の負い目、父さんとの関係、すべての悪いものが、父さんが俺が他の人々を助けてきたことを喜んでくれているのを見て消えていくのを感じた。喉の奥が詰まって、胸が締め付けられる。涙が出そうだ。これは許しなのか?いや、そうじゃない。これは俺たちを分かっていた壁からの心の解放だ。それが俺の感じていることだった。


「お母さんが今の見たら、とても誇らしく思うだろう」


以前持っていた家族は大切な思い出だが、今築いている家族が最も重要で、最も強く守りたいものだ。そんな思いが、その言葉を聞いた瞬間に心に浮かんだ。


「さて、今度は俺が君に真実をすべて話す番だな。話してくれたことから察するに、部分的にはもう知っているようだが」


父さんが俺の隣に座り、腕を組んで思慮深げになった。過去について、俺たちの家族の本当の起源について、俺が何者なのかについて、なぜ霊輝を持っているのか、なぜそれを隠していたのか、そしてこのルーツのパズルに欠けている他のすべてのことについて話し始める準備をしていた。

次回、ついに語られる父の過去。

愛した人、失われた日々、そして「ヴェスパー」という名に刻まれた宿命。

長い沈黙の果てに明かされる真実が、アレクスの運命を大きく動かしていく。

――過去を受け入れる時、物語は新たな段階へ。

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